あの笑顔が忘れられない・・(2004/10)
“反省の旅仙台”(本当は何も反省しなかったのだが・・)では、ちょっと気になったことがあった。
一台だけ来ていた65の親子のことだった。子どもは、小学生2,3年といったところだろうか。
もちろん父ちゃんより熱心に練習していた。親父も長靴履いて泥の中で一生懸命に教えていた。
そして子どもがパドックに帰ってくるたびに「なんだあの走りは!」とか言って叱っていた。
腐ってもIBの父ちゃんだってヨタヨタ走ってんだから65ならそんなもんだよ、と思うのだが親父には我慢ならないようだっ
た。
毎回毎回帰ってくるたびに叱られている子どもが親父を見る目は怯えていた。
決して虐待親父でもないし、言っていることもそうムチャクチャではない。
確かに理にかなっていることも言っているのだが、子どもの目は怯えていた。
そんな様子をボーと見ていたら(そんな暇があれば練習すればいいのだが、すぐに疲れて帰ってきてしまう)
長男が65に乗り始めたばかりの頃を思い出してしまった。ちょうどこの子ぐらいの時だった。
一度どうしてもヘルメットを被らずに走りたいと言い出したことがあった。
河原のコースではない平らなところだったが、もし転んだら危ないと思い「ダメ!」と言ったが
「絶対転ばないし速く走らないから」と何回も言うのでノーヘルで走らせてみた。
いつもはヘルメットにゴーグルを掛けているので気づかなかったのだが、バイクに乗るショウゴはとっても楽しそうだった。
髪の毛が風でなびき、目をクリクリさせて乗っていた。
こんなに楽しそうに乗ってもらえればバイクも幸せだな〜ってホント思ったぞ。
その嬉しそうな笑顔を見ていたら父ちゃんも初めてバイクに乗った時のことを思い出した。
あれは二十歳の頃だった。
東京の深夜スーパー(当時はまだコンビニなんて一般的ではなかった)に勤めて貯めた金で買ったハスラー50。
風を切って走るのが本当に気持ちよくって、きっとショウゴのように笑いながら乗っていたと思う。
あの頃のことがあるからこそ、きっとこんなジジイになって人に笑われてもまだバイクに乗っていると思う。
ショウゴも今では、あんな顔で乗っていない。
普段はお人好しでどこか抜けているショウゴでもレースでは目をつり上げて乗っているし、練習でも何やら考えながらやってい
るようだ。
もちろん速くなるためには楽しいだけではいけない。
きっと、あの親父も子どものことを考えてやっているのだと思う。
家では良い親父かもしれない。
でも、バイクに乗れるだけで、風を感じられるだけで思わず笑ってしまった体験は絶対に必要だ。
この頃、勝ち負けにこだわり始めたショウゴだが、あんまりしかめっ面ばかりしているようならノーヘルで笑いながら走ってい
た頃のことを話してやろうと思う。
そして、父ちゃんがこんな年寄りになっても乗っていられるのは、あの時のおまえの笑顔のおかげだってことも・・。
PS
これを書いたのが10月の終わりなのだが、ショウゴがついに85を卒業してCRF250に乗り始めた。
ホントは、CR125の予定だったがホンダがなかなか発表せず、
そうこうしているうちに我慢しきれなくなったショウゴは、父ちゃんのCRFに乗り出してしまった。
心配する父ちゃんを尻目に15分も乗るとすでに父ちゃんより速い!ホント子どもって恐ろしいものだ。
中三の受験生なのでこの頃では、なかなかバイクに乗る機会はないが、
やがてくる‘05モデルのCRFをどちらが乗るかで揉めている。
もちろん我が家のエースは父ちゃんなので父ちゃんがピカピカCRFでショウゴがボロボロCRFで順当だと思うのだが・・。