Word2000に付属の数式エディタ3.1に関するTips

 

 TeXを使うようになると,数式エディタの出番は少なくなるが,Wordを全く使わなくなるかというとそうではなく,そのなかで数式を書きたい場合は重宝する.

 

1.         数式エディタのあるところ

数式エディタは単独のソフトである.通常のインストールでは

C:\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\Equation

というフォルダにある.EQNEDT32.EXEというのがそれである.単独で動くのでこのファイルをダブルクリックすれば起動する.ファイルの保存はできないが,クリップペーストすれば,例えばペイントブラシに貼り付けることもできる.ただし画像としてである.

 ヘルプファイルも同じフォルダにある.Wordの挿入メニューではバージョンは3.0となっているがヘルプファイルを見ると3.1となっている.

 

2.         いちいちボタンを押して数式を選択するのは面倒なので,ショートカットキーを使うと便利な場合がある.

テンプレート

ショートカット

説明

上付き文字

Ctrl + H

high

下付き文字

Ctrl + L

low

上付き+下付き

Ctrl + J

アルファベットでHとLの中間

小かっこ

Ctrl +

 

中かっこ

Ctrl + {

  

大かっこ

Ctrl + [

 

絶対値記号

Ctrl + T , 

 

分数

Ctrl + F

fraction(分数)

分数(スラッシュ)

Ctrl+/

  

積分記号

Ctrl + I

integral(積分)

和(シグマ)記号

Ctrl + T , S

sum(和)

積(パイ)記号

Ctrl + T , P

product(積)

3×3行列

Ctrl + T + M

matrix(行列)

極限値

Ctrl + T + U

under

 

3.         記号の入力

記号

ショートカット

備考

×(掛け算)

Ctrl + K ,T

mulTiply

小なりイコール

Ctrl + K,<

 

大なりイコール

Ctrl + K,>

  

 

 

  

∞(無限大)

Ctrl + K , I

infinity(無限)

Ctrl + K ,A

arrow

偏導関数

Ctrl + K ,D

differential(微分)

属する

Ctrl + K,E

element

属さない

Ctrl + K,Shift + E

 Shift notを表す

含まれる

Ctrl + K,C

contain

含まれない

Ctrl + K,Shift + C

 Shift notを表す

 

4.         装飾

修飾記号

ショートカット

備考

上付きバー

Ctrl + -

[-]はマイナス記号,テンキーからの入力は不可 

チルダ

Ctrl + Shift + 0

 

ベクトル

Ctrl + Alt + -

 

ドット

Ctrl + Alt + .

 

プライム

Ctrl + Alt + '

 

ダブルプライム

Ctrl + "

 

 

5.         ギリシャ文字

 

Ctrl + G , 対応するアルファベット,で入力することができる
大文字は,Ctrl + G , Shift + 対応するアルファベット

 

A

B

C

D

E

F

G

H

I

J

K

L

M

α

β

χ

δ

ε

φ

γ

η

ι

κ

λ

μ

Δ

Φ

Γ

Λ

N

O

P

Q

R

S

T

U

V

W

X

Y

Z

ν

ο

π

θ

ρ

σ

τ

υ

ω

ξ

ψ

ζ

Π

Θ

Σ

Ω

Ξ

Ψ

 

6.         MathTypeについて

 数式エディタを使っていると時々MathTypeにバージョンアップするかどうか聞いてくる.これは上位互換であるが,反対にMathTypeで作った数式は数式エディタで編集できない.よって注意が必要.

 

7.         数式エディタに関するエラーについて

 「Cドライブの容量が足りないので,保存できません」というメッセージとともに保存できなくなる場合がある.もちろんドライブが一杯ということない.バグである.
 数式の入力にエラーがある場合が考えられるが,正しい数式でも出る.どちらにしても該当する箇所を直すか削除すれば保存できる.時々保存をしながら編集することが肝要だが,一度にたくさんの数式を含む文書を保存したときは探すのが一苦労.

 「ダブルクリックしてMicrosoft数式3.0を編集」というメッセージが出るが,エラーのある数式では「ダブルクリックしてMicrosoft数式を編集」となる.わずかな違いである.