「運動会だー!」(2001.10)

運動会の準備が終わって、

家に着いたらさっそくお母さんからメールが入っていました。

その返事です。


>この頃、娘の寝つきが悪くて、なんでだろう?って考えてました。

>なにも思いあたらない・・・・わかりました!!

>すぐ運動会だからですね!!

>大きいけど雪組(2歳児)の我が家の長女、

>彼女なりに色々緊張してるんだな〜って思います。

>(初めてだもんな〜。そりゃそうだ。)


初めての行事は、子どもにとって大変刺激的なことです。

ましてや、入園以来最大の行事(運動会)なんですから。

でも、子どもたちにとって刺激は必要な事ですよね。


楽しい事なのに緊張してしまう、

張り切りすぎて空回りしてしまった思い出がみなさんにもありませんでしたか?

子どもって、その辺の気持ちの整理がまだ出来ないときがあるんですよね。


○○さんのお子さんは体も大きく、しっかりしているように見えますが、

心は雪組(2歳児)のみんなと同じです。

初めての大きな行事で、心が揺れ動くのは無理ありません。

でも、昨日も運動会の練習を楽しそうにしていましたよ。

この様子はビデオに撮っておきました。

「げんきっ子ビデオ」をお楽しみに。

(赤、雪、星組さんは、本番がどうなるか分からないので普段の練習風景が撮ってあります)


雪組のともこ先生は、お遊戯会の前の日に必ず熱を出したそうです。

(ともこ先生もうちの卒園児)

楽しいのだけれど緊張して、いつも熱を出してしまい、親を心配させたそうです。

でも、本番はちゃんとやれたそうですよ。


緊張をする事は悪いことではありません。

適度の緊張は、集中力を高め能力を伸ばします。

過度の緊張はストレスを貯めてしまいます。

子ども達には、気持ちの良い適度な緊張感がたまには必要だと思います。

間違っても出来栄えを良くしたいために過度な緊張感を与えてはいけません。


当園は、行事も多く、派手と噂されていますが(僕自身はそう思ってないのですが)

子どもも親御さんも、そして先生も楽しめるものばかりです。

これを行事3原則と言っています。

(1)子どもが楽しめる行事(一番大切)

(2)親御さんが楽しめる(これまた大切)

(3)先生が楽しめる(一番難しい)

これを守れないような行事は変更または中止をしています。

>当たられても、夜寝なくても「運動会デビュー」楽しみです!

>よく考えたら親の私達もデビューです。

>あ〜ドキドキしてきた〜!


明日の運動会も子どもたちはもちろん、親御さん、地域の方、そして先生。

みんなで楽しみたいですね。

PS

以前中学の塾の講師をしていたときに、中学生たちが保育園時代の思い出話を良くしてくれました。

その多くは行事の事でした。

楽しそうに語る顔が眩しかったです。

だって、僕が卒園した保育園は何にもありませんでした。

ですから、担任の先生さえ忘れて思い出せないのです。

(僕だけではなく、友達もそう言っていた)


以前、保育の掲示板に投稿した文章をコピーしておきます。

 
       【保育園の先生の思いで】


隊長は保育園の先生を覚えていない。

それは、自分が過去を振り返らない男だからとずっと思っていたが、

消防団で友達と話しているうちに、みんなも当時の先生を思い出せないことに気づいた。

ジャングルジムで消防車ごっこをやったこと、(もちろん隊長役は、隊長だった)

お昼寝の時、隣の子の布団に潜り込んで叱られたこと

おやつのホワイトロリータを配ってくれている白い手までは覚えているのだが、

先生がどんな顔でいたのかは思い出せない。(隊長の大好物だ)


今は、むさくるしい大人になってしまった同級生たちも、当時の話をしている顔は、あの頃のままだ。

二十歳くらいの頃は、やたらとカッコつけたり無理していたりして、自分を見失っていたやつも、

30を過ぎれば当時に戻るものだなと思った。


後で分かったことだが、隊長が通った公立の保育園は、

よく言えば子ども主体の自由保育、悪くいえば「超」放任保育だった。

先生たちは子どもたちと関わり合うことはほとんどなかったように思う。

一緒に笑うことも、一緒に泣くこともなかったように思う。

「ように」と書くのは、

誰も先生が何をしていたのか覚えていないからだ。

園長先生に至っては、ほとんど園にいなかったとオカーは言っていた。


しかし、みんなが覚えている先生が一人だけいた。

それは、主任先生だ。

この先生だけは、それぞれの思い出があった。

だって、いつも隊長たちが悪いことをしたり、

危ないことをしたりしたときに叱ってくれたのは主任先生だからだ。


保育園に行くのは好きだった。

友達と遊べるのが何よりうれしかった。

早期教育を押しつけられたり、待つ訓練ばかりやらされたり、

見せるための行事をやらされたり、いきすぎたしつけを日常的にしている園に比べればよかったと思う。


隊長が中学生を塾で教えていたとき、

みんな実に楽しそうに保育園、幼稚園時代を語ってくれた。

お遊戯会のこと、先生に叱られたことや遊んだこと、

お母さんと毎日手をつないで登園するまでの道のり、

そんな話を聞きながら本当にうらやましいと思った。


各保育園や幼稚園では、いろいろな形態の保育や教育が行われている。

でも、どんなやり方であれ、子どもと先生の信頼関係があれば、

きっと子どもの育ちにプラスになるだろうし、大人になっても先生を覚えているだろう。

残念ながら、隊長の保育園の先生たちは、本気で子どもたちとぶつかり合うことはなかったと思う。

主任先生をのぞいてだが。


当時の先生たちは、今どうしているだろう。

自分が関わった子どもたちが名前や顔さえ覚えてないことを知ったらどう思うだろうか。

これを書くにあたって、十何年かぶりに保育園のクラス写真を出してみた。

そこには、懐かしい顔ぶれとともに、思いでのままのちょっと太めの主任先生と、

どこかで見たことがあるような先生がいた。


さあ、みんなで見て楽しみ、

参加して楽しみ、応援して楽しみましょう!

そして、楽しい思い出になるような運動会にしましょうね!!


以上、当園のお母さんへの返事でした。