[それでも専業主婦を目指しますか?]('13/09)
 

 働くお母さんの悪口を言うヤツには、 ムキになって反論してしまう悪い癖があります。
このクソ忙しい中、火がついてしまい、 違う視点からの反論を書いてしまいました。(笑)

 2012年の内閣府の調査では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方に
「賛成」と答えた人の割合が過半数を越え51.6%だったそうです。
10年もの間一貫して減り続けてきたこのポイントが、急に一昨年より10%も増え、反対を大きく上回ったのです。
さらに、このポイント増加が一番大きかった世代が20代で、実に19.3%もの増加という結果には驚かされます。
また、資格講座の通信教育を行っているユーキャンがPRエージェンシーのアイシェアと共同で行った調査では、
未婚女性の半数以上が、出産後は「専業主婦になりたい」と回答しているというのです。
とくに20代の「専業主婦」希望は58.5%と高く、若い世代ほど専業主婦になりたいと考える女性が多いということになります。

理由は、それぞれあるのでしょうが「子育てに専念したい!」と言うよりも
就職も大変だし、正規社員にもなかなかなれないし、子育てしながら働いている人を見ても大変そうだし、
待機児はいるし、それよりもママ友とのんびりランチしている専業主婦の姿に憧れるのでしょうか?
(と言っても専業主婦のみなさんがそんなに楽をしているわけではないんですよ)
でも、以下のデータを見ながら一度考えてみてください。

「47都道府県の幸せ度ランキング(2013)法政大学」が発表されました。
(http://www.japan-now.com/article/234337075.html)
この「幸せな県ランキング」は40のデータを「生活・家族部門」「労働・企業部門」
「安全・安心部門」「医療・健康部門」に分け、社会経済統計を活用して、都道府県の幸福度を分析し、
都道府県の幸福度ランキングを付けたそうです。

1位  福井県
2位  富山県
3位  石川県
4位  鳥取県
5位  佐賀県
5位  熊本県
7位  長野県
8位  島根県
9位  三重県
10位  新潟県

この結果と非常に似たランキングがあります。
さて、何のデータでしょうか?

1位 福井(58.2%)
2位 山形(57.8%)
3位 富山(56.6%)
4位 石川(55.1%)
5位 新潟(54.7%)
6位 鳥取(54.7%)
7位 島根(54.4%)
8位 長野(54.3%)
9位 佐賀(52.3%)
10位 岩手(51.9%)




このデータは、
<都道府県別・共働き率50%以上の県>(平成17年 国勢調査より)です。

「幸せ度ランキング」のうち5位の熊本と9位の三重が共働き率の上位10位に入っていませんが、
熊本の共働き立は49.6%、三重の共働き立も48.1%で全国平均の44.4%を大きく上回っています。
また、「共働き率の上位10位」のうち「幸せ度ランキング上位10位」に入っていない
2位の山形と10位の岩手の幸せ度ランキングは、19位と22位でこちらも平均よりも上です。

この二つのデータを見ると、どうやら「共働き家庭」と「幸せ度」が何らかの関係性があるようにも思えます。
(もちろん、三世代同居率も関係していると思います)

もうひとつ面白いデータがあります。
2010年にノーベル経済学賞受賞者の米プリンストン大学のダニエル・カーネマン教授が、
米世論調査企業ギャラップが実施した米国民の健康と福祉に関する調査の回答45万人分を分析した結果、
人びとの「人生の評価」と「心の幸福感」は、年収7万5000ドル(約630万円)あたりまでは、
収入に比例して増大していたが、その後は幸福感との比例関係はないと発表しました。
日本の調査でも概ね似たような結果(610万)が出たようです。
要するに幸せと年収の関係は、630万がピークと言うことです。

結婚情報センターが2012年に行った「結婚相手に求める年収」の調査では、
約7割の女性が「500万以上希望」と答えているので、
女性が幸せに生きるためにも年収500万以上は必要と言うことでしょう。

一方、結婚の可能性が高い30代前半の男性の年収別割合は、
23年度の国税庁の調査では約半数が年収300万〜500万、300万未満の人は約3割という結果です。
つまり、30代前半の男性でも年収500万以下が全体の8割を占めてしまうわけです。
こうなると、女性が理想の結婚相手を探すことは、非常に難しいことが分かってきます。
これは女性だけの問題でもなく、結婚を考えている多くの男性にとっても同じ事が言えます。

以上のデータを考えると幸せな家庭を作ることは、夢物語のように感じられます。
しかし、実は幸福感のマックスである年収630万というのは、世帯収入なんですね。
ということは、夫がひとりで630万稼ぐのは、大変なことですが、
妻とふたりで630万ならどうでしょうか?
現在の日本なら決して不可能な数字ではなく、
むしろ多くの結婚適齢期の男女の年収でも何とかなるのではないでしょうか?

女性も結婚相手に年収500万以上を求めて、無謀な挑戦?を繰り返すよりも
子育てや家事も一緒にしてくれて共働きを認めてくれる男性を捜した方が
幸せになれる確率もグンと上がります。

終身雇用が崩れて、正社員でさえ躊躇なくリストラされる時代。
三組に一組が離婚する時代。
結婚してみたらDV夫に変身!なんて事も起こりえる時代。
夫にすがって生きていくリスクはハンパではありません。
それでもあなたは専業主婦を目指しますか?

高度成長期のような男性が正規社員の終身雇用で妻が専業主婦という標準世帯を夢見るよりも
これからは、子育てや家事も一緒にやる共働き世帯を目指す方がよほど現実的だと思いますし、
幸せになる可能性もグンと高いのです。