子どもに残してやれるもの(2003/12)

 父ちゃんの子どもたちも中2を頭に小6・3と成長してきた。
特に長男は、もうすぐ受験生になってしまう。
ただでさえ保育園の行事やなんやかやで練習量の少ない我が家だが、
やれ部活だ、塾だとなかなか家族でコースを走ることも少なくなってきた。
長男の走りを見ていると今が一番伸びる時期だと思うのだが仕方がない。
長男も「高校生になったら帰宅部になって遅れを取り返す」と言っているし、
父ちゃんだって始めてモトクロスバイクに乗ったのは24歳の時だったのだから、焦らずに子どもを信じて待っていようと思う。


親が子どもに残せるものって何だろう?
小汚いオヤジがまだまだ現役バリバリの気でいる我が家では、子どもたちにお金も残せてやれそうもないし、
モトクロスの技術を身につけさせることも出来そうもない。
残せるものと言ったら、どこに行くにも家族一緒で、みんなでモトクロスを楽しんでいる思い出くらいか?

でも、今はそれで良いと思うのだ。
父ちゃんも子ども時代には、兄弟や友達、親やジジババと過ごした楽しい思い出がたくさんある。
それは、社会に出てから、そして家族を持つようになってからも役立っていると思う。

それと共に、もしモトクロスを止めたとしても生きていけるだけのものは、身につけさせてやりたいと思う。
他人に対する思いやりやどんな仕事であれ真面目に働ける意志は、社会に出てから特に必要だ。
最低限の知識や学力も必要であろう。


モトクロスほど、掛けた金に対しての見返りが少ないスポーツもそうはないと思う。
どんなに才能があっても、全盛期は短いものだ。怪我をすることだって確率としては高い。
IAになってもそれだけで食っていけるのは、ほんの一握りだ。
あの全日本チャンプの成田君だって、モトクロスを止める寸前まで追い込まれたことがあるというではないか。
むしろモトクロスを止めてからのことを考えてやるのが親の勤めだと思う。

うちの子どもたちも今は、楽しいだけでやっているモトクロスだが、
やがて自分で将来を選択しなければならない時が来るだろう。
バイクを降りたら“ただのバカ”では、可哀相だと思うぞ。
もちろん、モトクロスを通して身につけられるものも多いと思うが
社会に出ても一人の人間としてやっていくだけのものは身につけさせてやることは親の勤めだと思うぞ。