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バックナンバー9


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[2003/12/1 第81号]━━
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 ┃田┃田○田┃田┃       メ ル マ ガ 北 中 
 ┃田┃田田田┃田┃
 ┃田┃田∩田┃田┃http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/hokutyuhp/ 
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 12月7日(日)に、町民会館でANOINTED MASS CHOIR(A.M.C)
によるゴスペルコンサートが開かれます。A.M.Cは、あの綾戸智恵の
バックコーラスのメンバーです。
 私(土井)もそのバックコーラスとして参加するので、昨日までに
3回の練習を終えました。
 私は、これまでオーケストラと混声合唱のプレーヤー、吹奏楽の指揮者
として数え切れないくらいの舞台を経験してきましたが、ゴスペルは、
これまでに経験したことのない全く異質の音楽です。
 合唱をイメージしてください。
 合唱は全体で一つの作品を創るために、集団に調和する発声で、正しい
音程で歌います。全体で一つになった時の悦びは、すばらしいものがあります。
 しかし、ゴスペルは違います。
 自分を大切にします。自分の生の声で、自分の表現で、自分の心を表現
します。音程も和音の中でその日の調子に合わせながら選ぶことも可能です。
もちろん集団としてのまとまりを意識しますが、自分を殺すことはありません。
 個の集合体が、一つの音楽を創るのです。
 まだ練習中の身ですが、みんなで創るゴスペルの魅力も、合唱に劣らない
すばらしさを感じます。 

 前号までに、特別支援教育、中でもアスペルガーについて述べてきました。
 特別支援教育は、合唱というよりはゴスペルです。 違いを認め合い、違いを
前提として学級を創っていきます。

 こう書くと、特別支援教育はすばらしいものと思われるかもしれません。
 しかし、現実には大きな困難が予想されます。ゴスペルは、個を大切に
しながらも、初めからまとまろうとして集まった集団です。
 学級はそうではありません。障害のある生徒にもない生徒にも、だれにも
満足できる学級を創るためには、卓越した技量を持ち、しかも複数の教師が
必要です。

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 12月7日(日)に、町民会館でANOINTED MASS CHOIR(A.M.C)
によるゴスペルコンサートが開かれます。A.M.Cは、あの綾戸智恵の
バックコーラスのメンバーです。
 私(土井)もそのバックコーラスとして参加するので、昨日までに
3回の練習を終えました。
 私は、これまでオーケストラと混声合唱のプレーヤー、吹奏楽の指揮者
として数え切れないくらいの舞台を経験してきましたが、ゴスペルは、
これまでに経験したことのない全く異質の音楽です。
 合唱をイメージしてください。
 合唱は全体で一つの作品を創るために、集団に調和する発声で、正しい
音程で歌います。全体で一つになった時の悦びは、すばらしいものがあります。
 しかし、ゴスペルは違います。
 自分を大切にします。自分の生の声で、自分の表現で、自分の心を表現
します。音程も和音の中でその日の調子に合わせながら選ぶことも可能です。
もちろん集団としてのまとまりを意識しますが、自分を殺すことはありません。
 個の集合体が、一つの音楽を創るのです。
 まだ練習中の身ですが、みんなで創るゴスペルの魅力も、合唱に劣らない
すばらしさを感じます。 

 前号までに、特別支援教育、中でもアスペルガーについて述べてきました。
 特別支援教育は、合唱というよりはゴスペルです。 違いを認め合い、違いを
前提として学級を創っていきます。

 こう書くと、特別支援教育はすばらしいものと思われるかもしれません。
 しかし、現実には大きな困難が予想されます。ゴスペルは、個を大切に
しながらも、初めからまとまろうとして集まった集団です。
 学級はそうではありません。障害のある生徒にもない生徒にも、だれにも
満足できる学級を創るためには、卓越した技量を持ち、しかも複数の教師が
必要です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[2003/12/9 第83号]━━
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 「ゴスペル聞いたよ!」というメールをいただきました。
12月7日のゴスペルコンサートには、北中からは私(土井)と
近藤先生、一部保護者の方が出演しました。
 5日の中日新聞朝刊には、次のように紹介されました。
http://www.chunichi.co.jp/00/ach/20031206/lcl_____ach_____002.shtml 
 満席の会場の中、ステージと客席が一体となる感動は、とても
言葉では表現のできないものです。
 オーケストラや吹奏楽では過去に何十回もステージに立ってきましたが、
今回はこれまでとはまた違った音楽の奥深さを知ることができ、
とてもよい経験ができたと思っています。偶然集まった参加者ですが、
その一体感もとてもいいものでした。

