違いが分かる男?(2005/8)
-
手を怪我してしまった三重県員弁(ダイイチ)での中部戦でのことだ。
朝早くから父ちゃんは、自慢の“ワカパイ号(‘05CRF)”、
そしてショウゴの“おばさん2号(‘04CRF)”、タカのCR85の整備をしていた。
父ちゃんが、ワカパイ号のリアフェンダーをナデナデしていると、
美杉の愉快な3兄弟の長男(shiba1)さんが、ニコニコしながら寄ってきた。
今回は、美杉の秘蔵っ子と言われている岡野君(‘04オフロード全国大会のジュニアクラス優勝)の
メカニックとして来ているようだ。
そして、爽やかな笑顔で言った。
「中島さん、これが“おばさん2号”ですね?」
「え!」父ちゃんは、言葉を失ったぞ。
“ワカパイ号”を“おばさん2号”だと?
隣にあるのが“おばさん2号”で“おばさん1号”なら車で寝ているぞ。
長年、全日本をメカニックとして転戦しているshiba1さんは、“違いが分かる男”として一目置いていたのだ。
しかし、父ちゃんの自慢の“ワカパイ号”とショウゴの“おばさん2号”の区別も出来ないような男とは思わなかったぞ。
「今日は、よろしくお願いします」とこれまた爽やかな笑顔で通り過ぎていったが、
はっきり言って父ちゃんは、朝から落ち込んでしまったぞ。
(あ〜、やっぱり悪いことが起きる日は、朝からこんなものなのか?)
「shiba1さんもついにボケが入り出したか?」とあきらめて愛しのワカパイ号をよく見れば、
シートも少し破れているし、あちこちも傷だらけだ。
ツヤツヤ・ピチピチだったあの新車の頃の輝きはどこにいってしまったのだ!
考えてみれば今年は、1月の生駒から始まって前半はレースだらけだった。
お金も底をつきかけているし、バイクも父ちゃんもお疲れモードに入っていたのだ。
そういえば、元祖ワカパイも心なしか肌のツヤも落ちてきているようだ。
自慢のおっぱいだってブラで持ち上げてはいるが、きっともう垂れているだろう。
母ちゃんだって昔は凄かったのになぁ〜。あ〜、年をとるって悲しいことだなぁ〜。
しかし、若ければ(新しければ)いいってものじゃないぞ。使い込まれた愛着もあるはずだ。
ワビやサビだって出てくるぞ。
父ちゃんぐらいの渋い大人になると、勢いだけの若造とは違うのだよ。
愛しの“ワカパイ号”よ。例え君のおっぱいが垂れようが、肌がカサカサになろうが父ちゃんは捨てないぞ。
そうだ!これからは“ワカパイ号”ではなく“タレパイ号”と呼んで愛でようではないか。
そんな父ちゃんの愛情を“タレパイ号”や母ちゃんは分からないのであろうか?
そして、その日のレースで愛しのタレパイ号から弾き飛ばされて右手をイヤというほど打ち付けてしまったのだ。
そういえば、この頃は、母ちゃんにも怒られてばかりだしなぁ〜。
ワビとサビばかりでコケが生えてきてしまった父ちゃんだったのだ。