社楽版 社会科用語集 2009年2月改訂
教育全般 | |
教育基本法第1条 教育の目的 |
教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。 |
教育基本法第2条 教育の目標 |
一 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。 二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。 三 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。 四 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。 五 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。 |
学校教育法第20条 義務教育の目標 |
1.学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。 3.我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。 その他、2で環境の保全、4で産業の基礎的理解、10で職業について触れている。 |
学校教育法第30条2 習得と活用 |
生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない |
生きる力 | 変化の激しいこれからの社会を生きる子どもたちに身に付けさせたい[確かな学力]、[豊かな人間性]、「健康と体力」の3つの要素からなる力。(=知・徳・体) |
確かな学力 | 知識や技能はもちろんのこと、これに加えて、学ぶ意欲や自分で課題を見付け、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決する資質や能力等まで含めたもの。生きる力の知的側面 |
OECDの学力 | 人生をつくり社会に参加する力量 |
PISA型読解力 | 自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力/連続型(文章)・非連続型(図・統計等)テキスト |
授業の本質 | 学力を形成すること |
学力形成の本質 | 授業前と後とで向上的変容が進められること(野口芳宏) |
教育とは | 認識の変容を求めて意図的になされる行為(小西) |
社会科の目標 | |
社会科の究極の目的 | ・自分の生活(社会)を改善できる人間の育成 ・公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養う |
社会科の目標(広義) | 社会認識を通して公民的資質を育成すること |
社会科の目標 小学校学習指導要領 |
社会生活についての理解を図り,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て,国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。 |
社会科の目標 中学校学習指導要領 |
広い視野に立って,社会に対する関心を高め,諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め,公民としての基礎的教養を培い,国際社会に生きる平和的で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う |
公民的資質 | 国家、社会の成員として求められる知識・理解、能力、関心、態度のこと |
社会認識 | 見えないものを見えるようにすること。社会についてて知る働きとその結果得られる知識。 |
社会的事象 | 事実として具体的に知ることができる社会的な事柄や出来事 |
中学校地理の目標 学習指導要領 |
