社会にはたらきかけるとは? 土井試案 2000.12.14
丹葉グループがかねてから主張してきた「はたらきかける」は、最近よく見られる「生活に生かす」のレベルより高次である。全中社の「社会を創る」は言葉としてさらに高次であるが、実際の授業では「はたらきかける」レベルに到達しているのは少ない。
長年積み上げてきた「はたらきかける」実践を、今後も自信を持って進めていきたいと考える。
1 「はたらきかける」とはどういうことか
「社会にはたらきかける」とは,よりよい社会にしたいという願いや方策を表現して第三者に伝えること,もしくは実際に行動することである。
それでは,具体的にどのような方法があるか。
発信する
社会をより良い価値の方向へ動かすための情報の発信には,次のようなものがある。
1 不特定多数の人へ気持ちや方策を伝える
例 街中に看板を設置する。
ホームページを作成して公開する。
新聞に投書する。マスコミに取材を依頼する。
街頭演説やデモ行進,ビラ配りなど。
ML・掲示板などで意見を書き込む。
街づくりの模型を作り、展示する。
学芸会で、環境保全について訴える劇をする。
2 特定の人へ,情報を伝える
例 提言にまとめ,行政に伝える。
相手に,手紙や電話,メールを送る。
参画する
ここでいう参画とは、学校内だけで行うものではない。
例 行政の人を招いて、学校でまちづくりシンポジウムを開く
プランニングコンテストに応募する。
行動する
自ら行動する方法として,次のようなものがある。
1 特定の人に直接はたらきかけるもの
例 近所の独居老人宅で大掃除を手伝う
2 間接的にはたらきかけるもの
例 募金,古切手集めなど価値あるものを収集すること
3 地域社会、さらには地球環境や人類全体の役に立つためにはたらきかける
例 省エネ、ゴミ削減など環境に気をつける
児童会・生徒会を動かしてのクリーンキャンペーンや地域主催の行事に参加する
手作りの石鹸を配る
2 「はたらきかけた」結果の評価
不特定多数の人に発信する場合のように、「はたらきかけた」評価は難しい場合が多い。
しかし、できる限り評価の方法を考え、評価していくべきであろう。
(1)状況で評価する
例 「ここにごみを捨てないよう!」という看板を立てたらゴミが減った。
参画した街づくり計画が一部実現した。
(2)相手の反応から評価する
例 特定の人とのメールの交換をする中で反応が変わった。
提言に対するコメントがきた。
地域清掃をしたら感謝された。
(3)リサーチの結果から評価する
例 募金をしたお金が、どのように使われたかを確かめる。