第2回 大口町サイバータウン&スクールネット委員会  
第1回 先進校視察報告


報告者・文責  土 井

○ 日 時  平成14年3月1日 14:00〜16:10
○ 場 所 小牧市立中学校
○ 参加者  松山、木田、小川、大石、加藤、梅村、土井、馬場、江口、土井 10

小牧中学校のネットワーク活用について

1 校内ネットワーク 
〈職員ネットの利用〉
 ・職員室ファイルサーバの設置
 ・業者とエディコムマネジャーを共同開発

●朝の打ち合わせで必要な情報は2種類ある
その1 ひとつは文字情報。
  連絡が主で、紙のやりとりはほとんどしない
  情報の一元化により必要な情報は1カ所に集める。そこに各自が必要な情報を自分で取りに行くことが大原則。
  会議では、話し合わなければならないことだけ話し合う。それ以外は、掲示板ですませる。
その2 教師による1分間スピーチ
  話術の訓練として行っているが、教師間のコミュニケーションのための重要なアイテムになっている。
●エデュコムマネージャー
  トップページに、予定表(行事、出張、提出文書、当番、欠勤)、日課表、施設利用表、アンケート、受理文書、書庫、出席簿、保健室利用があり、使いやすく 改良されている。
  掲示板は、全職員用、学年別に準備されている。
●通知票
  クリアファイルに差し込む通知表。担任所見以外は、ほとんど労力がかからない。「機械でできることは機械でやろう。担任は所見に全力を注ごう。」という考え方である。また、自己評価票を差し込めるなどの柔軟性もある。
●いいとこ見つけ
  みんなで子どもを見ている。いろいろな場面で多くの人から見た良いところをその都度記録し、最後に個別に通知表に挟み込む。ネットワークだからできることだ。
  子どもの良いところを探そうとする意識が、個に着目し、肯定的にとらえる習慣がつくかもしれない。
●成績 
  ネットワークで書き込む。これにより、教師のリテラシーも向上した。
  パソコンの研修は役に立たない。やらなければならないときに教えてやることが本当にためになる。(学校教育も同様だが・・・)
  教師がネットワークのよさをわかることが、子どももに伝わる。
●市役所・他校との連絡
  メールでおこなっている。
役職別メーリングリストも有効。
  市への報告文書もWebを利用して行うものもある。(水道・光熱費等)
●職員ネット
  出張の後の復命書もネット上から行うことができる。
●動画 平成14年度からの取り組み
  学びあう場面を動画で表現できる。
  体育の授業ではイメージづくりに大きな力になるだろう。
  カメラからすぐにエンコードできる装置を開発した。高速ネットになれば、大きな戦力になる。

〈生徒用ネット〉
●教室用コンピュータ
  生徒にも常時使えるようにしている。生徒への連絡、部活動の連絡など、職員室から流すと教室で情報を得ることができる。。
 中京テレビ「マキネット」(スクールライフ愛知の教育)でも、掲示板の予定を朝の会で係りが読み、生徒会のお知らせもマキネットで流す様子が放映された。

●授業での活用
 授業でも速く性格にタイピングする練習をしている。
 体育での活用
   模範演技を流し、イメージ化が速い。
 美術での活用
   絵にコンプレックスをもっている子には、パソコンを利用した作品づくりは有効である。
 生徒会の中にネットワーク委員会があり、HPを作成している。
 文化祭では科学部がゲームを作成し、参観者に体験してもらった。

●「おもしろだより」はやめた
 はじめはうまくいったが、一度変な情報が入ると崩れる。
 情報倫理として大事であり、指導すると直るが、まただめになる。
 ネチケット教育は重要である。
●電子メール
  全員にアドレスを与えたが、送る情報がなかったため続かなかった。
  外への発信は、教師のフィルターにかけたあと教師のアドレスで送ることにしている。生徒の中には、獣医さんと交流した例もある。やりたいときに教えたことがわかってもらえる。

 文部科学省は各教室に2台、プロジェクターを入れろといっているが、授業で使うのは難しい。コンテンツを準備しないと行けない。
 体育の授業で使う動画は、市の体育研究会で作成した。
 授業でコンピュータを使うにはコンテンツが大切である。現在、文部科学省には、コンテンツをつくるプロジェクトが14ある

●授業での掲示板の利用
 グループごとの討論に使える。今後の可能性がある。

2 校外ネットワーク
●学級日誌
  親も見ることができ、学校の様子を理解してもらいやすい。
  学級日誌はアップする時差がつけてある。生徒は4時までに入力し、5時にアップするので、チェックしようと思えばここでできる。
●マキネットモニター会議
  マキネットに対して意見を言える会議で、希望者10名ほどで学期に1回行っている。この中では、給食の評判がいい。最近の配布文書一覧は親からの要望ででき た。
●牧中メーリングリスト
  メール配信を週に2通ぐらいおこなっている。学校とのつながりができ、学校を開く一つの方法である。
●学びの連続
  子どもに関する市の情報を集めたページ。
  土日も学べる場を集約している。情報の一元化をすることによって見えてくるものもある。