(1) 日本や世界の地理的事象に対する関心を高め,広い視野に立って我が国の国土及び世界の諸地域の地域的特色を考察し理解させ,地理的な見方や考え方の基礎を培い,我が国の国土及び世界の諸地域に関する地理的認識を養う。 (2) 日本や世界の地域の諸事象を位置や空間的な広がりとのかかわりでとらえ,それを地域の規模に応じて環境条件や人間の営みなどと関連付けて考察し,地域的特色や地域の課題をとらえさせる。 (3) 大小様々な地域から成り立っている日本や世界の諸地域を比較し関連付けて考察し,それらの地域は相互に関係し合っていることや各地域の特色には地方的特殊性と一般的共通性があること,また,それらは諸条件の変化などに伴って変容していることを理解させる。 (4) 地域調査など具体的な活動を通して地理的事象に対する関心を高め,様々な資料を適切に選択,活用して地理的事象を多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力や態度を育てる。 |
中学校歴史の目標 学習指導要領 |
(1) 歴史的事象に対する関心を高め,我が国の歴史の大きな流れを,世界の歴史を背景に,各時代の特色を踏まえて理解させ,それを通して我が国の伝統と文化の特色を広い視野に立って考えさせるとともに,我が国の歴史に対する愛情を深め,国民としての自覚を育てる。 (2) 国家・社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産を,その時代や地域との関連において理解させ,尊重する態度を育てる。 (3) 歴史に見られる国際関係や文化交流のあらましを理解させ,我が国と諸外国の歴史や文化が相互に深くかかわっていることを考えさせるとともに,他民族の文化,生活などに関心をもたせ,国際協調の精神を養う。 (4) 身近な地域の歴史や具体的な事象の学習を通して歴史に対する興味・関心を高め,様々な資料を活用して歴史的事象を多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる。 |
中学校公民の目標 学習指導要領 |
(1) 個人の尊厳と人権の尊重の意義,特に自由・権利と責任・義務の関係を広い視野から正しく認識させ,民主主義に関する理解を深めるとともに,国民主権を担う公民として必要な基礎的教養を培う。 (2) 民主政治の意義,国民の生活の向上と経済活動とのかかわり及び現代の社会生活などについて,個人と社会とのかかわりを中心に理解を深め,現代社会についての見方や考え方の基礎を養うとともに,社会の諸問題に着目させ,自ら考えようとする態度を育てる。 (3) 国際的な相互依存関係の深まりの中で,世界平和の実現と人類の福祉の増大のために,各国が相互に主権を尊重し,各国民が協力し合うことが重要であることを認識させるとともに,自国を愛し,その平和と繁栄を図ることが大切であることを自覚させる。 (4) 現代の社会的事象に対する関心を高め,様々な資料を適切に収集,選択して多面的・多角的に考察し,事実を正確にとらえ,公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる。 |
学習基本用語 | |
基礎・基本 | 基礎;事物の成り立っているもと。根本 基本;事物の判断、行動、または存在などの拠り所となる大もと。基礎となる原型。根本土台。 |
知識 | ・記憶されていること,感覚や知覚,記憶,思考などの働きにより得られた概念 ・確かな根拠に基づいた普遍妥当性のある認識であり、認識作用の結果を指す |
理解 | ある知識が他の知識と関係づけられて,構造的につかめていること |
判断力 | 物を正当に認識し,それを評価する能力 |
思考 | ・外からの刺激によって生じた問題を,それぞれの人が持っている記憶をもとにして,自分から適応していく過程 ・疑問や課題を知的な概念の操作によって解決していく過程 |
思考力 | 社会科の学力の中心的要素であり、社会的事象を、客観的に、より広く深く、より精密に、より間違い少なく、すなわち科学的に捉える力 |
社会的思考の5因子 | 関連思考・比較思考・条件思考・因果思考・発展思考 |
思考力の育成 | @ 経験と思考が互いに働き合い、発展性のある経験が続く時思考が深まる A 書く。追究的な思考活動が発展していく B 「なぜ?」に答えない。自分の考えを出させ、それを確かめるための新しい経験をさせる C 訓練。分析と総合の経験を積む。 |
