アナコンダスタート(2005/8)
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モトクロスランド多度が‘05年の第3戦からアナコンダスタートの禁止を打ち出した。
それに伴い多度の掲示板でも、その是非を巡って熱い議論が交わされていた。
その時の父ちゃんの発言を載せようと思うが、
その前に多度のレースに出ていない人は、
そもそもアナコンダスタートというもの自体が分かっていないと思うので説明しよう。
アナコンダスタートというのは、デロリアンスタートの未完成型だと思う。
では、デロリアンスタートがどういうものかというと・・
スタートバーが落ちる前からフロントブレーキを掛けてアクセルを開けていき後輪を空転させた状態で
スタートと同時に飛び出していくものだ。
主に65の上位クラスで行われるようになった。(多度の滑りやすいコンクリートスタートだからこそ出来るのだが・・)
微力な65ccなら上手くいけばロケットスタートが出来るようだが、
なにせスタート前からタイヤが空転しているのだから、
実際には、右に左に蛇行するヤツが続出したようだ。
“ようだ”と書いたのは、実は父ちゃんは、この頃、65の速いクラスは見ていないからだ。
上の子二人が65を卒業してからしばらく立つし、
3番目のナホもやっと65に乗るようになったくらいなので、もちろん一番遅いクラスだからだ。
ただ、パドックで準備をしていると実況放送でやけにスタートでの転倒が多いと感じていた。
実際、スタートだけではなく、コースの至る所での転倒も兄ちゃんたちの頃に比べても多いと思う。
多度の65は、ここ1、2年で台数も飛躍的に増え、レベルも上がっている。
当然、親たちもヒートアップ気味だ。そんな中でのアナコンダスタートの禁止だった。
(スタートでの進路妨害があった場合は赤旗でスタートのやり直しという処置)
中部戦と重なったために出場しなかった第3戦では、ついに赤旗が振られたようだった。
この処置に対して、「モトクロスというものは、本来多少の接触は当たり前であり、
そのたびに赤旗を振っていては、レースの面白みもなくなってしまうのではないか」とか
「いや、やはり少しでも危険性は防いでおいた方が良いのでは?」等と賛否両論が出ていた。
本来ならその時の掲示板全員の意見を載せたいが、
それも出来ないことなので父ちゃんとヨッシー父の発言を載せておこうと思う。
6 名前:父ちゃん 2005/06/23 08:58 [t011120.ipgw.phs.yoyogi.mopera.ne.jp]
う〜ん、考えさせられる問題ですね。
うちの子たちの時には、こんなスタートするヤツいなかったのにな〜。
IAの池谷君やスーパー正憲、ヨッシーやリョウスケだって
65の時には、こんなスタートしていなかったぞ。
ひとつ言えるのは、アナコンダスタートなんてパワーがない65だけのテクニック。
85に上がれば、必要ありません。
まして、フルサイズになれば、いかにスピンさせないようにスタートするか?のテクニックが必要になっています。
コージー(大河原選手)の多度でのスタート見てますか?エンジンの音聞いていますか?
あの滑りやすいコンクリートのスタートで時にスポーク見える時がありますよ!
確かにスタートは大切ですが、モトクロス人生は長いですよ。
間違いなく言えるのは、アナコンダスタートを覚えなくてもIAになれることです。
そして、モトクロスをやっていく上で、もっともやっかいな問題が怪我なんです。
いかに怪我を少なくして(危険を回避して)速く走れるか?
上のクラスに行けば行くほど、直面する問題です。
素晴らしい才能を持った子が、ひとつの怪我でこの世界から去っていく姿を何回も見ましたよ。
スタートに限らず、ジャンプでも無理して飛べば速くなることが出来ますが、
モトクロスにとって本当に大切なのはコーナーです。
だって、コースのほとんどはコーナーですよ。
コーナーの練習は安全に出来ることが多いです。
父ちゃん一家はやりませんが(笑)8の字だって大切な練習です。
子どもたちは、まだまだ自分の力で危険を見抜けられません。
どこまでが挑戦でどこからが危険なことかを教えてあげられるのは、親ですよ。
その親が熱くなりすぎてはいけません。
アナコンダスタートの是非は、お任せいたしますがスタートで遅れたって抜く練習だと思えばいいのでは?
