他の掲示板で 「保育園に子どもを預けることによって、母親が“楽”をしてしまい、
おむつだって保育園で取ってくれる、 しつけや生活習慣さえ身につけてもらうのではないか。」
という意見についてのレスです。 >の後の発言は、僕の{私の視点への反論}に対してのレスをしたお母さんの発言で >>は、{私の視点への反論}からです。
>保育園が子育て支援にも重点をおいてきたことで、親たちの心の負担が減る。
>しかし、子育てを楽しようという風潮がよしとされ(良いこともあるが)
>保育園に預けると楽だからという考えが生まれると思います。
僕は、最初の投稿で以下のように書きました。
>>また子育てはもちろん人生に於いても必要なものは「心の余裕」であると思う。
>>「心の余裕」があるからこそ他人の気持ちを考えられ、子どもの気持ちも理解しようとする事が出来ると思う。
>>「余裕」がなければ子育てを楽しむことなんて出来ない。
>>一つ言わせてもらえれば「余裕」と「楽(らく)」は別物であるが・・。
確かに○○さんが心配するように、 保育園に預けることで“楽”をしようとする親はいるかもしれません。
では、このような親の子どもを保育園が預からずに、 親が一人で子育てをした場合、どのようになるとお思いですか?
その親は、立派に子育てをして、子どもも幸せになれると思いますか?
子育てが負担になり、余裕がなくなることで子どもに当たったり ほったらかしにしておいたり、行き着く先は虐待か育児ノイローゼ?
ってことにはなることはありませんか。
(このような場合、一番の被害者は子どもですよね。)
そんな母親が自分で子育てをしながら「子育てを楽しむ」ことが出来るでしょうか?
他人から見て「あの親は保育園に預けて“楽”をしている」と思っていても 少なくとも子どもは保育園にいる間、お友達と楽しく遊んだり、
バランスのとれた給食をみんなで食べたり、 異年齢の子たちとも関わることが出来ます。
また“楽”をした分、子どもが保育園から帰ってきたら優しくしてあげたり、
触れ合いが出来る事ってありませんか。
そして、最後の次のようにまとめました。
>>よって私たち保育者がやるべき事は、「これ以上、われわれが預かって面倒を見るようになったら、親が親でなくなってしまう」のではなく、
>>むしろ子育てを家庭に押し込めず、保育者という立場から子どもたちの成長を見守り、
>>親に子育ての楽しさに気付いてもらうお手伝いをし、親と手を取り合いながら子どもたちの健やから育ちを願うことである。
ですから、保育者は常にあらゆる手を使って親御さんたちに 「子育ての楽しさ」を提案し続けなくてはならないのです。
保育園での子どもたちの様子を伝え、 家庭での育ちと保育園での育ちを気付かせることで、
自分の子どものいろいろな成長を認めてもらい、
また自分の子どもしか目に入らない状況から お友達も含めて、子どもたちの成長を喜べるようにお手伝いをするべきなのです。
僕たち保育者の任務は、親に“楽”をさせるために保育をしているわけではなく
子育てに“社会”と“余裕”を持ち込み、
親御さんと手を取り合いながら子育てという一大事業をお手伝いすることなのです。
>我が子を数年前保育園に預けていた時、お母さん方が「おむつもだって保育園でとってくれるし、生活習慣が身に付く。
>親がやんなくていいいから、下の子も保育園にあずけたい」という声を数名の方から聞きました。
僕は、早寝早起きや朝ご飯をちゃんと食べる等の基本的生活習慣は、 親に是非ともやってもらいたいと考えていますが(親にしかできない!)
おむつやしつけ、生活習慣等は親がどうしてもやらなくてならないことですか?
集団の中で自然と身に付くことも多いのですよ。
おむつだって親が目の色変えてやるより、 お友達がトイレでやっているのを見ているだけで
出来るようになる子も多いのです。(先生の言葉掛けも必要ですが・・)
おもちゃの貸し借りだって、親が言い聞かせるより実際にお友達とケンカしたり
取り合いながら覚えていくものだと思います。
むしろ、親がやらなければいけないと考えるより、 子どもが成長するにしたがっていろいろな場所や経験から
身につけていくべきものも多いと思います。
全部親がやらなくてもいいんですよ。むしろやるべきだとも思いません。 だって、昔からそうだったでしょ。(笑)
「子育てはすべて親が行うもの」と考えるより、 「子育ては親が中心になりながら
回りのみんなが手助けしながら行うもの」なのではないでしょうか。
だって人類は大昔からそうやって子育てをしてきたし、 子どもは社会の宝なんですから。(決してお国のものではありません)
>早朝から夕方まで毎日あずけている方もいます。女性の社会進出は賛成です。
仕事を生活のためでなく、自分のライフワークの1つとする事にも賛成。
>でも、思います。長時間保育園に預けている方って、子育てしてるっていえるのかなって。(反論ありそう)でも、そう思うな。
もちろん反論はありますよ(笑)
当園にも朝7時から夜の7時までいる子(のりちゃん)がいます。 0歳児からそうですので、人生の半分を保育園で過ごしている!
もう年長さんなので、朝の掃除などは当番の先生より詳しく、 先生たち動きをを厳しくチェックしています。(笑)
延長保育でも、小さな子の面倒を見ながら先生たちのお手伝いをしてくれます。
(自分が赤ちゃんの時も年長さんたちが面倒を見てくれたので 自然とそういうことが出来るようです)
朝から晩まで保育園にいるのりちゃんですが、 不思議と愛助不足という感じを受けたことがありません。
むしろ、いつもお母さんが家にいる子がそのように感じることもありました。
多くの家庭を見ていると、こういう事がよくあるので 一概に「子どもと長くいると愛情も多い」みたいに言われると反論したくなります。
もちろん、延長保育をやっている子の中に、愛情不足の子もいます。
ただ、愛情は接している時間だけではないと思いますよ。
一度のりちゃんのお母さんに子育てについて聞いたことがあります。
やはり保育園に長く預けることには子どもに申し訳ないと、 不安を感じているようでしたが
毎日一緒にお風呂に入って、
その時はゆっくり保育園の話を聞いてあげて 一緒に寝る時には、お話を読んであげているとのことでした。
この時間だけは、大切にしたいとも言っていました。 のりちゃんが愛情不足になっていない理由が何となく分かりました。
子どもって、親が自分のことをどんな風に思っているのか感じているのですよね。
僕たちは、すべてのお母さんに のりちゃんのお母さんのように 子どもを大切に思う気持ちを持ってもらいたいんですよ。
それは、パート、フルタイム、専業主婦という区分けではないんです。 そのために保育園としてお手伝いしたいんですよ。
以上です。