リレーパネルディスカッション報告 （各組30分間）
テーマ「今後、豪日がますます関係を深めるためにはどうすればよいか」
５組（１０月２日）
駐豪日本大使 … 交通料金を安くするように働きかけ、多くの人が相互に行き来できるようにする。
ｽﾎﾟｰﾂｼﾞｬｰﾅﾘｽﾄ … 共通の人気球技が少ないので、互いにスポーツを紹介し合い、交流試合を行う。
日本人学校校長 … 中学・高校から積極的に交換留学を行う。
布袋商事社長 … 会社相互に派遣社員制度を作る。
大学留学生 … 姉妹校を作り、作品交換、ビデオレターの交換を行う。
討論
・ 旅行会社の人は、日豪間往復を３万円で行けると聞いた。もちろんこれでは航空会社の儲けは出ないが、往復６万円ぐらいまでなら下げることはできるかもしれない。
・ 今の日本の飛行場では、これ以上便数が増やせない。料金を安くしても、便数が増えない以上訪問する人は増えない。飛行場建設が先。
・ 飛行場建設はお金がかかる。今の不況では無理。景気がよくならないと…
・ 国の税収が増えれば、国の補助で交換留学制度も今より増やすことができる。
・ 中・高の交換留学制度は、言葉の壁が大きい。
・ 小学校からの英語教育が必要。もうすぐ始まるけど…
・ 国語が不十分なうちは、英語は有害ではないか？
・ 小学校は、ゲームなどで英語に親しみをもてればよい。
司会（総理大臣）のまとめ
互いの経済が不安定なうちは交流は深まらない。両国の経済の安定が先。日本人は観光が多いが、その国の文化を学ばなければ理解は深まらない。言葉の壁を乗り越えることが必要。そのためには、早期からの英語教育が望まれる。
２組 （１０月５日）
５組の内容をふまえて
新聞記者 … オーストラリアの地理をもっとよく理解する必要がある。
後藤商事社長 … 言葉の壁が大きい。日本からの訪問者が圧倒的に多いので、もっと日本に招き入れる方法を考えるべきだ。
ﾆｭｰｽｷｬｽﾀｰ … 豪日間のことは、現在大きなニュースしか報道されない。お祭りとか、町の話題など、もっと身近なニュースを報道し合えば、相互理解につながる。番組を交換するだけですぐできることだ。
外務大臣 … 交換留学制度を定着させたい。英語教育をより充実させ、インターネットをすべての学校に広げたい。
国際派俳優 … 言葉の壁は大きい。しかし、ジェスチャーなどでハートは伝わる。
積極的に外に出る気持ちが大切。
布袋中学校生徒 … 互いの国の動物を紹介し合う。ふれあえる動物園を作りたい。
相互に研修を深めたい。
討論
・ これからはインターネットが大きな働きをする。普及してほしい。
・ 学校間でも姉妹校制度を作り、インターネットで同時に授業をし合えばよい。
時差がないので、通訳さえ付ければ可能だ。
・ ぼくたちが「オーストラリアへ行こう！」の旅行計画を立てたみたいに、オーストラリアの子に「日本へ行こう！」の旅行計画を立ててもらい、そのレポート を交換すればよい。
・ 姉妹校だけでなく、姉妹家族制度を作り、家族相互にインターネットで交流するのがよい。
・ ホームステイの費用をもっと安くなるように制度化してほしい。
・ 博物館を互いに作り合う。日頃から相手の歴史や文化に触れることが理解につながる。
・ 交通運賃を安くして、海外渡航手続きを簡単にしてほしい。ＥＵ内では自由に行き来できるのなら、豪日間もＥＵの仕組みを取り入れてほしい。
司会（釣師）のまとめ
インターネットの話題が多く出たが、今後ますます広がると思う。それでも英語の壁があるので、英語の勉強もしながら、ジェスチャーなど表現力も身につけたい。
ニュース番組の交換などは衛星放送を使えばすぐにでもできるので、取り入れてほしい。
釣師の立場としては、日本のバスプロ選手権の決勝をオーストラリアで開くなどして交流を深めていきたい。
４組 （１０月６日）
５組、２組の内容をふまえて
輸入会社社長 … 輸入品の規制を撤廃してほしい。真の自由貿易の実現が、国際理解をさらに深めることにつながる。オーストラリアは広い割に
耕地が少ないので、砂漠緑化に日本の知恵を貸してほしい。
空港職員 … いつも武器や麻薬の密売に目を光らしている。自分のような仕事はなくなるのが理想。世界平和が国際理解の大前提である。
