名探偵?(2005/1) 

 赤組さん(0,1才児)では、大ちゃんが今日も怒っています。

キーとなって暴れています。

ちょうどその瞬間を見ていなかった先生は、すぐに回りの様子を調べます。

暴れている大ちゃんの手には、青いブロックがひとつ。

足下には、作りかけのブロックが転がっています。

「大ちゃん、どうしたの?」一度暴れ出した大ちゃんは、もう手がつけられません。

何を聞いても答えられません。

隣では知らん顔で遊んでいるアイちゃん。

そこには、お人形さんとフライパンと赤いブロックがひとつ。

さぁ、アイちゃんに事情聴取です。

「アイちゃん、これ大ちゃんのブロック?」

アイちゃんは、首を横に振りながらスコップでブロックをすくってお人形さんに食べさせています。

「アイちゃん、このブロックどこから持ってきたの?」

手でおもちゃ箱の方を指します。

刑事ドラマならここで「カツ丼食べるか?」ですが、おやつの時間までまだ30分あります。

「お人形さんにブロックあげてるの?」

「うん」と頷くアイちゃん。

「お人形さん、美味しい美味しいって言ってるね」、「うん」。

「アイちゃん、このブロック欲しかったんだね」、「うん」。

アイちゃんの手が止まりました。

「これ、大ちゃんのブロック?」、「うん」。

先生はさらにたたみ掛けます。

「大ちゃんのブロック、取っちゃったの?」、「うん」。

「じゃ、これは大ちゃんに返そうよ、おもちゃ箱にいろいろなブロックあるよ」、「うん」。

「大ちゃんにごめんねって言って返そうね」

アイちゃんは、赤いブロックを持って「ごめんね」と大ちゃんに手渡します。

やっと人間に戻った大ちゃん、「はいね」と受け取りました。

やっと事件がひとつ解決しました。

いつしか大ちゃんのブロックの中にアイちゃんのお人形さんが入っています。

どうやら大ちゃんが作っていたのは、お風呂のようです。

アイちゃんが、スコップでお人形さんを洗っています。

ついでに大ちゃんも洗っています。大ちゃん、ニヤニヤしながら嬉しそうです。

その時です。後ろで泣き声がしました。

みーちゃんが、ひとりで泣いています。

手にはキューピーさん、足下には、お皿が三枚。回りには誰もいません。

さぁ、またまた名探偵の出番ですよ!