 なかでも、最も心に残っているのは・・・・・・
 何と言っても今回の指導者、河原美由紀さんの指導力です。

 河原さんは、ゴスペルグループ・Anointed MassChoir のリーダーで、
あの綾戸智絵の愛弟子でもあります。Anointed MassChoirは、東京・大阪・
名古屋・高知に900名のメンバーがいる、ほぼプロ集団で、綾戸智恵
はじめ、多くのミュージシャンのバックコーラスも努めています。
 今回も、東京や大阪、高知からメンバーが駆けつけてきました。

大口町でも、主に河原さんに指導していただいたのですが・・・
違うのです。他の指導者が言うことと同じ言葉で言っているのに、
伝わり方が全く違うのです。
 重みがあるのです。説得力があるのです。納得してしまうのです。
ユーモアで常に引きつけ、心に残る言葉で締めるのです。そのタイミングは
絶妙。まさに、綾戸智恵です。
 それだけではありません。言葉の端々にでる人間性の豊かさ、深さにも
打たれます。
 私たち、人を教え導くことを仕事にしている者にとって、河原さんには
いろいろと教えられました。
 その内容は次号に・・・・

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[2003/12/10 第84号]━━
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 本日より3日間は保護者会です。この機会に担任と十分な情報交換を
お願いします。

 前後の続き・・・・
綾戸智絵のバックコーラス ANOINTED MASS CHOIR のリーダー、
河原美由紀さんは繰り返して言います。
「天に向かって唄う歌、それが『ゴスペル』
  言葉でも音程でもリズムでもない。
   ゴスペルはゴスペルという歌ではなく、唄う『その人自身』」
 哲学的なようなこの言葉も、レッスンを続けて受けているとその意味が
わかってきます。これまでの音楽経験ではなかった感覚です。
 
 こうした音楽的なことだけではありません。人間として基本的なことには
特にこだわります。
 「トイレはお客様が気持ちよく使えるようにきれいに使ってください」
 「ホールをいつもはじめよりきれいにして返します。使わせていただいた
  感謝の気持ちを込めて掃除をしています。」
 その一つひとつは当たり前のことなのですが、河原さんが言うと
「そうだな。」と心から納得します。

 なぜでしょう?
 あのほとばしる人間性、百数十人を引きつけるカリスマ性はどこから
出てくるのでしょうか。
 私たち教師はもちろん、社会人として、親として、何よりひとりの
人間として、あのような魅力のある人間になるように努力したいものです。
 また、子どもたちがそうした人になれるように指導していきたいと思いますが、
まず指導者がそうならないと無理なのかな・・・・・

ANOINTED MASS CHOIR のコンサートは、
12.21(日)18:00〜20:00 一宮市光明寺の138タワー
  23(日)時間はわかりませんが、名古屋市栄のオアシスで聞くことができます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[2004/1/2 第85号]━━
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あけまして、おめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

メルマガ、久しぶりの発行ですので、昨年をふり返ってみたいと思います。
具体的には、学校HP http://www.hokubu-j.oguchi.ed.jp/ の
「あゆみ」をご覧いただくのがもっとも明解です。
写真の数を数えてみましょう。
4・5月  29枚、6月  38枚、7月・8月 64枚
9月    24枚、10月  42枚、11月    30枚
12月    30枚
計 257枚 の写真がありました。
あゆみ以外にも、「行事」などに多くの写真があります。
修学旅行が77枚、自然教室が67枚、海外派遣68枚などなど・・
その一枚一枚が、学校の営みであり、子どもたちの生活なのです。
ぜひともご覧いただけたらと思います。
ちなみに、5月13日以降の給食をすべて見ることができます。
これは、図書館司書の前田さんの力によるところが大です。

おっと、忘れてはなりません。
養護教諭の桑原先生による保健室のページは、とても充実した内容です。
なかでも、「養護教諭によるこころ・からだ・いのちの学習」は、授業記録
や生徒の感想があり、全国の中学校の先生方のための貴重な資料でもあります。
ぜひご覧下さい。

