「作品展だー」(2002.1)

木曜から日曜日まで当園の作品展でした。

中には、お母さんと、お父さんと、おじいちゃんおばあちゃんとと

4日間とも来てくれた子も多かったです。

たくさんの卒園児にも会えてとても楽しい時を過ごせました。

ありがとうございました。


僕は作品展が大好きです。

子ども達の作品はどれも素晴らしいものです。

たったひとつの丸が書いてある乳児さんの絵にも

それを楽しそうに書いている子どもの姿を見ている保育者には、

その丸にこめられた“思い”が伝わってきます。

つぶやく言葉のひとつひとつがひとつの丸にも“意味”を与えていきます。


でも、そんな姿を見ていない親御さんはどうでしょうか?

自分のお子さんの作品になら愛着が湧くでしょうが、

お友達の作品にまで“思い”を読み取る事は難しいですよね。

僕たちが他の園の作品展に行っても同じです。

だって、その子を知らないし、作っている姿も見てないのですから。


子ども達の作品は、素晴らしいものばかりです。

しかし、当たり前の話ですが、

その作品自体で感動を与える“技術”はまだありません。

年齢以上のことをさせようとすれば子どもに負担が掛かりますし、

それでは、作品展を行う意味がありません。


ですから、僕たち保育者が出来ることは、

子ども達の作品の“思い”や素晴らしさを伝える“仲介者”になる事だと思うのです。

そのために今年も各先生たちが、いろいろな工夫をしてくれました。


親御さんたちには、自分のお子さん以外の作品にも目を向けてほしいのです。

「自分の子より上手い、下手」なのではなく、お友達の作品も楽しんでほしいのです。

乳児さんの作品にも、大きい子の作品にも・・。


今年の共通テーマは「みんなのまち」。

(4月には先生たちで話し合って決まっています、

普段の保育を疎かにすることなく無理なく進められるように考えています)


子ども達が作った家や町には、

子ども自身も住人(写真)として作品の中に入り込んでいます。

好きなポーズで写っている子どもがいるだけで、

その作品を見る目が違ってきますよね。

展示の仕方や説明文にも

「どうしたら作品の“思い”を伝えられるか」と考えています。

乳児さんの絵を始め子どもたちがつぶやいた事や説明してくれた事が

そのままの言葉で書いてあります。

照明や音楽(各コーナーにはそれに見合った効果音や子ども達の説明、

歌などがMDから流れてきます)影絵や扇風機まで動員?して

それぞれの作品を盛り上げています。

「げんきっ子ビデオ」コーナーでは、

子ども達が作っている様子がテレビから流れています。

先生たちも、順番で各コーナーを担当して子ども達の“思い”を伝えています。

先生たちの話を聞くとますます作品に愛着が湧いちゃいますよ。

僕もあちこちで作品展を語りまくっていますので、

よろしければ声を掛けてください(笑)。


保育者は、素晴らしい作品の“思い”を

親御さんを始め見る人たちに伝える義務があります。

それは、作品に取り組んでいる過程から発表の場である作品展、

そして、その後まで見続けることが出来る保育者の勤めだと思うのです。

ですから、ひとつひとつの作品からその子が作っている姿が浮かび、自信をつけ、

その後の盛り上がりが感じられるような作品展を目指しています。


子ども達の作品はどれも素晴らしいものです。

この乳幼児期の作品には“上手い・下手”は関係ありません。

すべて大切な自己表現なのです。

作品展という4日間限りの行事ですがこれを経験する事によって、

絵を書く楽しさや物を作る面白さを満喫してほしいと思います。

親御さんを始めみんなに自分の作品を見てもらえることは大きな自信につながります。

しかし、作品展自体は保育の流れの単なる“通過点”です。

ですから今年の作品展の評価は、その後の子ども達の姿が表現してくれるのです。