やめて欲しいのに・・(2005/5) 

 
保育関係の掲示板でのやりとりです。
親戚の子どもが、自分の子どもに汚い言葉を教えるので困っている。
しかし、やめて欲しいと言っても「やがて覚えるモノだから・・」と取り合ってもらえないという内容です。

投稿時間:
2005/05/29(Sun) 06:04
投稿者名:隊長
タイトル:Re: やめて欲しいのに・・・。
こんにちは。
隊長です。

> うちの旦那の兄とその子供達(19歳、18歳)が、2歳になる娘に
> 「バカ」「デブ」「アホ」などの汚い言葉を教えます。

一番大切なことは、親の思いを子どもにちゃんと伝えることです。
そうすれば旦那の兄とその子供達たちがいくら言っても
子どもの心に“汚い言葉”がストレートに入っていくことはないでしょう。
もし、汚い言葉を使うようになったとしても
大好きな親(お母さん)がその言葉遣いにどんな思いでいるかは理解できています。
初めはおもしろ半分で使うこともあると思いますが、
自分のことを大切に思っていてくれる人の気持ち(感情)というのは、
その子の心の中に蓄積されていき、やがて止めるのではないでしょうか?

少し話題がずれますが、
こういう問題は、突き詰めて考えるととっても難しい問題なんです。
それは、それぞれの家庭や人の価値観に関わってくるからなんですよ。
我が家では当たり前のことが、お友達の家では非常識ってこともありますよね。
また、親の価値観が絶対ではありませんし、子どもにとっても最良だとも限りません。
子どもは親の専有物ではありませんので、
ちゃんとしたひとりの人間として、
いろいろな価値観にふれながら成長し、
その中から自分の価値観を身につけて欲しいと思います。
ここで大切なことは、子どもと関わっている人たちが“その子のことをどう思っているか?”というです。
その子のことを大切に考えているのでしたら、
もし親の価値観と違っても認めてあげた方が良いようにも思うのです。
よく「祖父母が甘えさせて困っている」ということも聞きますが、
長い目で見た場合、祖父母の存在がその子にとってかけがえのないものになっていることもあります。
子どもは、バカではありません。
いつも甘えさせてくれたり、言うことを聞いてくれる人ばかりが好きなのではありません。
甘えたい時、叱ってもらいたい時(結構あるんですよ!)
挑戦したい時、休みたい時、頑張りたい時、・・。
子どもは、その時々の“自分の心”に“必要な心”を求めています。
この“必要な心”をすべて親でやろうとすれば無理がありますし、
例え出来たとしてもやるべきではないでしょう。
(単一の価値観の中では子どもが選ぶことが出来ません)
親が出来ることは、その子のことを大切に思っている人を
ひとりでも多く、その子の回りに存在させてあげることだと思います。
子どもの事件があると「学校ではそんな素振りはなかった」とか
「家では良い子だった」とか言いますが、
それは、みんなが子どもの一面しか見ていないからなんですね。
そして、子どももその対象によって見せる面が違うからなんです。
でも、どこかではしっかりと事件に関する面を見せているものなのです。
そのサインをキャッチ出来る人がその子の回りにいるかどうかが問題なんです。
このことは子どもが成長すればするほど必要になってきます。
残念ですが、親から離れていってしまうからです。
要するに親離れですね。
(寂しいですが、これが出来ないとまた大変!)
では、親は子どもの独り立ちを黙ってみていればいいかというと
そうではありません。
だって、子どものことを一番に思っているのは親なんですから!
外では、いろいろな価値観に揉まれることも必要ですが、
親として「こう育って欲しい!」という思いは、
常に持ち続ける必要があると思います。
特に、受け入れられない言動や態度などは、親としての考えを示すべきでしょう。
ここで大切なのは、無理に止めさせるよりも
親としての感情や思いをちゃんと伝えること。
よく“子どもに見せたくないテレビ番組”とかありますが
(僕らの頃はドリフターズの「8時だよ、全員集合!」だった!)
親が一緒に見てあげることが出来れば、どんな番組だって見せて良いと思います。
要するに、親としての感情や思いを伝える機会に利用するんですよ。
(思いや感情を伝えるための材料にするんです)
「母さんは、こういうのはイヤだ」
「父さんは、こんなことを言ったらいけないと思う」
子どもが見たい(やりたい)ことには、それなりの理由があると思います。
子ども自身が必要としていることかもしれません。
しかし、そこに親を初めとしたその子のことを大切に思う人の
考えや思いが介在することで
テレビと子どもだけの関係ではなくなるんですね。
これは、何もテレビだけではなくすべてのことに言えます。
子どもの回りから悪いと思われるモノや言動、態度をすべて排除するという考えより
(実際、無理ですが・・)
それらを悪い見本にすればいいわけです。
子どもの回りにいるその子のことを大切に考えている人たちが、
それぞれの価値観で子どもに接し、
それぞれの価値観で良い見本、悪い見本を示してあげる。
子どもは、その中から自分にとって必要なものを取捨選択していけばいいと思うのです。
子どもには、それが出来る力があります。
いろいろな良い見本は、子どもへの指針となります。
いろいろな悪い見本は、子どもへの反面教師になります。
子どもたちが健やかに育つためには、
親を初めとして、回りにいる人たちが良い見本を見せてあげることが第一です。
子どもは大人を見て育ちます。
もちろん、一番の影響を与えられる存在は“親”ですよ!