次号からは、12月中旬以降の行事等についてふれてみたいと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[2004/1/3 第86号]━━
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12月13日、3年選択情報のメンバーで中京テレビを見学しました。
この日は、偶然、地下鉄4号線・砂田橋−名古屋大学前まで延長された日。
鉄道ファンでいっぱいの中、名古屋大学前で降り、総勢16名でテレビ局へ
向かいました。
玄関へ向かうといきなりびっくり。テレビカメラと照明、音響スタッフが
待ちかまえているのです。そしていきなりのNG。
「もう一回、入り直して下さい。」
ここで初めて、見学の様子のテレビ撮影があることを知ったのです。
恩田アナウンサー、ディレクターの寅さんのあいさつの後、機材室、
そして報道部へ。
そこでは、鶴木アナウンサーが原稿に赤鉛筆を入れていました。
本番20分前の緊迫した中でも、「ごめんなさい、応対できなくて」
と笑顔で応え、すぐに原稿に目をやる姿にはプロの魂を感じました。
そのすぐ横には「おめざめワイド」やニュースのスタジオ。
とても狭く、コンパクトにまとまっているのには機能性を感じました。
セットを裏から見るとベニヤ板につぎはぎの壁紙、やや色のくすんだ
マスコット人形など、決してきれいとは言い難いのですが、
それがテレビカメラを通してみるときれいにまとまっているので驚きです。
テレビの中が「虚構の世界」であることを、こんな所からも感じます。

その後、ピアットのスタジオを見学。その後、別所哲也さんが登場。
簡単な打ち合わせ、リハーサルの後、本番の収録開始。「ミカンのクレープ」
を作り始めました。そして本番中に数口食べた後、番組終了。
その日は同じ料理番組を6本撮影する予定で、クレープはまだ1本目なのです。
すぐにスタッフが味見。生徒が質問をしている間に、私(土井)もスタッフと
いっしょにちゃっかり味見。画面を見て想像した通りの、とてもおいしい
クレープでした。

その後も、調整室やデジタルマスター(最終の管理室?)の見学など、
濃密な1日でした。
これらの様子は http://www.hokubu-j.oguchi.ed.jp/tvkengaku.htm に掲載。
また、12月28日の「あなたと中京テレビ」でも5分ほど紹介されました。
さて、生徒は何を感じ、何を学んだのか・・・

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[2004/1/4 第87号]━━
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12月13・14日は、劇団ほほえみの定期公演の日でもありました。
北中からも3名が出演し、見事な演技を披露してくれました。
劇団ほほえみは、平成2年の社会教育講座「ミュージカル講座」をきっかけに
始まり、以後も形を変えて続き、平成6年に「劇団ほほえみ」として正式に
発足しました。以来、毎年1作品の定期公演を開いています。
そして、今回が10回目。団員の大半が小中学生ですが、上は50歳代まで、
幅広い年齢層の人が一緒に舞台をつくっていることがすばらしいと思っています。
前号のダンス&ミュージックもそうですが、幅広い年齢層の人が、共に集い、
一つのものを創りあげる活動は、生涯学習の観点からも、とても価値あることだと
思います。
今後も、大口町の貴重な文化団体として、応援をしていきたいと思います。

それにしても、ステージ上でのびのびと表現している姿は、学校では見ることが
出来ないものです。彼女らを見ていると、生徒にとっていろいろな活躍の場が
あることは、とても大切であることを実感します。

子どもは家庭と学校だけで育てるものではありません。地域の力が必要です。
学校へ行く時間は、長い人生から見れば一部の時間。子どもは、いずれは地域で
社会生活を送るのです。
子どもなら学校以外で、社会人なら職場以外で、どれだけ地域の中につながりを
持っているかは、とても重要なことだと思うのです。
その人をつなげる力が、“地域の力”なのです。
「劇団ほほえみ」の存在も地域の力の一つです。
地区の祭り、子ども会やスポーツ少年団など、小学生は地域の力に比較的強く
結ばれています。
しかし、中学生から大学生までは、地域から遊離してしまうのが一般的です。

この劇団ほほえみや前回のダンス&ミュージック、町民バンドや鳴子踊りのチーム、
ボランティアグループ、各種スポーツ団体、文化協会・・・これらが、どれだけ
中学生から大学生までを繋ぐことが出来るのか、地域の力の出番です。

大口町にも地域の力が育ちつつあります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[2004/1/5 第88号]━━
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(学校HP「あゆみ」12月に従って、解説しています。)
12月16日 上手な話の聞き方
 加木屋先生による話の聞き方についての授業です。
「そんなばかな!話の聞き方なんてあるものか。」と思われる方も多いかも
しれません。
ところが、今の時代は、「聞く」ことの指導が最も難しいのです。

私(土井)は、昨年まで2年間、土日が仕事で、主に月火が休みでした。
そのために、休みの月火は、全国の有名校を見て歩いていました。
千葉から新潟、東京、神奈川、長野、岐阜、滋賀、京都、奈良、広島、
福井、もちろん愛知・・・・
どんな有名校でも、「話す」、すなわち自分の意見を主張する指導は立派でも、
人の話を「聞く」指導はあまりできていないというのが実感です。
「聞く」ということはそれほど難しいのです。
かつては、人の話を聞くことは「当たり前」でした。
今の時代、なぜ、人の話を聞けなくなってしまったのでしょうか?

