「ほ育園のお手伝い」(2001.10)

今年の夏休みにも下は小学校1年生から上は大学生までの子どもたちが

保育園にお手伝いに来てくれました。

先日、そんな中の一人、小学校4年生の男の子が「夏休みの出来事」ということを

書いた作文を持ってきてくれました。


それを読んだ先生たちは、その観察眼にびっくり!

(0,1歳児の赤組さんのことです)

「そう、そう」ともう大笑いで読ませてもらいました。

本人の了解の元、紹介したいと思います。


           
「ほ育園のお手伝い」

ぼくは、夏休みにほ育園のお手伝いをしました。

その中で、一番おもしろかったのは、赤ちゃんのいる赤組さんのお手伝いです。


夏休みの自由ほ育の時に、赤組さんのマキちゃんの世話をしました。

最初にマキちゃんを見た時、ぼくは、男の子かと思ってしまいました。

でも、赤組の先生に「マキちゃんは、女の子だよ」と聞いてびっくりしました。

赤組の子は、最初、ぼくをじーっと見て、はずかしかったです。

でも、すぐになれてしまいました。


砂場へ行く時、まだ歩けない子を、うば車に乗せて、おしてあげました。

ぼくが、砂山を作ると、ちょっと目をはなしたすきに、にこにこしながら、こわしにきます。

きっとこわすつもりがなくても、遊ぼうとしてさわると、こわれるんだと思いました。

食べる時は、生まれて間もない子は、細かくしないと食べれません。

少し大きい子は、大きい子と同じ位の物を食べますが、

きらいな物があると、先生がむこうを見ている間に、ぽいっと下へ捨てちゃう子もいます。


ねかす時は、タカシは「コンコンクシャン」の歌を歌うとよくねます。

ほかにもせなかをトントンすると、ねる子、おでこをさするとねる子もいます。

でも、ナオキやシンゴは、ほっといてもぱたっとねてしまいます。

ハルキは、みんなよりおそくねても、早く起きます。


おむかえの時、ぼくがまどから見て教えてあげると、ユイカは「ママ、ママ」と言います。

おむかえにくると、はっとする子、ぼーっとしている子もいます。

お母さんがきて、かばんをとりにロッカーまで行ったのに、

そこにおもちゃがあると、また遊びだしてしまう子もいます。


ゆうぎ室の前のたなにある動物のもけいを、みんなで見ている時、

ユウスケが後ろの方で見ていたので、ぼくは、だき上げてあげました。

すると、すぐ近くで、すごくくさいにおいがして、

ユウスケをおろすと、ユウスケのズボンから、やわらかいウンチがはみだしていました。

それがなんと・・・ぼくのズボンにもついていたのです。

すぐに先生が新しいズボンを出してくれたので助かりました。

(いつも先生に助かる助かると言われているけど、あの時は、こっちが助かりました)


ぼくがブロックでおもちゃを作ると、たいていの子は、それで遊ぶけれど、

マサシは、ぼくが作っている物と同じ物を作ろうとしたり、

それをかいぞうしたりして遊びます。

ダイゴは、よくけんかをするけれど、ちゃんと意味があります。

先生にトイレに行くように言われても遊んでいて、

みんなより後にトイレに行っている間にダイゴの作ったおもちゃを、

おむつの子やトイレから帰ってきた子がとったり、こわしたりしたので、

ダイゴがおこってけんかになったこともありました。


マキちゃんはとても頭がいいと思います。

先生にトイレに行くように言われたら作っていたおもちゃを先生にあずけて行きます。

ほかにもマキちゃんに「パパどこにおる?」ときくと「カイシャ」と言うし

「ママどこにおる?」と聞くと「カイシャ」。

「じゃマキちゃんはどこにおる?」と聞くと「ホイクエン」とちゃんと答えます。


ぼくは、自分が赤組の時、どんな赤ちゃんだったかと思い、母ちゃんにきいてみました。

母ちゃんは

「牧野先生が『たかちゃんは、せまい所が大好きで“たかちゃんどこ?”ってきくと

“とと(ここ)”って指しゃぶりしながらベットの下から出てきた』と言っていたよ」

と教えてくれました。


学校にいる時も、ほうかになると、つい気になって、けやき門から

ほ育園を見ています。

そして、赤組さんの子が外で遊んでいると手をふります。

すると、赤組さんの子も「たかちゃーん」と言って手をふってくれます。


赤組さんの子どもは、みんなにてるけど、すこしずついろんな所がちがっています。

そのちがう所が、みんなかわいいし、それがいいんだと思います。

来年の夏休みも、ぼくは赤組さんに行って赤組さんの子の世話をしたいと思います。


以上です。

楽しい作文をありがとね、

来年も先生たちは待っているからね。