大山・烏ヶ山(からすがせん)

1999年3月6日

鳥取県の大山(だいせん)南麓にある鏡ヶ成(かがみがなる)という高原で、クロスカントリースキーの大会があり、京都クロスカントリースキークラブの何人かが参加するというので、にぎわかし兼周辺でのツアーをしようと遠路行ってきました。(京都クロカンによる記録


ブナ林の向こうに見えるのが烏ヶ山
 いつもは東や北に向かうところを、東名・名神・中国道・米子道を一路西へ西へと400kmあまり。確かに遠いが、高速道路のおかげで行けない距離ではありませんでした。地図から想像するともっと山奥かと思っていましたが、鏡ヶ成周辺は八ヶ岳の麓のようなおだやかな高原でした。キャンプ場はまだ雪の下ですが、ちょうど月山の志津キャンプ場のような(TAJの人にしかわからない比喩ですけど)ブナが点在するゆったりしたところ。近くに国民休暇村ロッジがあり、風呂に入ったり食事もできるという極楽キャンプです。リフト一本だけのミニスキー場もありました。

木の少ない沢を快調に滑る(午後の部)
 6日は朝のうち曇りでしたが、昼から晴れ渡り、典型的な春の移動性高気圧日和。キャンプ場のすぐそばにそびえる烏ヶ山を、午前午後と二回滑りました。山の雰囲気は、中部地方でいえば雨飾山を半分ぐらいにスケールダウンした感じ。ピーク自体は岩山で冬はのぼりにくそうだが、その横の沢が頂上直下までのびているので(雨飾の荒菅沢のように)、楽しく滑ることができます。沢以外の場所も、ブナやカンバの疎林でけっこう自由なコース取りができました。このあたり妙高あたりのブナ林と気候的に近いものがあるのでしょう。

 午前中は、駐車場からまっすぐ沢をめざして往復。ガスがかかって見通しが悪く、また雪面も堅いので、あまり傾斜が急になり過ぎないあたりで引き返しましたが、コルまでの7−8割のところまで行った感じ。堅い雪と柔らかい雪のミックスで、急に加速したりズボッと埋まったりで、あまり楽ではない。駐車場に戻る頃には晴れあがって、ビールのおいしいお日和になっていました。

烏ヶ山から北東にのびる尾根上の
1300mピークから見た山頂部
 午後は、地元のクラブ「ヒールフリースキー・大山」の永登さん・山路さんのガイドに従って、沢の東側をまわって少し山登り気分を味わいました。大きなブナが気持ちよくそびえる林をクロカン風に登り、最後は稜線通しに午前中に滑った沢を見下ろす小ピークに到達。烏ヶ山のピークは面白い形の岩のドーム。残念ながら大山は稜線の陰で見えませんでしたが、日本海も見えて、遠く東の雲の上には氷ノ山らしい白い山も見えました。午前中に滑った沢のすぐ横に滑り込みましたが、日があたってかなりズブズブの雪になっていました。こういうときにはやっぱり幅広板が楽です。結局、一つの山を一日に二回、違う天気の中で登るという珍しい経験ができました。


 夜は、鍋物を囲んで宴会。九州組提供のモツナベも、なかなかのものでした。しかし、スノーキャンプの夜はだんだんと冷え込んで、ビールはさっぱり売れませんでした。日曜日はあいにく朝から雨降りで、レースに出る人々を見捨てて(スンマセン)早々に下山。私たちの名古屋のクラブと同じ名前の「ベアバレースキー場」を見学したり(もう雪なし)、米子の植田正治写真美術館に立ち寄ったりして観光してきました。前に行った酒田(山形)には土門拳の写真美術館がありましたが、最近はこのような一人の写真家の作品をじっくり見せる美術館が増えているようです。


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