DC2L stories

DC2Lにまつわる問題点の解決経過

私の持っている唯一のデジタルカメラDC2L。おおむね気に入っているのですが、ちょっと問題点もありました...

1996年12月25日
 魅力的なスペックを多く持ちながら、値段や操作性の点で問題を指摘されていたDC−1Sの後継機として、リコーが96年の初夏に出したデジタルカメラです。私もデジカメが1台ほしいと思い、何度かカシオのQV−10Aに心を惹かれつつも、その画質が結局は不満で買わずにいたところへ、タイミング良く出てきたDC−2Lをつい買ってしまいました(7月6日、名古屋のアサヒドーにて)。
 初期ロットはトラブルが多いもの。このDC−2Lもご多分にもれず、初期出荷分は光学系の隣にある赤いLEDランプの点灯タイミングがわるく、夜景などを撮影すると画面に写り込んでしまうというトラブルがありました。私の買ったものもこの症状があり、リコーに送って内部のプログラムを書き換えてもらい(ファームウェアアップデート)、この点は解決しました(9月頃)。

 しかし、実は私の持っている機体には、もう一点気になるところがありました。暗い場所でストロボをつけずに撮影するときのように、絞りが開いた状態では、画面の全体で焦点が均一にならないという症状です。たとえば、夜景を撮影すると、画面の左で遠くの光が点になっても、中央から右の方にかけては焦点を結ばずに大きくぼけて写ってしまう。時にはこの逆になります。ふだんの日中のスナップでは、絞りが閉じて被写界深度が深くなるためか、あまり気にならないので、そのまま使っていたのですが、最近になって三脚に据えて注意深く撮影してもこの症状が再現性よく見られるので、「お客様相談室」に電話してみました。
 まず、サンプル画像をフロッピーで送ることにしたのですが、この時は、モニターモードでマニュアルフォーカスにしておいて、レンズを遠距離側へいっぱいに動かした状態で、夜景を撮影した結果、画面の左端がぼけた画像になったのですが、先方のいわくには、「その状態で、無限遠に焦点が合うと保証しているわけではないので、むしろ、AFモードで撮影してほしい」とのことでした。それも一理あるので、そのようにして撮影したところ、今度は画面の左で焦点があって中央から右にかけてぼけた画像になってしまいました。それをまたフロッピーで送ったところ、ややあって今度は「DCサポート」から「やはり、実物をチェックしないと何ともいえないので、代替機を提供するので現物を送ってほしい」との返事があり、今朝宅急便で送りました。明日にでも、代替機が到着するはずですので、それはどのような写りをするのか楽しみにしています。
 機械もののことですから、1台で出た不具合は、他の個体でも出ている可能性があるので、他のDC−2シリーズユーザーの皆さんの参考になるかと、同時進行で状況を報告します。


1997年1月21日
 前項目を書いた後、2、3日して代替機がとどきました。さっそく、昼の景色、夜の景色などテスト撮影したり、あちこち持ち歩いて撮影してみました。結果としては、やはりわたしの機体でみられたような焦点の不均一はみられませんでした。詳しく見ると、広角側で夜景撮影時などには画面の周辺部で像のみだれ(ながれたような)はありますが、左右の不均一はないようです。1月10日付けで担当者からメールをいただき、設計部で検証中とのことのことですので、しばらくは連絡待ちです。


1997年1月27日
 前項目をアップロードした直後に、担当の方からメールがあり、検討した結果、レンズユニットに問題がある、具体的にはレンズがレンズ枠に対してやや傾いて取り付けられていたためであることがわかったとのことでした。新品との交換にしたいとのお申し出なので、そのとおりお受けしました。本体だけの交換となったので、本体と液晶モニタのシリアルナンバーが一致しなくなったのはちょっと残念。交換品として送られてきた機体は、上記のような問題もなく作動しました。今回の教訓としては、夜景撮影時のフォーカスは、手動では正確に合わせにくいので、オートフォーカスが良さそうです。モニタモードにして、レンズを遠景方向に止まるまで動かすという方法では、正確な合焦はできません。もちろん、オートで常に合焦するわけではないので、何枚か撮っておくのが安全です。付属のモニタ上では小さすぎて、正確な合焦ができているかどうか、私には確認できません。
 今回の一連のやりとりを通じて、リコー側の対応は大変丁寧で誠意あるものだったことを最後に書き添えておきたいと思います。

一件落着!


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