Q 成績ファイルのセキュリティは?
A LANは2系統あり、子どもから職員には入れないようにしている。 
Q 有害情報をフィルタリングするソフトは?
A 契約している。自動更新される。費用はけっこう高い。
Q ネットワーク管理はどうしているか?  
A (株)エドウェルが80%はリモートコントロールで直す。ネット上でなおすと、だいたい30分ぐらいで直る。どうしても直らないものだけ出張修理してもらう。
  導入して4年たつと、そろそろ故障がおこりはじめる。修理代はバカにならないので、今年入れた学校は交換の部材も含めた契約をした。
Q 市のコンピュータ委員会は?
A 概念構想を行った。
  電子メールのやり方等のリテラシーや、機種検討委員会も兼ねている。
  電子メール、小学校活用、図書館などの部会がある。
図書館では、貸し出し情報、ベスト3などが表示される。図書カードは、市の図書館のカードを代用しているので、カードの制作費はただである。 
  保健部会でも活用している。
Q 小学校とのつながりは?
A 「学校を開く」を全保護者に配っている。
  それをネットに載せている。
Q 生徒がかってにインストールしないか?
A ネットPCなのでフロッピーもCDも使えない。しかし、値段が高いのが難点。
Q メーリングリストへの入り方
A Web上から行っている。
Q 職員室の掲示板が気に入った。今後は?
A PDAに掲示板を受信させたい。リアルタイムの情報を生徒に伝えることができる。
Q 生徒の名簿等の管理は?
A 学校の決めた統一フォームで管理している。ハードはミラーリングで、常にバックアップをとっている。
Q 発信する際のチェックは?
A 係の判断だけで情報を発信している。これは経験上、判断規準が身に付いているからできること。
  校務分掌はほぼ一人一役であり、マルチメディア主任は授業数を減らしている。
Q 地域の情報化は?
A 小牧Eコミュニティを立ち上げようとしている。ボランティアは100人登録されており、依頼があれば指導に出かけている。
Q パソコンは個人持ちか?
A 市から2台、事務用に2台、生徒用にノートが10台あるが、職員でも使っている。他は個人持ち。

【土井の個人的な感想】
 玉置教頭先生を初めとする、小牧中学校の先生方の発想の柔らかさ、そしてそれを実現していこうとする意欲と技術に感服した。半年前に見たときよりも、さらに使いやすく改良されている。(株)エドウィルとの連携のよさも見事である。
 「情報の一元化」、「機械でできることは機械に任せて、それ以外の部分に労力を使う」
「情報は自分から取りに行け」などは、サイバータウンに取り入れたい考え方である。

 今回の訪問では、失敗を隠すことなく教えていただけたのがありがたかった。玉置先生の人柄でもあろうが、これから山を登ろうとするものにとっては、道中の失敗例はたいへん参考になる。
 失敗例にもあったが、情報教育の中で、ネチケットの指導は重要である。小学校から慣れ親しんでいれば、中学校に上がる頃にはかなりわきまえていると思う。このあたりは、小中の連携、さらに中学校区内の小学区間の連携が必要である。
 ただ、個別のメールアドレスをなくしたことは残念である。メールは、電話や手紙と同様にこれからの社会の必須アイテムである。社会科の立場から言えば、メールによる情報収集力は、生徒に身に付けさせたい学び方の基礎・基本の一つでもある。
 土井宛にも、全国の小中高生から社会科に関する問い合わせがかなりあるが、内容的には全く問題はない。もちろん言葉足らずのものもあるが、それは回答者が教えてやればよいことだと思う。
 前任校(木曽川東小)でも、4年生以上の全員にアドレスをもたせていた。中学校と相談して同じWebメールを使っているので、卒業後もそのまま使い続けている。朝からパソコン室を開放していたので、必要な子は休み時間に入力に来ていた。担任に口頭では言いにくい相談も、メールでは言うことができる。それで救われた子も現実にいた。大口町ではメールの有効な使い方を検討していきたい。
 
 動画のコンテンツは、今後の授業改革に大きな力になることは確かであろう。
 ただ、それを現場の教師が作成するのは仕事を増やすことにつながる。全国の教育センターがそれぞれ作成しているので、うまくネットワークを組み、効率よくリストを作りたい。
 例えば、小牧市では器械体操(マット、跳び箱)、バレーボールのコンテンツを作成していた。大阪でも器械運動を作成している。 http://plaza10.mbn.or.jp/~taiiku/index.html
水泳のフォームは次にある。 http://www4.justnet.ne.jp/~tetuyan/ 
できるだけ既存のものを利用したい。