日本と韓国の文化の比較  TOPへ

 普通車のナンバー

 日本がこう、韓国がこうときめつけることは危険である。ただ、ある程度の抽象化は必要だ。
 ここでは、危険を省みず、見聞きした話を比較の形でまとめてみたい。
 もちろん、これは違いの優劣をつけるのが目的ではない。数多くの比較の中から何か見えてくるものがあれば、それでよい。内容によっては、文化からはみ出るものもあるが、それもよしとしたい。       
                                土 井 謙 次

1 日本・・・先生が尊敬されなくなった。
  韓国・・・先生は尊敬される。
※ 権先生の言葉。韓国でも尊敬されなくなりつつあるとも聞くが・・・・

2 日本・・・夫婦同姓    
  韓国・・・夫婦別姓 
※ 世界的には、同姓の方が少数派か?日本人の夫婦別姓も時間の問題だろう・・・

3 日本・・・若者に甘い
  韓国・・・若者に厳しい
※ 儒教精神は、今でも生きているところもある。

4 日本・・・いとこでも結婚できる
  韓国・・・最近8親等以上なら結婚できるようになった
※ 同本同姓婚は長い間禁止されていた。少数民族を守る知恵だそうだ。

5 日本・・・新暦にほぼ完全に移行した。
  韓国・・・命日や誕生日など、まだ旧暦が生きている。  
※ 韓国でも,若者によって旧暦が駆逐されるのではないか。

6 日本・・・漢字が中心の文字になっている。
  韓国・・・漢字は特別な時しか用いられない。
※ 国語は「ハングル」であり、あくまでも国語を大切にする姿勢だ。日本では、外来語の漢字、そしてひらがな、カタカナ、アルファベットまで生活に用いている。これは適応力なのか?

7 日本・・・ビールの継ぎ足しをしても良い。
  韓国・・・ビールのつぎ足しはしない。葬式のみ。
※ 葬式の作法が、日常で忌み嫌われるのは韓国でも日本でも同じ。

8 日本・・・車は左側通行。 
  韓国・・・車は右側通行。
※ よくある違いだが、なぜそうなったかは調べてみるとおもしろい。刀の文化と銃の文化が関係あるそうだが・・・・
 
9 日本・・・茶碗をもって食べる。     
  韓国・・・茶碗を持って食べない。もっとも石焼きビビンバなど熱くて持てないが・・・・
※ これも熱いだけの理由ではないだろう。

10 日本・・・アルコールを分解する酵素を持たない人が多い。
   韓国・・・お酒が強い。分解酵素を持つ人が多いのか?
※ なぜか?日本人の祖先の何割かは大陸もしくは朝鮮半島から来ている。なのにこの違いは?朝鮮半島は寒く、そのために酒量が多いので、分解酵素のない人が減ってきたのか?軍隊経験は大きいのかも?
  もちろん、韓国の人でもお酒に弱い人がいる。

11 日本・・・ナンバープレート 日本は白、営業者が緑、軽自動車が黄色
   韓国・・・緑。営業者が黄色。軽自動車の区別はなし。
※ これも違いを追究する価値がある。

12 日本・・・地下鉄の切符を買うときに、先にお金を入れる。
  韓国・・・先に行き先のボタンを押す。
※ 先に行き先のボタンを押すのは、日本人の発想にない。これはおもしろい! 

13 日本・・・わりと繊細。変なところで細かすぎる。
  韓国・・・韓国の人は大ざっぱ、見栄を張るところがある。おおらかでもある。
※ イムさんの言葉。実際に、何度も感じたことである。

14 日本・・・女性進出が進んでいる。欧米に比べればまだまだだが・・・・・・
  韓国・・・まだまだ男社会。女性が人前でたばこを吸うと説教される。
※ イムさんの言葉。しかし、権先生は、韓国の女性は強いと言っていた。う〜ん。

15 日本・・・割り勘が平等だと評価されている。
  韓国・・・割り勘を冷たく感じている。 
※ 割り勘の解釈の違いはとても興味深い。もちろん,日本でも年長者や上司がおごるのは良くあるが・・・

