TOSSエネルギー教育シンポジウムIN愛知 参加報告 (文責:奥村)
                                                       2002.2.3
1 講演「世界と日本のエネルギー事情」神田啓治 氏
○ 湾岸戦争,同時多発テロ
・ 民間人に犠牲者を出さないのがアメリカの基本方針
・ アメリカにおける命の重さ(民間人1人=公務員3人=軍人10人)
○ エンロン社倒産
・ 日本に3つの石炭発電所と1つのガス発電所を建設を計画していた。
 ○ 安全保障
・ エネルギー,食糧,貴金属(コバルト・ニオブなど)
・ 食糧問題では戦争は起きないが,エネルギー問題では戦争が起こる。
 (例)太平洋戦争
・ 日本では1940年代までは木炭と水力がエネルギーの中心。50年代石炭。60年代以  降は石油。
・ 石油が安く,手に入りやすく,安定的に入ればよかった。
・ イラン石油(三井物産)の失敗。プラントごと買うようになる。
・ 90年代,ベルリンの壁が崩壊し,旧東側諸国の環境の劣悪さが露呈した。
・ 1992年リオ会議以来,環境問題が最優先課題となる。
・ 1997年京都会議。環境庁と外務省が出席。CO2排出量を90年の数値に。京都会議  には科学者が参加していない。算出された数字に科学的根拠がない。反対する国は悪  い国で,賛成する国はよい国とは限らない。
 ○ 日本の電力事情
・ 日本の停電時間は年間に9分。イギリス63分。フランス…。日本では安定供給さ  れている。
・ 浜岡原子力発電所の事故。人間の作ったものは壊れる。大事なことは,それを予測  し,どうバックアップしておくか。
・ 太陽光発電は,日本ではよいイメージだが,アメリカでは悪いイメージ。シリコン  を作るのにCO2を排出するから。日本ではくずシリコンで作っている。
・ 新エネルギーとして注目されるものは,ゴミとコ・ジェネレーション(捨てていた  熱を利用),バイオマス。
・ 日本の弱点
 @50Hzと60Hzの2つの周波数があること。(EUは統一された)
 Aガスパイプラインがないこと。
 Bエネルギー教育が遅れていること。

2 授業発表
 ○「TOSSランド」を活用して『日本のシーレーン南沙諸島問題』を授業する
谷 和樹 氏
・ 南沙諸島 102の島から成る。
・ 過去20年間に何度か紛争が起きている。
・ 原因は石油。埋蔵量200億トン。
・ 領有を主張している国は,中国,ベトナム,マレーシア,フィリピン,台湾,ブル  ネイの6カ国。
・ ところが,スワローリーフに中国が軍事施設を作ってしまった。
・「夜の地球」
  黄色:電気,青:オーロラ,ピンク:焼き畑・山火事,赤:油田
・ 日本が明るい。エネルギーの80%,石油の99%以上を海外に依存。石油の88  %を中東に依存。海上輸送95%。
・ 中東から日本まで,海上で最短距離に線を引く。ペルシャ湾→西インド洋→イン   ド洋→マラッカ海峡→南沙諸島→東シナ海。
・ 海賊発生件数7/1800。今も海上に270隻のタンカー。日本に毎日3隻が接岸。 


3 基調講演「今後のエネルギー事情について」向山洋一 氏
 ○ 教師の役目
・ シーレーン上に危険があること,石油がもし100日止まったら…,ガスが止まっ   たらどうなるか,日本の子どもたちに「真実」を教えるのは教師の役目。
 ○ 環境教育(これまでは公害教育)4つの視点
(1)自然環境
(2)日常環境…ゴミ問題など
(3)公害における環境…加害者・被害者・地域が特定できる。
(4)地球環境…地球温暖化,オゾン層の破壊,水の汚染などglobalになっている。
・ 地球最大の環境問題は人類が生存していくのに必要なpure wataterの確保。
・ 水は4度のとき,もっとも密度が高くなる不思議。
・ なぜ水を飲むと病気が治るか。
 @ミネラル分 A結晶・クラスター B波動(微細運動) Cマイナス・イオン(酸化還元作用) ○ 教師の発問
・「分かったこと」,「考えたこと」,「気づいたこと」は違う。使い分けをしているか。 ○ 新教育課程に基づく教育
・ 全ての教室に2台のインターネットに接続できるコンピュータと1台のプロジェクターを配備。
・ ケルン・サミットでは,21世紀型の読み書き,計算能力について話し合われた。
・ 2年前,新潟県教委は「総合で示されたものは全てやる」と公言。
・ 読売新聞「ゆとりと教育」について,文部省の方針転換と報道。
・ 教科の時間を削ってまで豆腐づくりをしても意味がない。
・ 中国では3カ月で漢字1500字を読めるようにする。書けるようにするのは後。
・ インターネットを使った授業 TOSS land
 ○ なぜ青森県がリンゴ生産日本一になったのか
・ 日本海側暖流,太平洋側寒流(冷害)。寒い地方でも栽培可能な作物。
・ 大地主(資本)の存在。
・ 日清戦争の時,食糧として持っていった。(当時は北海道1位,青森県は2位)・  日露戦争の時,積出港があったことが有利に働き,全国1位に。
 ○ 砂漠化がなぜ進むか
・ 高木層だけでなく,低木層まで刈ってしまったことが原因。
・ 富士スバルラインを造ったとき,道の左右に群木が生えた。(自然治癒力)しかし,そ  れを刈ってしまったために枯れ木が広がっている。
 ○ 地球の歴史(生物の進化)を教えよう
・ 生命体→動物→魚類→両生類→爬虫類→哺乳類

植物
・ ビデオ「地球とエネルギー資源」
・ 人類は困難を克服してきた。
 ○ 「基礎学力」について
・ 来年度から,少人数学級,到達度評価が始まる。学校もアカウンタビリティ(実行責任)が  求められる。
・ スイミングスクール,自動車学校は修得システムだが,学校は履修システム。(やったことにす  れば進級できる)
・ せめて基礎学力は修得させよ。
・ 今後はチャータースクールやインターネットスクールができるだろう。