[高速道路無料化?]('09/10)
 

 民主党が政権を取り、マニフェストである「高速道路無料化」が現実のものとなってきました。
しかし、日本の将来を考えるとちょっと心配なこともあります。
実際、自民党の施策(土日祝日、ETC搭載車の一般車のみ1000円)でも各地で渋滞が起きて
トラック業界を始め、運輸で飯を食っている人たちが困っているようです。
また、高速料金が負担になり多くのトラックが一般道を走っているという現実もあります。
自ずと一般道も渋滞になり、あげくに事故が起きることもあります。
そこで対案を考えてみました。

「高 速道路無料化は、トラック・バスのみか、曜日による棲み分けで・・」

民主党が政権を取った。
今までの自民党政治への閉塞感を思うと一筋の希望も見えた。

しかし、民主党のマニフェストには、魅力的 なものも多い反面、財源や効果に心配なも のもある。

そのひとつが高速道路の無料化だ。

確かに民主党がいうように物流コストを下げたり、地域経済の活性化といった経済効果もあるだろう。
その一方で、高速道路での渋滞の心配や「地球温暖化対策を強力に推進する」という
自らのマニフェストにも逆行するのではないだろうか?

そこで提案だが、無料化をト ラック(4トントラック以上)や大型バスのみに限定してはどうだろうか。
トラックやバスに限定すれば、渋滞の心配も減るだろう。
もちろん、物流コストが減り 高速道路を利用しない人にも恩恵があるだろうし、税金の投入もだいぶ減るだろう。

だが、実はそういったことよ りも一般道を走るトラックやバスが少しでも減ることに真の意味がある。
最近のトラック業界では、経費削減のために高速道路を使わないことも増えているようだ。
歩行者や自転車がいて交差点 が無数にある一般道と高速道路を比較すればどちらが安全なのかは考えるまでもない。
(交通事故の7割は交差点で起きるとも言われている)

実際、トラックやバスは、一 端事故を起こせば重大事故につながることが多い。
18年の自動車事故統計年報 によると交通事故による死者数は、6,352人、
うちトラックやバス等の事業 用自動車による死者数は、1,169人にもなる。
重軽傷者を含めれば、この何 倍にもなるだろう。

事故が起これば被害者の家族 だけではなく、加害者の家族にも多くの悲しみを与え、何より社会の損失でもある。
トラックやバスが高速道路を 使えば、一般道の渋滞も減るし、大型自動車と普通車の棲み分けも出来る。
一般道の渋滞が減れば、環境対策にもつながるだろうし、渋滞による経済損失も減る。
何より、交通事故が減るのならこんなに良いことはない。

その上で一般車への無料化も 進めたいなら、平日はトラック・バスの無料化、
一般車の無料化は、土・日・祝日にするという方法もある。
高速道路無料化で一番大切なのは、「トラック・バスと一般車の棲み分け」と「渋滞緩和」だ。
そうすれば自ずと経済効果も付いてくる。

近日の調査でも民主党公約の 優先順位で、年金や子ども手当といった上位に比べ、高速道路無料化は2%で最下位であった。
また、賛成も30%もないとうことである。

民主党には、ひとつでも多く のマニフェストを達成するために努力を惜しまないと期待する。
しかし、マニフェストに縛られるあまり、国民の心配事を増やしては本末転倒だ。
「高速道路無料化」というマ ニフェストをより進化させた「トラックやバスのみの無料化」や
「曜日による無料化の棲み分け」でも十分に国民の期待に応えられると思うがどうだろうか?