16 日本・・・救急車は赤い十字。赤い灯がくるくる回る
  韓国・・・緑の十字で、緑(もしくは緑と赤)の灯がくるくる回る。
※ ミドリ十字は日本にもあるが・・・ 

17 日本・・・高層ビルでも丈夫そう。
  韓国・・・高層マンションが大きさの割に部屋数が多い。柱が細く少ないようだ。
※ 地震対策の問題だ。韓国のマンションは、大きな地震には耐えることができないと思う。建築費にも影響するだろう。

18 日本・・・干支にイノシシ年がある。
  韓国・・・干支に豚年がある。
※ 豚を大切にしている。豚の頭を飾るところも写真で見たことがある。

19 日本・・・結婚前は男が強く、結婚すると女が強い。
  韓国・・・結婚するまでは女が強く、結婚してからは男が強い。
※ イムさんの言葉。異説もあり。

20 日本・・・キリスト教会は少ない。
  韓国・・・キリスト教会がやたらと多い。
※ 教会はプロテスタント、カトリックは聖堂と呼ぶ。それにしても十字架をいくつ見たことか・・・

21 日本・・・矢印信号は下につく            
  韓国・・・矢印信号は黄色と青の間にある。
※ 右の写真参照。慣れないととまどうかも? 

22 日本・・・中庸。文字をとっても、外来語である漢字、カタカナ、かなをうまく使い分ける。
  韓国・・・極端。ハングル以外は使わない方向で進んでいる。若い人は、漢字が書けないそうだ。
※ 発言も、韓国の人ははっきりという。悪気はない。日本人は、はっきり言うと相手を傷つける(かもしれない)と感じている。このあたりは、相互に理解しておきたいところだ。

23 日本・・・つまようじが木
  韓国・・・つまようじをでんぷんで作っている。
※ 豚を保護するため分解する素材で作っている。しかし、一部では木のものも見られ、両方とがっていた。

24 日本・・・食堂などでは割り箸が多い。
  韓国・・・割り箸が見られない。鉄箸ばかり。そういえば、ご飯の食器も金属が多かった。
※ 環境問題に取り組んでいる。割り箸は取り締まりがあり、見つかると罰金だそうだ。ホテルでもシャンプーなど有料が多く、これも環境への配慮だそうだ。日本で見習いたい。

25 日本・・・パトカー。日本は白黒、灯は赤
  韓国・・・青白、灯は赤と青
※ 色の違いに意味を見いだすのは難しい。

26 日本・・・焼酎を割って飲む。
  韓国・・・焼酎をストレートで飲む。
※ 趣味の問題か?追究すると、深い意味があったりして・・・・・

27 日本・・・食べ物のお代わりは、無料のものが少ない。
  韓国・・・メインのもの以外は、お代わりは自由のものが多い。
※ これは韓国の人には助かる。日本もそうなってもらえるとありがたいが・・・

28 日本・・・比較的時間を守る
  韓国・・・比較的時間にルーズ。コリアンタイムという。
※ 時間を守るに越したことはない。ただ、気にしすぎるのも何だが・・・

29 日本・・・車を購入時に車庫証明が必要。
  韓国・・・車庫証明が不要。
※ どっちが便利かはわからない。ソウルの駐車場事情はひどいらしい。駐車スペースがないので、家を替わる人もいる。

30 日本・・・日本の小泉首相の人気が高い。
  韓国・・・小泉首相の人気が悪い。
※ これはそれぞれの歴史に訳がある。日本での人気が維持できるか、韓国での人気を高めることができるかは、これからの政策で決まる。


31 日本・・・姦通罪がない 
  韓国・・・姦通罪がある 
※ ノーコメント

32 日本・・・わさびの文化
  韓国・・・唐辛子の文化
※ これもなんとなく分かる。

33 日本・・・食後に当然お茶が出る
  韓国・・・お茶は頼まないと出ない。有料のお茶も多い。
 お茶がサービスか,商品かの違い。

34 日本・・・若い人に肥満の子が多い 
  韓国・・・肥満体型の人が少ない 
※ これはトウガラシと野菜のおかげ。

35 日本・・・現金で買い物をする人が多い
  韓国・・・クレジットカードで買い物をする人が多い
※ 最高紙幣の額が影響しているのではないか?日本は1万円。韓国は1万W(約千円)。財布がいっぱいになってしまう。

36 日本・・・バスの時刻表がある
  韓国・・・バスの時刻表がない

※ 韓国では1日何本走るかが示されている。

37 日本・・・国会が二院制 
  韓国・・・一院制 
※ どちらがよいのかは?

