丹後半島スイス村ノルディックスキーフェスティバル

2000年1月29日(土)−30日(日)

TAJニュースに掲載した報告に加筆しました。
スイス村スキー場のほぼ全景。赤い線は、土曜のアップヒルダウンヒルレースのコース。
青い線は、日曜のミニスプリントのコース。

京都府の北の端、若狭湾の西、日本海に突きだした丹後半島のまた北の端、海を見渡す山の上に、そのスイス村スキー場はあった。クロカン競技スキー界で息子とともに活躍する坂根TAJ理事は、自宅の裏山ともいえるこのスキー場周辺で以前から研鑽の日々を重ねており、ここにモンベルカップなき後の関西テレマークイベントを模索する片岡TAJ理事、イベントによるスキー場の活性化をめざす地元弥栄(やさか)町役場の思惑が合致し、第三セクター大会が実施の運びとなったのであった。直前の降雪にめぐまれて、リフト三本のミニスキー場ながら大会向きの見通しのよいゲレンデとそれに隣接する林道は絶好のコンディションとなり、ふだんはボーダーが多そうなゲレンデも、総計77名のヒールフリースキーヤーを迎えて、幅広、細長各種とりまぜた各種かかとブラブラスキーヤーが右往左往する状況が出現した。

アップヒルダウンヒルレースのスタート兼ゴール。

初日はクロカンとテレマークの講習会。幸か不幸か鉄人坂根理事についた生徒さんが、ゲレンデをすたすたとスケーティングで上がっていく先生を呆然と見送る様子が印象的だった。宿泊とパーティーは、ゲレンデ上部に隣接する平安女学院!のセミナーハウスの貸し切り。荷揚げが大変かと思われたが、キャタピラつきトラックで駐車場から運んでいただき問題なし。充実設備の文句ない環境だった。夕方、リフトが止まってゲレンデが空いてから、ファンレースのアップヒルダウンヒルレースが開催された。飛び入り参加自由で、とにかく登って降りてくるというレース。食事の前の腹減らしには最適。


快適な平安女学院ロッジの食堂でカニスキ

何といっても大会の目玉はカニスキの夕食。厨房に立ち働く方々は皆役場のガンバロー課の皆様。食べ方の教育的指導(煮すぎたらあかん、新鮮なんやからシャブシャブ風にね)を受けながら、飽食の限りを尽くしたままパーティーに突入。司会はプロの坂根夫人。流麗なアナウンスはまるでどこかの披露宴会場のようであった。ビンゴに賑わい、ドリンクも重ねつつ、遠慮なく騒げる環境の中、夜は更けたのだった。


翌朝は心配したほどの悪天候ではなく、ときどきぱらぱらと小雨や小雪がちらつく程度。まずは合計38名が参加した歩くスキーレースから始まった。年齢や道具で細かく分けられ、8km、5km、3kmのコースを、ある者は軽快なスケーティングで滑走し、ある者はウロコ板でとことこ歩くマイペース。コースの林道はゲレンデからは見えなかったが、ゴールに入ってくる選手達の顔からはそれぞれにドラマがあった様子がうかがえた。続いて、ミニスプリントレースのスイスカップがゲレンデで行われた。男子ノーマル、40歳以上のシニア、女子と合わせて21名が参加。ゲレンデの真ん中の目立つコースには、大きく振ったセッティングの9旗門のスラロームにつづいて、登り返しのランセクション。某理事出だしであせって転倒、などの芸も披露された。さすがにクロカン板での出場はなかったが、道具をはきかえてクロカン、テレマーク両レースに出場する選手もあり、垣根のないヒールフリーシーンが見られた。一日で二本立てレースが楽しめるのは、モンベルカップ以来の伝統ともいえよう。年齢や性別、好みもさまざまでも、ヒールフリースキーヤーならどこかに活躍の場を見いだせるだろう。

クロカン、テレマーク併せて
京都クロカンの入賞者たくさん

表彰式では、高津みっちゃんのエレクトーン演奏が雰囲気をかもしだす中、クロカンレースには金銀メダル、スイスカップにはシリーズレースと同様の木彫りの「ククサ」カップ(ミニ版)の贈呈が行われるとともに、多くの賞品も手渡された。片岡さん、最後まで本当にお疲れさまでした。


雪景色の天橋立

会場近くまで高速で行けて(舞鶴道福知山IC)渋滞もなく快適にアクセスできるロケーション。電車も意外に便利で送迎バスもあり。役場も乗り気で来年の開催も既に予定されており、たらふく食べて騒げるこのイベント。クロカンもやってる(やってみたい)あなた、冬の北陸グルメ観光がしたいあなた、行ってみませんか。もちろんどなたでも参加できます。



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