表現力 | 自分の頭の中にある思考や感情を,表情,身振り,言語,音楽,絵画,映像,造形など外面的・感性的にとらえることができる形式を用いて伝達する力 |
創造性 | 一定の解答がない場合の問題,あるいは既出の解答では解決したことにならない問題を処理することができ,有効,かつ,生産的な結果を導くことの出来る能力や特性 |
創造的能力 | @ 流暢性;思考の速さ A 柔軟性;どれだけ多くの観点を持っているか、思考の多面性 B 独創性;独自で適切なものが多くあるか、思考の独自性 C 具体性;問題をどれだけ明確にとらえているか、思考の深さ |
興味・関心 | ある事柄に対しての積極的な「心の構え」を「関心」といい,そこに感情的な要素が加わるとき「興味」という |
態度 | 何かをしようとする気持ちや心構え,または,それを行動に表すこと |
主体的 | 他に導かれるのではなく、自己の純粋な立場で行動するさま(広辞苑) |
わかる | ある事象を認識主体から切り離して対象化して知るはたらき 対象の構造や筋道をとらえ,その全体像を自分の中に再現すること |
気付く | 心に内在する問題意識と外在する事物・事象の論理との出会いによって突発的に生起する認識の発展的変革 |
経験と思考 | 経験;知覚によって外界の事物を知ること 思考;一つの知覚的経験と他のそれを関係づけ体系化する精神的作用 経験と思考を関係づけるのが社会化 |
概念形成 | ・概念的知識を習得すること、または習得された状態 ・子ども自身がその知識を自己の見方・考え方に組み込み,その知識を用いて事象を説明・予測できるようになること |
事実的知識 | 特定の事象を記述・説明したもの |
概念的知識 | 広範囲の事象の理解・説明、問題の理解・解決に適応しうる動的な知識 |
教材 | 教育内容と対になる概念であり、教育内容を体現し具体的にになう素材のこと |
社会科基本用語 | |
社会的意味 | 観念上の理解や解釈、説明。社会的事象の成立や、それが社会に与える影響、役割などの意味 |
意味づけ | 社会事象についての自分なりの解釈。価値認識 |
社会的見方 (岩田一彦) |
様々な社会的事象の関係を因果で説明し、因果律として一般化することができる。(説明的知識と概念的知識の習得)わかる |
社会的考え方 (岩田一彦) |
習得した説明的知識と概念的知識を元に、社会的な論争問題について、合理的に価値判断することができる。(規範的知識の習得)考える |
社会的見方を構成する要素(岩田一彦) | 様々な事象を「いつ」「どこで」「何が」「どのように」でとらえ、社会的事象として見いだすことができる。(記述的知識や分析的知識の見いだし) |
岩田一彦による 知識の分類 |
@事実関係的知識 a 記述的知識:知覚による事実判断により得られる知識 b 分析的知識:記述的知識と社会事象間の一定の関係 c 説明的知識:社会事象間の関係を原因と結果で示したもの d 概念的知識:法則性を示したもの A価値関係的知識 A 規範的知識:事実関係的知識に基づいて価値判断という思考を通して習得したもの |
社会的なものの見方考え方(北俊夫) | @事実にもとづいて見たり考えたりすること、A社会的事象に対して、自分なりに解釈(意味づけ)して…。、B複数の社会的な事実を一般化したり抽象化したりして…。またはその逆、C多面的に…、D公正に…、E比較、関連、総合して…、F時間の経緯の中で…、G空間的な広がりの中で…、H自分の生活や自分とのかかわりの中で…、I事実や解釈の限界性を意識して… |
社会科の基礎・基本 | @社会認識の内容としての知識・理解・概念、A社会認識を深める諸能力、B市民としての社会的態度・能力 |
社会的判断力 | @ 社会的事象を的確にとらえる能力、A 社会的事象相互の関係を把握し考察する能力、B 概念の本質を把握する能力、C 以上をもとに、社会的事象を公正に判断する能力 |
資料活用能力 | @ 問題を解決するために必要な資料を収集する能力 A それらの資料を視点を決めて取捨選択する能力 B 資料を分析し、事実を読み取る能力 C 資料を裏付けとしながら、読み取らせた事実に意味づけをする能力 D いくつかの資料と比較関連させて結論を導き出す能力 E 結論を基に資料の吟味をする能力 F 資料を再構成したり、効果的な表現をする能力 |