そのくらいの余裕を親が持たないと本当の危険が見抜けなくなってしまいますよ。
7 名前:ヨッシー父 2005/06/23 20:38 [pl191.nas511.o-tokyo.nttpc.ne.jp]
父ちゃんの言うとおりです。私も同感です。
半クラばんばんで速く走れるバイクは、今の時代ではないでしょう。
いかにトラクションをかせぐかが課題です。
昔タッツーのロケットスタートがありましたがあれはPW独自のもので、65ではかえって遅くなるはずです。
もっとスタートのやり方を変えて練習をしましょう。地方選や全日本では通用しません。
多度のキッズは中部の宝です。
来たれたくましき多度人。もっともっと速くなってモトクロス王国中部にあり!と知らしめてください。
今は中部の時代です。
8 名前:父ちゃん 2005/06/24 10:27 [t548180.ipgw.phs.yoyogi.mopera.ne.jp]
ヨッシー父の
>今は中部の時代です。
に反応してしまいました。(笑)
そうなんです。
中部戦で勝てても全日本に行けば予選落ちなんて時代もありましたが、今では固定ゼッケンが当たり前。
去年の全日本IB両クラスのチャンピョンは、中部の子。
それもこの多度でキッズの頃活躍した子たちです。
同時期にうちの子たちもいたので思うのですが、今の50や65の子たちは、あきらかに当時のレベルより高いです。
バイクの進化を考えても速いです。
当時の65は、一クラスしかなく、親子共々もっとのんびり感があったように思います。
でも、そんな一クラスしかなかった時代の子たちが現在全日本クラスで活躍しています。
ヨッシーだって、今年のMFJモトクロス全国大会ジュニアクラスでは、きっと優勝してくれるでしょう。
(普段通りに走れば、大丈夫だから気負いすぎないようね)
そうなれば、このクラスは、3年連続中部勢が押さえてしまいます。
昔から知っている子たちが、活躍する姿を見ると嬉しくなって来ますが、
それよりも彼らが心底モトクロスを好きな姿に感動します。
クラスが上になればなるほど、楽しさだけではやっていけないことが多くなります。
辛いことや痛い目にも遭います。
でも、それを乗り越えて彼らは、モトクロスをやっています。
この原動力は、きっとキッズの頃にモトクロスの楽しさを満喫したからだと思うのです。
子どもは教えれば教えるだけ速くなります。
怒鳴りつけ、蹴倒しても速くなります。
モノで釣っても速くなります。
速くなるから親は、自分のやり方が正しいと勘違いしてしまいます。
自分の子どものことは、自分が一番分かっていると思い込んでしまいます。
でも、近すぎると見えないこともあるんですね。
熱くなりすぎて、子どもの為だか自分の為だか分からなくなってしまうことありませんか?
でも、子どもは、親が大好きです。
親の言うとおりに頑張ってしまいます。
親に褒められたくて、認められたくて無理をすることもあります。
ヨッシー父が以前「自分は、レースの時には、メカニックに徹する」と言った言葉が忘れられません。
子どもをひとりのライダー、人間としてサポートする。
見習いたいと思いつつ、いつも自分のレースで頭がいっぱいになってしまう父ちゃんでした。
PS
子どもたちの安全について、こうやってみんなで考えてあげられる多度に集う人たちは、素晴らしいと思いますよ。
せっかく多度で出会ったのですから、非難し合うのではなく、みんなでモトクロスを楽しんでいきたいですね。
そのために、みんなで考えていきましょう!
