社会科の本質を考えるために 土井落書の1
                                    2001.2.1
 社会科の本質を考えていくために,思いついたことを羅列してみました。毎回少しずつ要点のみ紹介しようと思いますので,詳細は,ぜひ調べてみてください。また,それぞれが自分の考えを出し合い,もみ合う中で意見を総合していきたいと思います。次回には,みなさんの社会科論をお聞かせください。
 
1 社会科は総合的な教科
社会科の成立過程から見ると・・・
 
 ヨーロッパのほとんどには社会科はなく,アメリカが社会科(Social studies)をつくった。イギリスの伝統的な地理科・歴史科に加えて,政治・経済科を加えたものだが,それが日本に初期社会科として伝えられた。
 したがって,社会科そのものが総合的な概念でとらえられていた。
社会科は総合的である。
 
 親学問から見ると
 社会科の親学問はない。いや,数多くある。
 歴史学,地理学,政治学,経済学,文化人類学,社会学,・・・
 社会科が学ぶ対象は,これらの総合的でもある。
 
2 初期社会科はなぜつまずいたか 
@ 体験で終わったため
  PLAN → DO → SEE → PLAN・・・・
 という考えがあるが,DOの段階で終わってしまい,SEEさらに次へのPLANへの移行ができなかった。 
A 系統主義を排除しすぎた
理想は,経験主義と系統主義の融合である(と思う)。
  いわゆる,体験知(知恵)と伝聞知(知識)をいかにミックスさせるかである。
しかし,当時は経験主義を信望するあまり,系統主義に近づくことがタブーな雰囲気があった。
B ごっこ遊びと化してしまった
体験は,できるだけ本物,ないしは本物に近づけるべきである。(今なら常識である。)しかし,当時は戦後間もない状態で,本物がなかった。あるいは地域・社会に学校を受け入れるだけの余裕がなかった。
 
3 社会科の本質
それでは社会科の本質とは?
ずばり! 社会認識を通して公民的資質を育てること
 
そのためにねらうもの=学習指導要領のねらいである
 歴代の指導要領のねらいは,この本質の修飾部分が変化するだけである。
 その観点でもう一度新しい指導要領のねらいを読んでもらいたい。
小学校目標
 社会生活についての理解を図り、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。
中学校目標
 広い視野に立って、社会に対する関心を高め、諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め、公民としての基礎的教養を培い、国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的 
以下 略