主権者意識 | 国家の意思や政治のあり方を最終的に決定する権利を有しているという意識 |
多面的・多角的 | 多面的;学習対象としている社会的事象が様々な面をもっていること 多角的;そうした社会的事象を様々な角度から考察し理解すること |
自己決定力 | 状況を分析・把握し、その状況に適切な行動を判断し、それを周りと共有し、実行に移す能力 |
社会化(socialization) | 子どもが社会において学習や経験によって発達していく過程 |
切実性 | ある対象がわが身に直接差し迫ってくる性質のこと |
参画 | 政策・事業などの計画に参加すること |
社会 | 自ら所属する社会。地域・国・国際社会など、さまざまな広がりをもつ社会のこと。 |
かかわり | 社会と自分の関係を認識することや社会との関係をもとうとすること、さらに社会をよりよい方向へ導こうとする姿勢をもつこと。(07千葉大会紀要より) |
社会参加の利点 | @ 自分とのかかわりを持った切実感・現実感を伴う認識 A 社会的存在としての責任・義務の自覚 B 貢献できたという達成感や満足感 C 現実社会の多面性・複雑性に接し、総合的思考判断や他者理解力の成長 D 批判力・構想力・行動力などの伸長 |
目ざす児童・生徒像(H7) | @知的好奇心に満ち,見近な事象に対して常に問題意識を持つ A意欲的に問題に立ち向かう B新たな問題に対しても,いろいろな方法を駆使して工夫して解決する C学習したことを生活に生かす |
領域別用語 | |
平和教育の目的 | @ 戦争の原因を科学的に追究する A 戦争の非人間性と残虐性を分析・考察する B 人間生命の尊厳性を理解する C 国際理解と国際連帯を深める |
国際理解教育 | 世界各国での異なる人種,政治,社会制度等の正しい把握を通して,各国民相互の理解を深め,人類社会の平和と福祉の維持に貢献できるよう積極的に努力する人材を育成する教育 |
地理的な見方 | 日本や世界に見られる諸事象を位置や空間的な広がりとの関わりで地理的事象として見いだすこと |
地理的な考え方 | それらの事象を地域という枠組みの中で考察すること |
地理的な見方・考え方の構成要素 | @ 地域の諸事象を位置や空間的な広がりとのかかわりでとらえること A 人々の生活の地域的特色を他地域との比較、関連においてとらえること B 人々の生活の地域的特色に関する諸事象の性格や意味を、地方的特殊性と一般的共通性の観点に立ってとらえること C 人々の生活の地域的特色に関する諸事象を成り立たせている地理的諸条件について考えること D 日本や世界における大小さまざまな地域的なまとまりを考えると共に、それらの地域間の相互依存関係や競合関係について考えること E 自然及び社会的条件と人間との関係について考えること F 地域の変容に着目し、その動向や意味について考えること |
現代社会についての見方や考え方 | 現代の社会的事象を読み解くための概念的枠組み。得た情報を社会生活に与える影響及び意義を自ら見いだそうとする時に解釈する自分なりのとらえ方 |
歴史教育の目標 | @ 変化への認識を育てること A 歴史の進展における人間の役割への認識を深めること B 集団への一員としての連帯感を高めること C 意志決定の力を高め参加意欲を高めること |
法教育 | 法律専門家ではない一般の人々が法や司法制度これらの基礎になっている価値を理解し,法的なものの考え方を身に付けるための教育 |
金銭教育 | 健全な金銭感覚を養い、ものやお金を大切にし、資源の無駄づかいを避ける態度を身に付けさせ、それを通じて自立して生きることができ、社会形成者としてふさわしい人間形成を目指す教育 |
開発教育 | 南北問題(先進国と途上国)や環境破壊、貧困など開発をめぐる問題を、私たちひとりひとりが理解し、私たちの生活との結びつきを知り、私たちにできることを考え、よりよい地球社会を創るために自ら行動していくことを目指した教育活動 |
人権教育 | ・人権尊重の精神の涵養を目的とする教育活動 ・基本的人権の精神を学び、理解し、尊重できる実践力を身に付ける教育活動と、女性、子ども、高齢者、障害者、同和問題、アイヌの人々、外国人HIV感染者やハンセン病患者に関することなど、個別の人権課題に対する正しい理解を深め、解決に向けて実践する知識・技能や態度を育成する教育活動 |
