(3)火薬詰め

奉納前夜、豊橋煙火で行う恒例行事。楽しく一番緊張する数時間。人の良い親父も、良い機嫌の青年も真剣になる時間。祭礼役員の煙火長が独断場で仕切れる(はず?)唯一の時間。また万一の責任も重い。

9/10の新聞によると国府の花火で死んだ両親が、花火や祭礼の責任者、県を相手に訴訟をおこした、とある。町内のような永い付き合いをするところで、人間関係を破壊するような不幸な結果に成らないように充分注意する必要がある。またPL法はこんなとこでも関係してくる。

一度でも事故を引き起こすと、一町内だけの問題にとどまらず、その祭礼若しくは以後に続く同じ様な祭礼にまで影響を及ぼすので、真剣に取り組まねばいけない。従って、豊橋煙火による手筒製造、消費の講習会に全員出席することから始まる。(強制)

10/4 折しも雨、夕方から豊橋郊外にある豊橋煙火の工場に臨時工員として行く。柿畑のなかに明かりが浮かぶ。車を降りたら、火気厳禁の場所。

火薬詰めの仕事は、練り方と詰め方に分かれる。火薬と鉄粉に35℃以上の焼酎を盃一杯を混ぜて練り合わせる。しっかり湿り気を保って混ぜ合わせが終わったら、筒に2〜3回で込める。小、中、大、大大と筒薬があると、3斤なら0.5、1、1、0.5とか5斤なら0.5、1、1、1、1.5とか煙火長が決定する。(各町異なる)

込め方は町内によって異なるが、基本的には均一な音がするよう(しっかり詰まっている)詰める。乾いたポンポンというきれいな音が出る。手に豆を作って身体で覚えてもらうのが一番。どこでも同じだと思うが、他人の花火は詰めない。自分のは自分で詰める。練りは手指はもちろん鼻の穴から耳の穴まで真っ黒になる嫌がる作業なので、これをやらなければ筒詰めをさせないよう煙火長は苦労する。数人でチームを作ってやらせる町内もある。

大大の後はハネという黒色火薬を数匁丸めて置き(麻ひもでしっかり縛り混み勢いを増す?事を行うとこもある)、一斤3枚当たりの新聞紙で底詰めをする。この時赤土を入れた時もあったが最近は廃れた。

その他廃れた詰め方

ハネと一緒に爆竹を置く(危険)。アルミを入れる(色が綺麗?)。赤土で底詰めをする。新聞を細かく細長く折って、ハネを包み込む。

 

市内某所での深夜の試験花火。デジカメのビット落ち?今年も良さそうな火薬。

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