江南市の青年会議所(JC)で講演をしたときのレジメ。小学生を対象にしたエコ・プロジェクトの前に、「子どもを動かす方法について」をテーマに講演を依頼された時もの。
子どもを動かす原則 10箇条
土 井 謙 次
第1条 話をするときは注目させる
・ こちらを見ていないときは話を聞いていないと思え。メモしながらも×。
作業中なら、一度やめさせる。話す人は、目線を確認する。資料も必要なものしか見せない。
・ 「話は目で聞きましょう」「こちらへおへそを向けなさい」
第2条 手を変え、品を変え
・ 子どもは飽きやすい。時々刺激を与えて、あきさせない工夫が必要。口調、身振り・手振り、顔の表情などの演技力が重要。小道具も効果的。 集中させるのに効果大。
第3条 行動させる
・ 手を挙げさせる。声をださせる。立たせる。座らせる。場所の移動など
子供の刺激にもなり、こちらに集中させることができる。
・ 「全員起立。〜した人から座りなさい」という指示は、思考を促すだけでなく、指導者が進行状況を把握することができる。
第4条 目標は具体的に示せ
・ 具体的目標は、意欲を高める。できれば、目標を数字で示すとよい。
「ゴミを拾いなさい」より「ゴミを3個拾いなさい」の方が人は動く
・ 数字がおもしろいと効果的。
「1時に集合」より「12時59分23秒に集まりなさい」の方が印象に残る
第5条 最後の行動まで示してから子供を動かせ
・ 最後の行動が目標となり、子供にとって行動しやすい。また、最後の行動まで示さないと、収拾がつかなくなる恐れあり。野外での活動では事故防止にもなり、特に重要。
・ スタートは明確に示す。「よーい、始め!」など
第6条 説明は短いほど良い
・ 短い言葉で、結論をはっきりと示す。その方がわかりやすい。だらだら話す人は、自分で完全に理解していない人が多い。指導者は、やることを完全に理解してから臨むことが大切。
・ 質問は最後にまとめて受け付ける方がよい。他の子の気が散る恐れあり。
第7条 具体的にほめよう
・「言って聞かせ、やってみせて、やらせてみて、ほめてやらねば人は動かじ」
・ 具体的にほめないと、ほめたことにならない。「みんなはよい子ですね」は無意味。「○○の〜がいいですね」が心に響く。
第8条 知的好奇心をくすぐれ
・ 物を簡単に見せない。予想させてから見せる。
・ 興味を引きつけたいのなら、クイズが有効。
第9条 ポジションを工夫しよう
・ 指導者が太陽を見る位置で。(子どもがまぶしくないように)
・ 全員の目が見えるように座らせる。6人なら直径2mもあれば十分。
「体操座り」で子供は座る。
・ 徹底したいときは、やや上の視点から、心に訴えたい時は同じ目の高さから。
第10条 グループ独自の約束を決めよう
・ 当日はグループが多いので、グループ独自の合図を決めた方がいいかも?
グループの約束は、所属感を高め、団結心を生む。
・ ‘水’のチームは、緊急時のためにも、指導者が笛をもった方がよい。緊急時の合図は決めておく必要あり。
・ 安全指導だけは徹底を。男の子は、河原へ行くと、石を投げるのが当たり前。
子供の心を持った大人が、子供の心を引きつける