「げんきっ子ビデオ」

これは、平成2年度より僕(なぜか園では隊長とも呼ばれている)が、

家にあったビデオカメラで保育園の子どもたちの様子を撮影して、 ビデオによる園だよりとしてはじめたものです。

現在は、年3回、年齢別に無料貸出・ダビングをしています。

良いところばかり撮るのではなく、 子どもたちの素顔をありのままに写すように心がけています。

親御さんに普段見ることが出来ない園生活を見てもらおうとはじめた 「げんきっ子ビデオ」ですが、子どもたちが何より喜んでくれています。

「この時、なっちゃんとブロックやったじゃん」 「このあと、みーちゃんとおだんご作っただに」等

いつもは、なかなか園での様子をうまく伝えられない子が、

このビデオを見ながらだといろいろな事を(写っていない部分を含めて) 家族みんなに教えてくれるようになったそうです。

また、貸出のつど、ビデオや園に対するアンケートを実施し、 記名のあるものについてはすべて返事をしていますが、

当初のアンケートでは、「うちの子があまり写っていない」というのがけっこうありました。

(一学年60人前後いますから、いくら年齢別に撮っているとはいえ、 自分の子が出ている場面はそんなに多くはありません。)

しかし、楽しそうに説明してくれている子どもを中心にして、家族で見るうちに 「自分の子だけ」という見方から、

友だちとの関わり、 みんなで遊ぶことの大切さに親御さん自身が気づいたというアンケートが多くなってきました。

そして、先生自身の変化もありました。

「私、こんな言葉かけしてたの?」から「他の先生の保育が見られて良かった」等々、

先生たちにとっても自分の保育を振り返る良い機会になっているようです。 このごろは、先生たちによる撮影も増えてきました。

みなさんの園でもやってみませんか!意外と簡単ですよ。

給食やお昼寝など、ただ順番にダラダラと撮るだけなんですから。 (後からアフレコで音楽を入れますが)

でもアンケートには、「なんで家では人参なんて食べないのに、嬉しそうに食べてるの?」

「寝てるところがかわいい」といった反響があります。

年長児の最後の「げんきっ子ビデオ3」

(卒園式やお遊戯会が入るので3本になります、

またこの時だけは、入園当初の思いでの場面などを入れて、 普段のうっぷんを晴らすべく編集しまくってあります)

には次のように書かれて終わっています。


このビデオを大きくなったあなたに送ります。

悲しいとき、道に迷いそうになったとき

本棚の片隅からそっと取り出してみてください。

ほら こんなに生き生きとした あなたが・・!


「げんきっ子ビデオ」は誰のために撮っているのでしょうか?

親御さんのため?子どもたちのため?

違うのです。 実は、大きくなったときの子どもたちのためなのです。

大きくなって保育園時代を忘れたようなときに、今一度見て欲しいのです。

そんな「思い」でいます。

家庭のビデオとはまた違った 保育園時代の友だち、先生、そして自分がありのままに写っている姿を見て欲しいのです。

ファインダーを覗きながら撮っていても、 僕の目には、大きくなった子どもたちの姿が見えています。

ですから、ウソは撮りたくないのです。