どうなる総合施設?(2005/1) 

 総合施設のあり方については、中教審幼児教育部会と

中社審児童部会の合同検討会議において16年5月から検討が続けられ、

8月に「中間まとめ」が発表されましたが、

(幼稚園と保育園の規制の緩い方に合わせるというとんでもないもの)

さらに12月24日に審議のまとめとして

「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設について」が発表されました。

概ね次のように考え方が示されています。

〇意義・理念について

 総合施設は、規制改革や地方分権等の流れも踏まえて

地域が自主性を持って地域の実情や親の幼児教育・保育のニーズに

適切かつ柔軟に対応することができるように新たなサービス提供の枠組みを提示するものであること。

既存施設からの転換など、可能な限り柔軟な制度とする方向で検討すべきであり、

積極的に施設の新設を意図するものではないこと。

(幼稚園が転換しやすいように調理室等をはずし?

0才から預かるのにトイレを始め保育室も幼児用のままでいいって事??)

〇基本的機能について

 親の就労の有無・形態等で区別することなく、

就学前の子どもに適切な幼児教育・保育の機会を提供すること。

地域のニーズに応じて、例えば、早朝や夜間において保育を行なう機能、

子育て支援サービスについて情報提供を行なう機能、

関連施設と連携して適切な支援を行なう機能などを付加することが考えられること。

〇対象者と利用形態について

就学前の子どもの育ちを一貫して支える観点から、

0歳から就学前の子どもと保護者を対象者とすることを基本とし、多様な形態を可能にすること。

3〜5歳児については幼稚園と同様に4時間程度の利用、

保育所と同様に8時間程度の利用、

また、0〜2歳児については親子登園、親子交流の場への参加、

保育所と同様に8時間程度の利用、などが想定されること。

(保育時間が違う場合はおやつを食べる子と給食食べてすぐ帰る子が出てくる?)

利用形態については、利用者と施設が向き合う直接契約が望ましいと考えられるが、

(園側で子どもの選別が出来るのですね)

共働きやひとり親の家庭であって保育を必要とする場合など、

配慮が必要な家庭が排除されないような仕組みを検討するとともに、

(この“仕組み”こそが大切なのでは。検討という言葉だけですませて良いの?))

障害児への対応にも配慮するのが適当であること。

(気になる子や手のかかる子の場合はどうなるのかな?)

〇教育・保育の内容について

一貫した子どもの育ちを重視しつつ、0〜2歳児の場合は個別の対応が中心になり、

3〜5歳児の場合は子ども同士の集団による活動が中心となるよう留意すること。

その上で、3〜5歳児については、4時間程度の共通の教育・保育時間における活動内容を

幼稚園における教育に相当するものと位置付けることが考えられること。

(保育所保育指針は、教育と養護について書いてあり、幼稚園教育要領をほとんど含んでいるので

わざわざ“幼稚園における教育に相当するもの”という書く必要があるの?)

〇設置主体・管理運営について

安定性・継続性、質の確保の仕組みを整えた上で、可能な限り弾力的なものとするよう配慮すること。

(この“仕組み”こそ大切なのに、それについては何にも決まっていない?)

〇財政措置について

財源については、利用料だけでなく社会全体が負担する仕組みが必要であること。

今後、新たな費用負担の仕組みを検討していくこと。

〇地方公共団体における設置等の認可・監督体制について

教育委員会と福祉担当部署との適切な連携に配慮しつつ、

地方公共団体の実情に応じて部署を決定することが適当であること。

なお、総合施設は18年度から本格実施されますが、

17年度に総合施設の教育・保育の内容、職員配置、施設設備のあり方に関する検討を

行なうため30か所でモデル事業を実施することとして、

予算案に次世代育成支援交付金(ソフト交付金)の対象事業として所要額が計上されています。

以上です。

当面は幼稚園、保育所、総合施設の3形態が併存するようですが、

検討会議の岩男寿美子主査(武蔵工業大教授)は「将来的には総合施設型へ収斂(しゅうれん)することを期待する」ようだし、
長野、愛知を除く45都道府県の304市区町村では、すでに幼稚園と保育所を一カ所に併設している現状を考えると、

総合施設は、こうした現状を追認したうえ、さらに一体化を進めるものとして市区町村の取り組みが加速しそうです。

ただ、とりまとめは地域の実情を優先するとして、施設の最低基準や利用料などは具体的に示していない点も気になります。

(でも、ここが大切なのでは?)

“仕組みが必要”や“検討していく”ばかりの“まとめ”ですが

総合施設を利用する機会を公平にすることや低所得層への配慮、保育の質の維持、財政支援などの具体策が今後、どうなるのでしょうか?

でも、これって幼稚園が今の施設で保育園と同じ事をやろうとしているだけ?

現状の保育園が「保育に欠ける子ども」の条件を緩和していけば総合施設になってしまう?

職員配置基準や調理室を始めとした各施設整備についても

これからの検討課題のようですし、まだまだ先が見えてこない総合施設。

中間報告に比べ評価できる点もありますが、これからどうなる総合施設?


総合施設って、「子ども」と「お金」を切り捨て、「使用者側の都合」と「親の勝手」を聞いて成り立っているような・・

って意見もありますよ!!