【レースは誰のもの?】02/12

長男が50に乗っていたことを思うと中部地方はこの頃やたらとキッズが盛り上がっている。
多度チャンピョンシップなんかでは、50,60クラスは30〜40台なんてざらなのだ。
ただ、ちょっと気になっていることもある。
親が入れ込みすぎているのでないか?と感じることがあるのだ。
先日もレースが終わった小さな子どもに向かってオヤジが怒鳴っている場面を見た。
どうやらそのレース内容について怒っているようだった。
レースの時は、本人はもちろんオヤジたちのテンションも上がるのは当たり前だと思う。

うちも3人の子ども+オヤジがレースに出ていているから当日は大変だ。
朝からタイヤの空気圧を測るだけで8本分。
その他、諸々の整備をしているとレース前にどうにかなりそうだ。
そんな時に、子どもたちがダラダラと準備をしていたら
「レースに出る気があるんか!!」と怒ってしまう。
そして、もっと悪いことにオヤジがエースと思い込んでいるものだから
子どもより先にオヤジのことを先にしてしまう始末。
母ちゃんは、朝から一人でドタバタしている父ちゃんを呆れてみている。

確かにレース内容によっては、怒りたい時もあるが、
「レースは子どものもの」と割り切ってる。
レースになれば、いくら子どもでも自分一人でがんばらなければならない。
親はただ、声援することしかできない。だからよけいにイライラする時もあるのだが、
レース内容にかかわらず子どものがんばりを認めてやろうと思う。
だって、抜かれて平気でいる子どもはいないからだ。
ベリになって喜んでいる子どもはいないのだ。
みんなその子なりにがんばっていると思う。

レースは外から見ているだけでは分からないことも多い。
以前、長男がダラダラ走っているのでイライラして見ていたら
実はクラッチが滑っていたなんて事もあった。
(ちゃんと整備をしない父ちゃんが悪かったのだ)
次男が余りに遅いのでどうしたのかと思ったら、手首をひねっていたとか、
ゴーグルが曇っていたこともあった。
「アクセルを開けろー!!」と騒いでいるオヤジがいたら
一緒に見ていた全日本メカニックの子が
「あんなセッティングの出ていないバイクでアクセルは開けられませんよ」と呆れていたこともあった。

やっぱりレースは子どものものだと思う。
家族で喜び、家族で悔しがることも良いと思う。
でも、オヤジのものではないはずだ。

子どもたちが3人レースに出ていると、3人とも違うレースをする。
神経質でスロースターター、だけど一番まじめにレースをする長男。
チョ−マイペースで抜かれようが、ベリだろうが淡々と走り
賞品だけが生き甲斐の次男。
練習は嫌いなくせに、何故かレースだけには燃える長女。
一度、次男に聞いてみたことがある。
「お前、みんなに抜かれても悔しくないの?」
次男曰く。
「悔しいよ、だけどそれ以上にバイクに乗ることが楽しいから・・」

子どもを外から見える態度だけで判断すると意外な見落としをしてしまう。
子どものことは親が一番分かっていると思いこんでいると、
結構、分かっていないこともある。
親の独りよがりや自己満足で叱ってしまうこともある。
父ちゃんも、実は短気で怒りっぽいので反省することがたくさんある。

今は家族でバイクが楽しめるだけで幸せだ。
上に行けば行くほど、勝ち負けにこだわらなくてはならない時がある。
しかし、子どもに無理させて怪我だけはさせたくないと思う。
精神的に追い込んでのレースなんて身にならない。
ジャンプも無理に飛ばさせたくはない。
今は、バイクを楽しみ、バイクを操る素晴らしさに気付いてくれればいいと考えているのだ。
そして、父ちゃんみたいに長く長くバイクと付き合ってほしいなぁ〜。
もし、孫が出来てバイクに乗りたいと言ったら
その時は、このジイが、面倒を見てやろうと狙っているのだ。

今週は、久々の全日本で仙台まで家族で行く。
(今年は、PTAの役員だったのでレースに出られないことが多かった)
渋滞に巻き困れば、10時間を超えてしまいますが家族みんなで行って来るのだ。
出場するのは、父ちゃんだけで、それも予選通過は不可能に近いのに(泣)
みんな一生懸命に応援してくれる。ありがたいもんだ。
かあちゃんは、後ろの方を走っていると他人のふりをし
長男は、「もうオレの時代だな」と生意気な口を叩くが、
父ちゃんは、家族で一緒になって楽しめる今を大切にしたいと思っているのだ。