38 日本・・・アパート,マンションにベランダがある。
  韓国・・・ベランダがない。
※ 暖房効果を高めるために,ベランダにもガラスがある。

39 日本・・・タクシーは降りるまでは占有できる。
  韓国・・・一般タクシーでは相乗りが常識。他のお客さんを乗せてしまう。

※ 本当は違法らしい。合理的といえないこともない。

40 日本・・・地下鉄車内では何も売っていない。 
  韓国・・・地下鉄車内に物売りがいる。 
※ 初めはびっくりする。

41 日本・・・ホテルに歯ブラシやシャンプーが置いてある
  韓国・・・歯ブラシやシャンプーは有料
※ 環境への配慮だそうだ。韓国の方が,全体的に環境に気を配っている。

42 日本・・・新学期は4月始まり。3学期制
  韓国・・・3月に始まり,2学期制

※ 微妙な違いだが・・・・大きい違いだ。

43 日本・・・商品を袋に入れてくれる。
  韓国・・・包装しなかったり,袋もくれない店も多い。
※ これも今となっては環境への配慮ともいえる。日本も簡素化して欲しい。 

44  日本・・・携帯の電池が切れたら諦める・・・
  韓国・・・街のあちこちにコイン式の携帯電話充電器がある。

※ 普及率の違い。携帯電話とカード,パソコンは韓国の方が進んでいる。

これからは、大きな違いに言及してみる。

45 日本・・・畳の部屋が多い。
  韓国・・・床暖房のため、畳はない。
※ これは大きな違い。日本の畳はどうやって発達してきたか、調べたくなってきた。 

46 日本・・・島国。 
  韓国・・・大陸とつながっている。 
※ これも大きな違い。歴史的にあまりにも深い影響がある。

47 日本・・・徴兵制がない。
  韓国・・・徴兵制がある。
※ これもたいへんな違いだ。良くも悪くも、韓国人の生活に大きな影響を与えている。

48 日本・・・ほぼ単一民族で一つの国家を形成している。
  韓国・・・ほぼ単一の民族が、2つの国家に分断されている。
※ あまりにも大きな違いがある。その悲劇が既成事実化され、韓国の若者の多くが、この事実を冷めた目で見ていることが問題の重さを感じさせる。

49 日本・・・韓国を支配していた時期がある。
  韓国・・・日本に支配されていた時期がある。
※ この意味を、日本人は「過去のこと」と忘れて、もしくは忘れようとしはいないか?この時期の影響が、韓国の中に色濃く残っている以上、日本人も忘れてはいけない。傷つけられた人が忘れた時、傷つけた方も忘れてもよい権利を得るのだ。

50 日本・・・基本的に、欧米の文化を追っかけている。
  韓国・・・基本的に、日本の文化を追っかけている。
※ もちろん韓国の方が日本を上回っているところも多くあるが、しかし、日本を手本にしているところを数多く感じた。


結 論
1 日本と韓国の比較の中で
  以上の比較のなかで見えてきたものの一つとして、「平和ぼけの日本、緊張感のある韓国」を取り上げたい。
  韓国の緊張感は、仁川空港の各入口で、まだあどけなさの残る若者が自動小銃を持って立っている姿が象徴している。
  漢江河岸沿いの有刺鉄線、監視用テント、道路封鎖扉、江陵の海岸のサーチライト等、現実に南北戦争(朝鮮戦争)で攻め込まれた経験を持ち、未だに休戦状態でしかない分断国家の厳しい現実を見た。
  過去に兵役を終えた研修生の1人が「軍隊は子どもが大人になるところ」と語っていた。厳しい訓練が、人間としての強さと民族の誇り、自分が自分であることの自信を育てたと言っている。兵役を終えて初めて、成人として認められるのである。そのような男性を見て、女性もまた成長していく。
 一方、日本人にはそのような節目がない。高校生までを日本で過ごした韓国人通訳の林さんが、日本の成人式の愚行にショックを覚えていた。あまりにも子供じみた内容に、日本人として、さらに教育に携わるものとしても恥ずかしい限りだ。要するに平和の中でぼけてしまったのだ。
 徴兵制を礼賛する気はないが、日本人にも心と体を鍛える場が必要であることを強く思う。その上で、今回知り合った韓国の友人とその家族のためにも、さらに飢えに苦しむ北の人たちのためにも,朝鮮半島に民族の統一と真の平和が訪れることを強く願うばかりである。

