岩菅山(いわすげやま)・裏岩菅山

1998年3月9日

この記録を書いているのは、実際に行ったときから2年あまり後になってしまいましたが、記憶をたどりながら書いてみました。


寺子屋峰付近から見た岩菅山(白い三角峰)と裏岩菅山(その左)

奥志賀スキー場から道路をはさんで反対側に見える山が岩菅山だ。長野オリンピックではここに滑降コースがつくられる計画もあったが、自然保護の観点から八方尾根に変更され、岩菅山は手つかずのままに残された。奥志賀で、毎年パタゴニアカップレースのスタッフをしながら、一度岩菅山にスキーツアーでいってみたいと思っていたが、大勢の仲間(総勢10人と1匹)と共に実現することができた。

岩菅までは、こんな感じの稜線を辿っていく

計画は、寺子屋スキー場から尾根をたどって岩菅山にいたり、そのまま縦走して裏岩菅山から奥志賀スキー場の下におりてくるというルートだ。寺子屋峰が標高2125m、岩菅山が2295m、裏岩菅山が2337mとあまり標高差がない。そのくせスタートから裏岩菅山までは、水平距離にして6kmもある。ゴールの奥志賀駐車場が標高1500mぐらいだから、最後はややまとまった滑降となることが地図から読みとれる。


結構重いジロさん

朝、大洞ゲレンデ下の駐車場に車を一部置いて、一の瀬スキー場に移動し、リフトを乗り継いで寺子屋スキー場のトップで、シールを貼りツアーの準備を整えた。天候は晴れ。岩菅、裏岩菅が結構遠くに見える。10時に出発。寺子屋峰から岩菅の手前までは、あまり上下することなく、たんたんと尾根をたどる。ところどころ樹林が濃かった記憶がある。右手には横手山など草津方面の山並みが続いている。気温が上がってシールに雪が付着してダンゴになる人もいる。かきおとしてシールワックスを塗る。黒柴犬のジロさんは、ほぼ先頭のすぐ後ろあたりを歩いているが、接地面積が狭いのでスポスポ沈んで、時に歩きにくそう。冷たいのもあってか、前をゆく人のスキーのテールに前足をのせたがる。これをやられると結構重いそうだ。


岩菅の登り。背景は焼額スキー場。

岩菅山の手前で、標高差200mほどをジグザグに登る。頂上着13:10。岩菅から裏岩菅までも長い尾根歩き。奥志賀方面はどこも樹林が濃く、あまり快適に滑れそうなところは見あたらなかったように思う。14:30裏岩菅山。やっとシールをはがして、北東方向の開けた斜面でしばし滑降を楽しむ。標高2200mぐらいでゆるやかな主稜線にもどり、そこから北北西にのびている尾根に沿って下っていった。樹高は低いものの密度は高く、雪もパックされていて、滑りにくかった。


岩菅から裏岩菅への稜線
裏岩菅から見た烏帽子岳

標高2050mあたりから、奥志賀スキー場をみながらまあまあの滑降。標高1800mぐらいからは、大倉沢の右岸近くの細い尾根をだましだまし降りる。樹林が濃く滑りにくい。標高1520mで地図上の破線の道にでるが、大倉沢の橋はおちている。スキーをはずして沢身におりて渡るが、疲れた体に上り下りが応える。最後は駐車場に向けてショートカットし、除雪された道を歩いて駐車場に到着した。下りの途中までは良い天気だったが、最後になって曇って雪も降り出した。駐車場着17:00。濃いやぶと悪い雪で、意外に時間をとった。

志賀高原の盟主をたどるクラシックルートとしての良さはあるが、現状では針葉樹林が濃くなってしまい、スキーツアーとしてはあまり魅力がない。おおむね天気が良く展望を楽しめたのはよかった。



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