1 むつかしいことなの?

 むつかしいことではありません。「生涯学習」という言葉から、かたいイメージをもつ人もいるかもしれませんが、もっと気楽に考えてください。

 まず、生涯学習と聞いてまず思い浮かべるのは、陶芸や俳句、ゲートボールなどの活動やカルチャーセンター等で行われている活動などですが、そうした趣味・教養に関する活動だけが生涯学習ではありません。
 一般的に生涯学習とは「生活や職業能力の向上、自己の充実を目指して、各人が自発的意志に基づき、必要に応じて、自己に適した手段・方法を選んで、生涯を通じて行うもの」といわれています。大切な点は、「自発性、選択性、年齢を問わないこと」です。人が生まれてから死ぬまでの間、いわば「ゆりかごから墓場まで」の間に行われる「学び」はすべて生涯学習になるのです。
 そう考えると、読書をしたり、テレビをみたりすることも生涯学習の一つと考えることができます。乳幼児が家庭や幼稚園・保育所における遊びを通じて言葉や人間関係、社会のルールを学んでいくことも生涯学習のひとつといえるでしょう。

 生涯学習は、本人の「学びたい」という自発性に基づいて行われるものです。「だれかに言われて行う」のではなく自発的に行うためには、まずその「学び」が本人にとって楽しくできるものでなければなりません。したがって、生涯学習は楽しい「学び」であることが大切であり、「楽しい学び」を通じて「楽しい学びの友を得る」、いわば「出会いの場」にもつながるものです。
 つまり、生涯学習は本人の自発性に基づくものですから、だれにも強制されるべきではありません。「したい人」が「したい時」に「したい内容」を「したい場所」でできるのが、生涯学習の本来の姿であるといえるでしょう。


もどる