消費者教育 | 経済行為の主体として基礎的な知識と技能を持もち、主体的かつ責任をもって意思決定を行うことのできる消費者を育てる教育 |
キャリア教育 | 望ましい職業観・勤労観及び職業に関する知識や技能を身に付けさせるとともに,自己の個性を理解し,主体的に進路を選択する能力・態度を育てる教育 |
男女共同参画社会 | 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会 |
評 価 | |
評価 | 児童生徒の学習の行動,教育計画など,教育に関する事象が有する価値や目標の達成度を,一定の評価規準に照らして判断する営み |
評価の役割 | 子ども一人ひとりが自ら学ぶ意欲や思考力,判断力,表現力などの能力を身に付けさせることができるように,子どもひとりひとりのよさや可能性をのばし,その自己実現を支援していくこと |
評価規準 | 学習活動において育って欲しい子どものイメージ |
評価基準 | その評価・測定目標の達成や発達の程度を判別するための量的尺度 |
到達度 | 十分な時間をかける場誰でもマスターできる基礎的目標に用いる |
達成度 | 個人の能力に応じてできるだけこれを伸ばすしかない発展的目標に用いる |
教授学用語 | |
授業設計 | 一定の教授目標を実現するために行われる、内容−教材−発問−活動等の関連づけ及び授業の展開過程における配置や組織の具体的な計画 |
問題解決学習 | 学習者が自らの問題意識に即して学習問題をとらえ、それに主体的に取り組み、科学的思考を働かせてその解決の方途を探究するように自発的諸活動を組織する学習指導 |
課題 | 特定の題や問題を与えること、また、与えられた問題や任務 |
問題 | 答を求めるための問い。批判や論争、研究の対象となる事柄。心にとめたり取り上げたりすべき事柄 |
発問 | 教科内容の自主的,共同的獲得に向けて提出される問いかけ 質問;教材に関する既習知識の再生・再任を目的としている 発問;教材を経験によって一般化、演繹させると共に、その分化を目的とする |
学び合い | 教え合い、高め合い、広げ合い、認め合い |
教授法 | 提示的教授法、課題解決的教授法、問答的教授法 |
補充的な学習 | 子どもの理解や習熟の状況等に応じて、学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容の定着を図るための行為 |
ゆさぶり | 子ども自身に自らの認識、解釈の一面性や弱さ、不十分さに気づかせ、より高い次元へ発展させていく教科内容の本質への方向付け |
グループでの話し合い | 4人・発表者はあと決め・発表ボード・根底は学級経営 |
見える化 | 企業では問題を見えるようにすること。意欲化・進度把握・明確化・理解促進に効果大 |
ゲストティーチャー | 事前相談、展開の主は教師、3回の法則 |
授業力(志水廣) | 授業力=教材把握力×子ども把握力×指導技術力×精神エネルギー →教材把握力;教材研究力・教材開発力・授業計画力 →指導技術力=授業展開力;発問・指示・説明・板書・応答等で即時対応をし授業を展開 |
社会科授業力の三要素 | @ 社会科の目で子どもを理解する力(児童・生徒観)、A 社会科の基礎・基本を押さえた授業構想力(教材観)、B 子どもの側に立った授業展開力(指導観) (安野氏) |
社会科の授業構想力を身に付ける7つの方法 | @ 学習指導要領のキーワードを読み解く力量を身に付ける、A 指導案を読み解く目を磨く、B 学習内容を構造的にとらえる力量を高める、C 教材を開発する力量を高める、D 授業のイメージを思い描く力量を身に付ける、E 考える力を育てる授業を構想する力量を高める、F 多様な表現活動を工夫する(安野氏) |
社会科の授業展開力を身に付ける7つの方法 | @ 心を引きつける導入、A 思考を深める発問、B 子どもを動かす学習形態、C 実感・納得してわかる体験と実物活用、D 活動と学びをつなぐ板書の構造化、E 学力を高めるノート指導、F 既習を生かす教室環境(安野氏) |
