VCO1

回路

全回路(PDF形式)

 示した回路図は、一部であり、波形整形部は含んでいません。
System One で述べた通りの基本的な不連続型リセットVCOです。
温度補償は、uA726を使用していますが、このICはロチェスターエレクトロニクスで生産管理されていて、一般には入手困難ですので感温抵抗による温度補償が現実的です。
 R19は10kΩですが、これを使用した時、安定しますが、ディジタルシンセで確認するとVCO全体的に1オクターブ高くなってしまいます。
そのため、未使用としました。
 アンチログのオフセット保障にはOP07を、積分器のオペアンプにはNJM2748Aを使用しています。
回路そのものは、プロフェットなどに採用されたSSMのICの内部と似た回路になっています。

プリント基板

 
 
 プリント基板は、ユニバーサル基板ではなく、パターンを起こしています。
これは全てのモジュールに共通で、ユニバーサル基板は使用していません。
パターンは、PCBEで作成し、エッチング処理を行っています。
このVCOでは、2本の抵抗の裏打ちを行っていますが、パターンの削除・修正などは行っておらず、裏打ちさえ行えば確実に動作します。
基板の大きさは、15cm×10cmのもので、材質は紙フェノールです。
勿論、ガラスコンポジットやガラスエポキシなどでも使用できますが、穴開けのためのドリル刃はすぐに減ってしまいます。
紙フェノールでも、40KHz以上の発振は可能ですので、材質についてシビアに考える必要はありません。

調整

 調整箇所は、5か所の半固定抵抗器になります。
調整には測定器が必要です。
私の場合は、オシロスコープ、周波数も測定できるディジタルテスタを用意しました。
各測定器を接続し、電源スイッチを入れます。
何らかの波形が現れれば、調整に入ります。
波形が現れない場合は、直ちにスイッチを切り、一息ついてから、配線の誤りがないか点検します。
特にダイオードの向きなどには注意してください。

 波形が現れたら、先ずレンジ切り替えで周波数が変化することを確認した上で、VR9でLowレンジの位置で-6Vとなるように調整します。
Lowレンジから切り替えて、32-2の間が1オクターブ(周波数が倍)に変化することを確認します。
もしも誤差が大きいように感じたら、この部分の抵抗器は相対誤差が少ない抵抗をセレクトするか誤差0.1%級の抵抗を使用します。

 次にVR11を回して適当な周波数にセットして、VR10で1オクターブの変化に対して周波数が2倍か半分になるように調整します。
根気よく丁寧に調整すれば、必ずそのように調整できます。
1オクターブのスパンが調整できたら、VR11で、中央ラ(A)のCVを入れて440Hzとなるように調整します。
R19は、その調整範囲を広げるもので、10KΩを入れた時、中央Aの音が880Hzとなります。
ディジタルシンセと合わせて確認したところ、それでは1オクターブの差異が生じてしまいますので、R19を省略しました。
本来なら可変範囲をずらして、分圧比はいじらないなど可変域を保持したいところです。
何故なら、調整のし易さや安定度に寄与するからです。

 VR6とVR7は、三角波と正弦波の調整です。
それぞれ、所定の波形になるように調整します。

完成後の各波形

 正弦波
 三角波
 鋸歯状波
 矩形波

   

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