Ski Tour to Mt. Nobuse

野伏ヶ岳(岐阜・福井県境)


1996年3月3日(日)快晴

メンバー:コダマ、ツヅキ、ヤンバルジロー(40、♂)(3人ともテレマーク)

行程:上在所(8:45)−和田山牧場末端(10:45)−野伏東面ルンゼ源頭(12:45)−野伏ヶ岳山頂(12:15)−東面ルンゼ滑降−和田山牧場末端(14:45)−上在所(15:30)


 3月2日は、平地でも北風が強く寒い一日だった。圧雪の桧峠を越えて、夜半前に白山中居神社前に着いたときにも、まだ雪がちらついていた。神社前に3台程度の駐車スペースがあり、さらに進んで橋を渡ると広く雪かきがしてあり、多数の駐車が可能そうだった。

 3月3日朝は、まだ少し雪が舞っていたが、朝食をとり準備するうちにみるみる晴れ渡り、一日中快晴に恵まれた。隣に居た車の山スキーの4人パティーの内の一人は顔見知りで、偶然に驚く。彼らは野伏の北隣りの薙刀(なぎなた)山をめざし、早々に出発していった。おかげで、私たちはラッセルの苦労なし。和田山牧場まで標高差400mを、ひたすら林道に沿ってスキーを滑らす。風もなく大変暑い。

 和田山牧場に出たとたん、北風に吹かれて汗ばんだ肌が急に冷えると共に、広々とした雪原の眺めと、向こうにそびえる野伏ヶ岳のピラミッド状の山容に歓声を上げる。山頂直下までのびる正面の急な谷(東面ルンゼとここでは呼ぶ)は樹も少なく、最上部はふんわりと雪におおわれ、これを滑れるといいなと思う。



 左手の丘の裾を回って、湿地マークの小平地を横断して、東面ルンゼの左側(南側)の尾根(ダイレクト尾根)の横腹をジグザグに登って尾根上に出、あとは尾根上をひたすら登っていく。途中ワカンの4人パーティーを追い越す。この先は先行者なし。あまりの天気の良さに、尾根の左側は雪の腐りが始まっており、雪の中でスキーを突き出すと、スキーの先端に当たった雪が即座に固まってタケノコのような形で飛び出してくる。さすがは岐阜の山、雪の湿り方が並ではない。尾根の右側の雪は比較的サラサラしている。やはり、滑りはルンゼしかないかと相談する(図はダイレクト尾根の登り、背景に和田山牧場が見える)。



 ルンゼの源頭部で小さな雪庇を越え、山頂に続く斜面に出る。薙刀山を眺めると、朝の4人パーティーが急斜面を登っているのが点々と見える。一息の登りで山頂(牧場から標高差570m)。北西に経ヶ岳、南西に荒島岳などが見え、西には大野市の盆地が見える。

 いよいよ下り。山頂から雪庇越えまで北斜面を味見するが、サラサラでなかなか結構。次回はこのまま北に下って山裾を回って帰るのもいいかも。東面ルンゼにもどり、いよいよ滑降をはじめる。部分的に30度を越えそうな急斜面だが、雪は柔らかく恐怖感はない。自分が壊した雪面のかけらと前後しながら、ターンを繰り返す。重い雪に足が疲れると立ち止まり、振り返ってシュプールににんまり。登りで遅れていたヤンバルジローと途中で合流して、ますます重くなる雪をかきわけて下る(図は東面ルンゼ上部の滑降)。



 牧場からもう一度振り返れば、ルンゼのシュプールが上から下までくっきりと見え、空に描いた飛行機雲のようだと思う。あとは、林道をひたすらクロカン的に下り、車に帰り着いた。本当にすばらしい一日だった。



Nifty ServeのFYAMAREPフォーラムに投稿した文章を改訂して掲載した。


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