【IAになるヤツって?】03/4


この頃、中部地方もキッズが盛り上がってきた。
それはそれで嬉しいんだが、どうも方向が違うんじゃないかと思うこともある。
先日も練習走行の時、KX65に乗っている子どもに向かって怒鳴っているオヤジがいた。
「なんで2連を飛ばなかった!」子どもは、泣きながら反論していた。
「だって、前に飛ばない子がいたから・・」
「それでも飛ばんか!!」オヤジは子どものヘルメットを小突きながら不機嫌そうにしていた。

そういえば長男が65に乗っている頃にもこんな事もあった。
これも65クラスのレースのことだ。
トップ争いをしている2台があった。(ショウゴは、まだ乗り始めた分だったので遙か後ろを走っていた。)
コーナーごとに順位を入れ替える熱いレースだったので、もちろん親もヒートしていた。
65といってもトップの子たちは、ジャンプもスゴイし速さもパンパじゃない。
その時、ジャンプで2台が絡みながらすっ飛んだ。
危ない転び方だったのでコースに飛び出していったんだが、その子の親も飛び出してきた。
やっぱり、親ってのはこういうものだと思って納得していると
オヤジがうずくまって痛がっている子どもに向かって叫んだ。
「バカやロー何やってんだ、早くいけー!」
父ちゃんはビックリしたぞ。
だって怪我してるかもしれないぞ、
バイクだってどこか壊れたかもしれないぞ、
もしブレーキ系やステアリング系なら自分だけでなく他のライダーにとっても危険なんだぞ。
親だったらまずは「大丈夫か?」と聞くのが普通だと思うぞ。
レースで興奮していて自分の具合やバイクの様子が分からなくなっている子どもに変わって
親こそがこういう時に冷静にならなくてはいけないと思うのだ。
いくら注意していても怪我をすることがあるモトクロスだからこそ、
大人はもっと子どもの怪我について注意を払ってやるべきだと、
才能ある子どもたちが怪我でバイクを降りていくのを何度も見ている父ちゃんは思うのだ。

しかし、「バカやロー何やってんだ、早くいけー!」って怒鳴られていた子は、
飛び起きるとバイクに飛び乗りスゴイ勢いで走り去っていったのだ。
「こういうヤツがIAになるのか?」と当時の父ちゃんは、ただただ呆れて見ていたのだった。

PS
その後、暫くしてこの親子をコースで見ることはなくなってしまった。
噂によると80にステップアップした後に怪我をして止めてしまったそうだ。