   (現在も戦闘状態にある国の人々にとって,「平和ぼけ」という言葉を使うことは失礼であり配慮に欠けるかもしれないが,世界が平和になり,「平和ぼけ」という言葉そのものが死語になることを心から祈りたい。)

2 真の国際理解とは  
 私が、今回の韓国訪問で最も知りたかったのは、「韓国人は、なぜ日本の教科書をあれだけ問題にしたのか」と言うことである。韓国人の生の声を聴く中で、少し見えてきたものがある。

  林さんは言う。
  韓国人が、人前で日本語を話すと、お年寄りに「どっちの見方なんだ!」と言われる。「誇り高き韓国人が、なぜ日本語なんか話すの!」とも。
  教科書問題についても、日本人は「いつまでこだわっているんだ」と言うが、韓国人は違う。「なぜ心を込めて謝らないんだ」「賠償金がほしくて言っているんではない。本当に悪いと思っているか確かめたいだけ。」と思っている。若い人の間でも、日本の教科書の話題でもちきりだったそうである。
  学校では、日本軍が行った人体実験や殺戮など、繰り返し教えられる。先生は、ヒステリックなほど興奮して「日本が悪い」と訴える。ドラマでも日本軍の蛮行を扱ったものが多い。とにかく、過去の日本は悪いと、小さい頃から教え込まれるのだ。
  高校生まで日本で過ごした林さんでさえ、「ご先祖様を思うと、日本軍のことは許せない」という。当然であろう。林さんのご両親は、創氏改名で、「新一」「幸子」という名前を付けさせられた。今もそのままである。「名前を変えさせられたのが、最も民族的屈辱」と言う。
研修生の慎さんも、日本人である私に気を遣いながらも、はっきりと同様のことを言ってくれた。
しかし、だからといって、韓国を訪問した我々日本人がいやな思いをさせられたかというと、皆無であった。韓国の研修生も、私たちを本当に温かく迎え入れてくれた。「日本人は、とても親切で好きです。」という声を何回も聞いた。彼らが問題にしているのは、過去のできごとであり、私たち個人ではないのである。

  初めてわかった気がした。傷つけられた者が過去を忘れた時にはじめて、傷つけた者も忘れる権利を得るのだということを。
これは、すでに仲良くなった相手に言われたから、すなわち友だちに言われたことだからこそ、素直に胸に落ちたのである。
 これが国際理解の一歩だと思う。真の国際理解とは、外国人の友達に対して、相手の立場を思いやることで生まれるものなのだ。
 国際理解教育を考える上で、参考にしていきたい。

 さらに加えて思う。「言葉をしっかり勉強したら、もっと楽しかっただろうと・・・」
 言語は、国際理解のための有力な道具である。
 言語の習得と相互訪問・交流を主に取り組む自治体国際化協会の方法は、国際理解のための理にかなっている。

3 教育の問題から
 訪韓前の韓国のイメージは、「儒教の教えと受験勉強に絞られる子どもたち」であった。しかし、見てみると若干違っていた。
 体験を重視するなど、日本の教育の方針を取り入れようとしているのも、いじめや不登校、学級崩壊など、日本の問題点が伝わってしまったからであろう。
 世代間ギャップも大きい。ファーストフードの味に慣れた若者のキムチ離れは、伝統的な儒教精神をも否定しかねない。

 日本が欧米を追っかけてきたように、韓国は日本の後を追っている。良いことも、そうでないことも・・・

 以上、教育関係者の立場から、3点にわたって所感を述べた。しかし、わずか一週間の限られた地域を見ての所感なので、的外れの部分もあると思う。ぜひ第二,第三の訪韓の際に、さらに多くの人とかかわる中で、追加・修正していきたいと思う。