雑誌ｵｰｽﾄﾗﾘｱ編集長 … ｵｰｽﾄﾗﾘｱの学校では日本の勉強をしている。日本の学校でも
ｵｰｽﾄﾗﾘｱの文化をもっと勉強してほしい。教科書には、ｵｰｽﾄﾗﾘｱは少ししか載っていない。
ミュージシャン … 日本のロックは世界に受け入れられない。世界に通用する音楽を発信すべきだ。もっと世界の情報を入れて、世界に通用する人を育てたい。
豪大統領 … 国際交流の幅を広くし、一人一人の理解を深めたい。
政府としては、輸出入をよりいっそう盛んにしたい。
討論
・ 貿易の振興は必要。そのための工夫をしたい。
・ 世界通用する音楽を。
・ プレステ、ポケモン、たまごっちなどおもちゃは日本製が世界を制覇している。 おもちゃを通して交流すればよい。
・ 日本はアピールがへた。日本を紹介する本をたくさん作って外国で配ってほしい。
・ 通信でゲームをしていたら、外国から英語でゲームに参加してきたので逃げてしまった。やはり英語は大切だと痛感した。
・ 輸出入のルールを守りたい。
・ 明治維新以来、日本は欧米を追っかけてきたが、先進国となった今、アジア・太平洋地域の中心国として、アジア・太平洋に目を向けるべきだ。文部省もアジア・ 太平洋に目を向けた指導要領を作るべきだ。
・ 留学生には授業料免除や運賃の学生割引などで優遇して、行きやすくしてほしい。
・ 姉妹校・姉妹都市に国の補助を。
・ 日本の天然記念物などを海外に紹介してほしい。
・ 文通など地道なところから始めよう。
司会（総理大臣）のまとめ
貿易や外交など、多くの意見が出て参考になった。
貿易の自由化は世界の課題だ。経済的な国境をなくす方向でこれからも進めていきたい。
６組 （１０月７日）
５組、２組、４組の内容をふまえて
駐日オーストラリア大使 … 日本人の多くは、戦争中に日本がオーストラリアに攻撃したことを知らない。さらに、オーストラリアは日本兵を手厚く葬っている。過去の反省と謝罪が、両国の友好をさらに深いものにする。
カンタス航空社長 … 日本からの観光客は多いが、オーストラリアから日本へ行く人が少ない。それは日本からの情報が少ないからだ。日本への関心は高いので、もっと情報を流せば、観光客は増える。それが、交流につながる。
在豪日本人 … 相互理解につきる。ホームパーティなど、家族ぐるみのつきあいが交流の基本だ。
ﾂｱｰｺﾝﾀﾞｸﾀｰ … ツアーの中に、現地の人とふれあえる機会を入れる。また、日本からのツアーと現地の人の国内ツアーといっしょに回るコーを作る。出会いは思い出になると思う。
在日留学生 … 積極的な国際留学と手紙の交換が基本。これまで以上に促進したい。
通産大臣 … 農産物輸入の規制緩和など、国内の農家を保護しながら、貿易の促進に努力していきたい。幸い、オーストラリアの産品は、日本と競合するものが少ない。
討論
・ 日本のことを知らせる工夫が必要。
・ ハウステンボスやスペイン村のようなものを互いにつくるとよい。オーストラリ ア村や日本村のようなものを。
・ ベイブやｸﾛｺﾀﾞｲﾙﾀﾞﾝﾃﾞｨなど、日本でもヒットしたオーストラリア映画は多い。た だ、ハリウッド映画だと誤解されている。互いの映画を交歓することで文化理解につなげたい。
・ ツアー料金を安くしたい。
・ 文化交流は食べ物から。互いの料理店を出し合い、また、コックを派遣し合って料理を学び合いたい。
・ もっと音楽の交流を。バンドが相互にツアーを行えば、若者の意識は高まる。
・ 相互に美術館をつくり合う。インターネットでも作品を見られるようにする。
・ 民族衣装、折り紙などの互いの伝承遊びなどを紹介し合いたい。
・ 博覧会を開く。お祭りの出張を行う。
・ マスコミは簡単に国境を越えられる。音楽、美術、テレビアニメなどで交流したい。
・ 家族まるごと交歓ホームステイを支援してほしい。
・ オーストラリアと日本の間に、日豪共存村をつくる。
司会（国際交流評論家）のまとめ
戦争の反省や留学生や家族の交歓など具体的なプランが多く出された。
しかし、一般の日本人は、オーストラリアについて深く知らない。首相の名前は誰もいえない。首都も知らない人がいる。
これからは、国と国が仲良くすることはもちろん、地球全体のことを考えて行動する時代になる。