と、考えていた今日、中日新聞の夕刊から「コミュニケーション」という
連載が始まりました。
第1回の海月ルイさんの話は、まさに和が意を得たりと言えるものでした。
やや長文ですが引用します。
−−−−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−−−−−−−
二十年ほど前、ヘッドホン型ステレオが発売された。小型でありながら高性能で、
いつでもどこでもカセットが聴けるという製品だった。今考えればどうということ
はないのだが、当時としては画期的な商品で、若者の間で大流行した。
その頃、ステレオは部屋を占拠する大型の電化製品の一つであった。家庭用で
あるにもかかわらず、スピーカーの出力や大きさを競うという一時期もあったく
らいで、やたら大型に人気があったのだ。
そんな時に発売された同製品は、発想自体が斬新だったのである。「カシャカ
シャ」という奇妙な音が不快だとか、往来では危険きわまりないなどの非難の声
を尻目に、街はヘッドホンを耳にあてた若者の姿であふれた。
この時から、部屋に置かれた「大道具」ではなく、持ち運びのできる「小道
具」によって、気に入りの音楽を聴きたい時に聴くという生活様式が若者を中心
に定着した。(次号に続く)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[2004/1/5 第89号]━━
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(前号の続きです。)
「音楽を聴く」というのは、あるいは「音が聞こえる」というのは、本来はそ
こにいる人々の共有の経験であり、認識である。ところがこの新製品の登場によ
り、「音」は共有するものではなく、個人によって選別できるものとなった。
たとえ地下鉄の轟音が響くホームに立っていても、ヘッドホンをあてた彼の耳
に電車の音は届いていない。彼の耳には、お気に入りのアーティストの歌声が
響いているのである。そしてその周囲にいる人々は、彼が今、どんな音や音楽を
聴いているのか知る由もない。
人類史上、これは前代未聞の出来事である。同じ場所にいる者が、同じ音を聞
いていないというのは、それまで絶対にありえない現象であり、行為であった。
やがてその現象と行為は、携帯電話というツールによってさらに発展した形で引
き継がれることになる。
(中略)
誰にでも、自分にとって必要なものと不必要なものがある。あるいは、価値の
あるものとないものがある。自分にとって価値のないものに関心を持たないの
は当然である。
しかし、それらは最初から明確な形をもってわたし崖の前にあらわれるわけで
はない。現実世界では、玉も石も混沌とした状態で存在している。「雑音」のな
かにこそ、その両方があるのであり、人は知恵と経験により、そこから価値ある
ものを見つける。
「聞く耳を持たない」者は、最初からその機会を逸している。まことに、損な
話である。
−−−−−−−−−−−引用終わり−−−−−−−−−−−−
ウォークマンは1979年にソニーから発表されました。
ちょうどその前年、インベーダーゲームが大流行し、1983年発売のファミコン、
すなわちテレビゲームへとつながったのも時代を象徴しています。

そのどちらも、「個別の空間」を作り出し、「聞きたい音」の選別をはっきり
させてしまったのです。
そして、これが、今ので携帯電話につながり、より拍車をかけているのです。
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今日から3学期。始業式の話はまずまず聞いていたように見えましたが・・・

中日新聞夕刊の「聞く力」シリーズ2日目は、斉藤 孝・明治大学教授。
相手の発言に反応できるからだの大切さを説く。反応できるからだとは、
第1 相手の目を見る
第2 ほほえむ
第3 うなずく
第4 相づちをうつ
第5 コメントや質問をする、メモを取る
さらに、相手の話の用紙を理解して「やわらかく聞く」ことを勧めます。

3日目の今日は、古館伊知郎。
「聞く」ことはまさに「見る」こことと見つけたり、とまで言い切ります。

それぞれの経験から「聞く」について語っていますが、私はこう考えます。
「聞く」ということは、基本的に相手への敬意が前提となるということです。
逆に言えば、話を聞かないのは相手への侮辱であり、失礼なことなのです。
かつて学校では、「話を聞け!」という指導が普通に行われていました。
もちろん今でも行われているのですが、より重要なことは、生徒に聞く心を
育てること、話を聞くと言うことは相手への思いやりであることに気付かせること
だと思っています。

「聞く」ということについて、家庭でも話題にしていただければと思います。