スイス村ノルディックスキーフェスティバル2001

2001年2月24日(土)−25日(日)


朝日に輝く日本海を見下ろすスキー場

 昨年に続いて第2回目のスイス村フェスティバル。昨年は参加77名だったが、今回は大幅に増加して142名の参加者を迎えた。宿舎の受け入れ人数に制限があるので、やむを得ず一部断らせていただいたほどの多数の方々のお申し込み、ありがとうございました。

 初日の講習会&ポール練習はあいにくの小雨+ガスという視界の効かないコンディションとなった。昨年は直前の降雪でなんとか雪をかぶった感じのゲレンデだったが、今年は豊富な雪におおわれていて、ちょっと別のスキー場のような印象もあった。しかし今年初参加の皆さんは、視界のない中を滑り出したらあっというまにボトムに着いてしまって、あまりの小ささに驚いていたようだ。午後の講習会には雨の中にもかかわらず、十数名の方々の参加があった。

表彰のあとはジャンケンで賞品ばらまき

 夕方には、今年初登場の「スノーボールバイアスロン」があった。約1kmのコースを走ってから、10mの距離にある30cm径の的に雪玉を最大8個投げ、当たった数が5個以下なら足りない数だけ20mぐらいのペナルティーコースを走る。3回のランの間々に2回のタマ投げをやってゴール。クロカン板でスイスイ走る人にまじって、テレマークのウロコ板で苦労する姿も見られる。黙々とペナルティーコースを走る姿には修行僧の面影があった。めがねをかけている人は、ラン直後には曇ってしまって見えないので、工夫が必要のようだ。  夜はお待ちかねのカニスキ。昨年の参加者は学習済みなので、いきなりカニシャブスタイルで食べ始める。相変わらず多量のカニである。食後のパーティーではバイアスロンの表彰があった。貸し切り宿舎なので気兼ねなく楽しめるのは昨年と同じ。外では雪が降り続いていた。


スラロームコース全景。
このあとリフト下を左に行ってトラックを一周する。

 翌朝は、曇りながら晴れ間ものぞくまずまずの天気。まずテレマークレースだ。前回に比べて大幅に距離を伸ばして、16旗門のスラロームとなり、最後にほぼ平坦なランが100m弱続く。昨年のように登りコースでないので、気持ちよく走れた。少しミニサイズでジャンプ台もないがスプリントクラシックに近いコースとなった。参加は40名弱。前走はTAJ会長の矢村さんと高津さん。雪が柔らかいのでレースの進行とともにどんどん掘れてくる。出だしは少し急斜面で安全策をとる選手も多いため、かなり蛇行したコースができてしまい、後の出走の選手ほど苦労したことと思う。遠くに日本海の見えるコースは快適で、レース最後まで時折薄日も差す好天だった。


クロスカントリーの選手会

 テレマークレースが終わるやいなや、なぜか突然吹雪となる。あられ状の雪が顔に当たって痛いくらいだ。薄着で準備している選手たちには厳しい状況。昨年は3,5,8kmだったが、今年は距離を伸ばして5,10,15kmの3クラス。林道を前半は下っていって折り返し点以後はずっと登りという厳しいコースだ。前走は坂根さん、その後5分して全員が同時スタート。テレマークレースと違ってゴールで待つスタッフには全くレースの状況がわからない。雪が降ったりやんだりするなかをひたすら待つ。15kmクラスの前走タイムが1時間半という長いレースとなった。


 2時頃から宿泊先のセミナーハウスで表彰式。今回の目玉は、土曜のスノーボールバイアスロン優勝、テレマークミドル(35歳以下)優勝、クロカン15km成年男子B組2位の大嶋さん。元クロカン全日本チャンプでもあるが、最近はテレマークに興味を持ってくれてTAJにも入会されている。テレマークレースの最後のランを見たが、一歩一歩のストライド量が全く違う。クロカンレースもそのままの、テレマーク用板+プラブーツで出たというからまたすごい。足は大丈夫だったんだろうか。鍛えが違うのだろう。入賞者には弥栄町産の米5kg、優勝者には月桂冠ならぬ弥栄町産の水菜一たば(!)が授けられた。もちろん他にもアウトドアグッズ賞品もいろいろあり。


 今回は、3レースともゴール地点が同じ場所に設定されていた。そのことで、同じ「ノルディック」競技という一体感が強まったのではないだろうか。複数の競技に挑戦された方々は、そのことをより強く感じたことと思う。クロカンというとシンドイとか地味なイメージが自分では強かったのだが、今回あらためて見直してみて、スケーティングの躍動感に心動かされるものがあった。機会があれば挑戦してみたいものだと思う。きっとテレマークにも生かせる何かが得られるだろう。テレマークの世界でもプラブーツが昨今普及しているが、それだけに固執していないで柔らかく丈の低い革靴の良さも是非味わっていただきたい。いろいろな道具を使いこなすことにより、滑りにもずっと広さと奥行きが出来ると思う。このフェスティバルをきっかけとしてノルディックスキーの世界の多彩な種目に挑戦する人たちが現れることが、主催者側の期待するところなのだろう。


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