ウヒャヤヒャヒャー(2004/5)
全日本第3戦中国大会(5/8、9)に出場する父ちゃん一家は、
練習のために5月1日(土)に初めての弘楽園に出発した。
ただし、保育士の研修会があったので出発は夜の9時。(こんなゴールデンウィークまっただ中にやるか?)
おかげで広島に着いたのが日曜の朝の7時。そして、ついに夢にまで見たラムソンジャンプと面会したのだった。
噂に聞いていた通り確かにデカイ!そして曲がっている(父ちゃんの一物のようだな)。
だから写真で見るIAは、あんなにひねって飛んでいるのだと納得した。
だが、次のコーナーのことを考えなければ、まっすぐ飛んでも大丈夫そうだ。
不思議なもので何回か行ったり来たりしているうちに段々と飛べそうな気がしてきた。
しかし、弘楽園は硬質だとは聞いていたがあんなにガチガチとは思わなかったぞ。
所々には、岩盤が浮き出ていてブラックマークさえもあちこちにあるではないか。
自慢じゃないが、フカフカの河原で慣れきっている父ちゃんは、ガチガチ路面が大嫌いだ。
その上、この日の弘楽園は、全日本前ということもありガチガチの上にメチャクチャ荒れている。
もう、父ちゃんが走れるレベルではなかった。
今回のジュニアクラスで出場する長男と次男もビビリまくって“借りてきた猫”のように走っていた。
もちろん父ちゃんは、その上の“借りてきた亀”状態だった。
コース幅も広くレイアウトも面白いと思ったが、父ちゃんレベルだとどうやって走ったらいいかさっぱり分からなかった。
その時だ。ブルーゼッケンの98番が抜いていった。
「アッ!」あれは間違いなく名阪であった年寄り友の会会員ではないか!
ここで離されてはいかんと父ちゃんは頑張った。
さすがホームコースだけあってライン取りも上手かった。参考にさせてもらったぜ。
しかし、やはり段々と離されてしまった。
その後は、名阪での98番さんの忠告通りフープスの練習を繰り返した。
パドックに帰って休んでいると98番さんがバイクに跨って通りがかった。
「ひょっとして名阪でお会いした人でしょ?」
98番さんの問いかけに「そうですよ、今度は弘楽園で会いましょうって約束したでしょ」と答えた。
二人は見つめ合って微笑んだ。さすがは年寄り友の会だ、若者たちにはない味わいのあるひとときが過ぎていった。
そして、帰り際に98番さんが言った。「どう、わし名阪よりも速いでしょ?」
「もう、全然ついていけませんでしたよ」父ちゃんは、社交辞令で答えた。
「ホンマ?ホンマ?ホンマー!!」
98番さんはそう言うと「ウヒャヒャヒャヒャー!」と不気味な笑い声を残し去っていった。
その嬉しそうな後ろ姿を眺めながら父ちゃんは思った。
さすがは40を超えても全日本に出ている人は違う。普通ではないな。
しかし、98番さんよ、確かに初めは離されてしまったが、その後のフープスの特訓で自分なりの攻略法を発見したのだよ。
各コーナーのライン取りもしっかり盗ませてもらったしな。
もう、あの時の父ちゃんではないのだよ。ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャー!!!