公立保育所運営費一般財源化!(2003/12)

今回は、ちょっとお堅い話題です。

平成16年度予算では、とうとう公立保育所運営費1,661億円が一般財源化されることに決定してしまいました。

保育所運営費の一般財源化については、以前より出ていたので「ついに来たか!」って感じです。

今まで、国から地方に降ろされる運営費は、その目的以外には使えませんでした。

言うなれば、どこに住んでいても国が決めた最低限の保育が保証されていました。


しかし、一般財源化になれば、使い方が地方に任されるようになります。

裕福なところは、加配が出来るかもしれないが、困っているところは、切りつめる可能性も出てきます。

当初、1兆円の補助金削減の問題では、

厚生労働省は、生活保護負担金(1681億円)を予定していました。

しかし、地方の反対で出来なかったので急いで似たような金額(公立保育所運営費1,661億円)を探し出したようです。(^^;)

自治体への税源移譲が十分になされるのであれば、一般財源化自体は一概に悪いことだとは思いませんが

保育への公的支援の後退や保育水準の地域間格差が広がるような気がします。

保育園などの施設運営費・整備費についても補助金削減を検討するように求めている小泉首相なので

これからはより厳しい時代になっていくと思われます。

今回は、公立保育所だけですが、

私立認可運営費補助金も一般財源化されるのは時間の問題でしょう。

『うがった見方をすればまず「公立保育所の民営化を推進するため」にわざとそうした』って意見もありますが・・。

1兆円の補助金削減にしても本来なら基本的な方針や原則を政府が示し、

それに沿って官僚が知恵を出さなければならないのに

小泉さんお得意の「丸投げ」なのでホントの数字合わせです。

(起承転結の“起”だけの人という声も)

これも今始まったことではないですし、

小泉さんの頭には、郵政民営化と靖国参拝とアメリカしかないようですから。(^^;)

ですから、彼ら(各省庁)にとって、単にやりやすかったり、先が見えているものからって感じなのでは?

当初財務省が検討した税源移譲が、たばこ税ですからね。(笑)

こんな先細りな税金を移譲して貰ってどうするの?

補助金改革でもまず生活保護費の補助率引き下げですからね。

(地方の反発で撤回)

結局、小泉改革と言うのは、弱肉強食のアメリカ型社会への移行のようです。

三位一体の改革とは、

中央集権的な税財政システムを地方分権の視点から

根本的に改革することの必要性から始まったはずですから

本来なら安定的な財源(所得税や住民税、地方消費税、道路財源等)の地方への移譲が目的だったはずです。

1兆円の数合わせに四苦八苦するくらいなら

確か税収だけでも2.7兆円近くあった道路特定財源を一般財源化すれば拍手喝采だったんですけど、

12月25日の国土開発幹線自動車道建設会議で「新直轄路線」への原資にされてしまいました。

言うなれば採算もへったくれもない道路建設をこれからもずっと続けていくと言うこと。

道路公団の民営化と言ったって結局どでかい特殊法人が増えるだけのようですし、

ホントにもう・・・呆れてものも言えんわ・・。

国と地方の借金が700兆円(大きすぎて検討がつかん)にのぼっているのに

まだこんな事をやっているなんてどういう神経だろ?

特権階級である自分たち年寄りやその子孫は大丈夫って事?

しかし、多くの子どもたちにこの借金を背負わせるのはあまりにも酷です。

園児たちの笑顔を見ていると、

この子たちが大人になって家庭を持つようになっても笑顔でいられるか心配でなりません。

イラク派遣?(自衛隊の装備を見れば明らかに派兵!)といい小泉さんは歴史に名を残せる首相になるでしょうね。

来年は、もっと楽しい話題が増えることを祈りつつ、新年を迎えようと思います。

それでは、みなさま良いお年を・・。