読む力・書く力を育てる7つの方法 | @ 多様なテキストを読む機会の充実、A 自らテキストに働きかける状況や場の工夫、B 資料(情報)を読み取る技能の段階的な指導、C テキストを評価しながら読む力を高める工夫、D 書く学習量の確保、E 自分の考えを簡潔に表現する力を高める工夫、F 学び取った知識や力を活用した表現活動の工夫 (安野氏) |
補充・発展学習を生かす7つの方法 | @ 学ぶ習慣を身につける補充、A 転移力を育てる発展(深化・拡充・応用)、B 学ぶ意欲を高める発展、C 総合的な学習の時間につなぐ発展、D 現代の教育課題に挑む発展、F 補充・発展学習の時間を生み出す (安野氏) |
発展学習のねらい | @ 社会生活を営むために必要となる知識(内容知)をより豊かにする A 社会に対する見方や考え方を自ら獲得していく諸能力(方法知)をより確かなものにする B 社会科で学んだ知識・技能などを実社会・実生活に生かそうとする態度やそれらを活用する力(実践知)を成長させる |
発展学習の留意点 | @ 前提に、基礎・基本の学習の充実がある A 学習指導要領に示す社会科の目標や内容の趣旨から大きくはずれない B 子どもの負担加重にならない |
資料読み取り能力 五段階系統表 片上氏による |
@ 資料そのものの輪郭を押さえる力;タイトル、年、作成者等 A 資料の内容の全体の様子を読み取る力 B 資料の内容を分析的に読み取る力;虫の目で見よう C 資料の内容を批判的に読み取る力;比較読み、つなげ読み、問いかけ読み、仮説読み D 資料の内容を総合的に読み取る力;内容の整理、社会的意味の付与など |
年表を読み解く5つのポイント | @ どの時代のいつ頃の出来事か等、歴史上の個々の出来事や歴史の流れを的確に読み取る A その出来事の中身(内容)を詳しく知ることができる関連資料はどこにあるのかを見つけて、足りない知識を補う B その出来事よりも前の出来事と比較し、何がどう変わったのか(変化)を読み取る C そうした変化はなぜ起こったのか(原因や背景)に目を向ける D その出来事によって変わったこと(結果や影響)に目を向ける |
改訂のポイント | |
改訂の趣旨 (原田智仁) |
授業時間の削減をふまえ、事例を通して学び方(方法知)を身につけさせる学習論から、基本的な概念、すなわち見方考え方(内容知)を、言語活動を通して確実に習得される学習論へ転換した |
充実すべき学習内容 | 世界、社会経済システム、伝統や文化・宗教、社会参画 |
公民5つの改善ポイント | @文化に関する学習、A法や金融に関する学習、B見方や考え方の基礎を養う学習、C諸問題を考察する学習、D概念を活用する学習 |
旧公民の内容 | (1)現代社会とわたしたちの生活 (2)国民生活と経済 (3)現代の民主政治とこれからの社会 |
新公民の内容 | (1)私たちと現代社会 ア 私たちが生きる現代社会と文化 イ 現代社会をとらえる見方考え方 (2)私たちと経済 ア 市場の働きと経済 イ 国民の生活と政府の役割 (3)私たちと政治 ア 人権の尊重と日本国憲法の基本原理 イ 民主政治と政治参加 (4)私たちと国際社会の諸問題 ア 世界平和と人類の福祉の増大 イ よりよい社会を目指して |
公民・見方や考え方 | ○ 社会認識のための知的方法、時に認識した内容(土井による) ○ 政治的、経済的な諸事象をとらえる概念的な枠組み。対立を克服してと合意を図る。その判断基準としての効率と公正が現代社会をとらえる基本概念。 「効率」;社会全体で無駄を省く、「公正」;手続きや機会、結果についての公正 |
概念を活用する学習 | 分野全体を通して、習得した知識を活用して、社会的事象について考えたことを説明させたり、自分の意見をまとめさせたりすることにより、思考力、判断力、表現力等を養うこと。また、考えさせる場合には、資料を読み取らせて解釈したり、議論などを行って考えを深めさせたりする工夫をする |
活用の学習内容 (言語活動の充実) |
「解釈」:なぜ存在しているのか、どのような意味や意義があったのか 「説明」:“特色の説明”比較を通して明らかに、“関連”原因-結果、目的-手段、他地域との関連 「論述」:あることについて自分はどう考えるのか(根拠を挙げて論理的に記述) |