(1)被災時に在校する中学生の対応
(2)被災時に在校する高校生の対応
(3)心のケア
(4)防災モデル校
(5)公共建築物の耐震化計画
(6)浜名湖直下での地震活動
(7)サイレントタイム
(8)航空管制
○浜井
 中学生について、被災時点で学校にいた場合、学校は基本的に1次避難地か2次避難地かどちらかになっていますから住民が避難してきます。住民の中には避難するに当たって助けを必要とする人もいます。そうした場合に、現場へ支援に出して欲しいという意見もあります。中学生をそのまま学校に避難させておくのかということについてどうのようになっているのか聞いておきたいと思います。

○浅羽教育委員会事務局参事兼高校教育課長
 被災後、中学生をどういうふうにするのかということでございますが、これは高等学校にも共通いたしますが、被災後の状況を判断いたしまして非常に被害が大きい、無事に家に到着できるかどうか危ういと判断される場合には、学校にとめ置きます。また、被害が部分的であり、保護者等が学校に出迎えに来られるような御家庭につきましては、保護者の方に引き渡すということになります。また被害がごく一部で集団で下校することが可能であると判断できました場合には集団下校を促すなど、各学校の置かれている地域の実情、被災の状況に応じて柔軟に対応するように各中学校、高校で計画をしています。

○山本教育委員会事務局参事兼教育総務課長
 今の説明に付け加えさせていただきますと、基本的に中学校、高校など、学校での防災訓練におきましては、自分の生命を守るという形で避難をし、その後、状況によって今課長が説明いたしましたように帰宅するか、あるいは非常に状況が厳しい生徒の場合には学校で対応していくという形になります。ですから、救助活動等の活動については地域に戻ってからという形になってくるかと考えています。

○浜井

 
校長の判断ということになるわけですね。新潟県中越地震の場合は、特殊な地盤状況ということもありますけれども、どこもほとんど余震が来ているわけです。しかも震度5あるいは6ぐらいの余震が来ています。東海地震も必ず余震がある。そうすると校長は絶対学校から出さないのではないかと思います。
 もし万一出して、家に帰って一生懸命手伝おうという途中で二次災害に遭ったりすれば、これは校長の判断のミスだということになりますから。だから恐らく学校にとめ置いてしまうんだと思います。これは義務教育である中学生の場合です。
 高校生の場、要するにこれも校長判断になるわけですかね。帰宅せよというのか、助けに生きいというのか、それとも高校にとめ置くか、ここが間題になってくると思われます。高校生についてはどのようなマニュアルになっているのかを教えてください。

○山本教育委員会事務局参事兼教育総務課長
 高校生、あるいは中学生の対応ですけれども、帰すか帰さないかの問題で校長の判断が非常に難しい部分があるのではないかというお話がございました。高等学校においては地域に帰すということが基本になるかと考えております。ただ、小中学校においても先ほどもちょっと御説明しましたように防災教育推進のための連絡会というのを地域で開いております。そこに校長あるいは教頭、学校関係者が出ておりまして、そして自主防を含めまして地域の声を聞く機会があります。そういう中で、「むしろこの小学校では地盤が非常にしっかりしているから子供を迎えに行くまではぜひその場に置いてくれ」とか、いろいろそういう地域の要望がございます。実際にはそういうものを受けて校長が判断をしていく形になるかと考えております。

○浜井
 被災後、被災者は避難地に指定されている学校へ行くわけですね。そうすると今問題になっている「心的な外傷性ストレス」というものがあります。
 圧迫障害だとか強迫観念だとか。お年寄りを含めた社会的弱者が、そういう心の傷を負って避難所へ来るわけです。
 するとそれに対するソフト面のケアをする人材が必要になります。そうした資格を教員が持っているのか、またはそうした資格を持った人材を、避難所に十分配置できるのかという問題がありますがそうでしょうか。

○山本教育委員会事務局参事兼教育総務課長
 心のケアの間題でスク−ルカウンセラ−の配置については、やはり中学校に配置という形で、小学校には配置してございません。これにつきましては、中心はやはり子供たちの心のケアということで考えております。
 それから、心のケアの間題では、中学校等にスク−ルカウンセラ−が配置されております。子供たちの心のケアについては、スク−ルカウンセラ−を中心として対策を考えていくことになります。

○浜井
 心のケアについては、さっき言った高齢者とか社会的弱者の場合は確かに健康福祉部の所管だけれども、所管がここに来てないんですね。医療室長では答えられないということです。
 先ほども全部の小学校、中学校にはないとこういうことでしたが、一次避難地はほとんど小学校ですからね。二次避難地は中学校というところが大半だと思いますが。そういう意味ではやっぱり十分な配置がなされないような気がしてならない、そういうように思いますが、これは私の意見ということにしておきます。。
 防災モデル校の報告がありました。相良高校については14年、15年でもう終了しているわけですよね。そうするとこの相良高校で2年やったモデル事業の成果と反省点というものをどのようにまとめてあるのか、できたらそれを教えて戴きたいと思います。そういうものを踏まえて三島南高校と浜松湖東高校が16年、17年とモデル校として実践していると解釈ができるわけですが、その点についてはどうでしょうか。

○山本教育委員会事務局参事兼教育総務課長
 最初に相良高校のモデル校としての成果、それを踏まえてどういう対応をして次のモデル校に受け継いでいるのかという御質問にお答えします。
 相良高校においては、自らを守る力の育成、それから地域をつくる力の育成、地域を支援する力の育成という3つの大きな方針のもとに取り組んできました。その成果として開かれた学校づくり、すなわち地域の防災関係の方々と連携を結んで防災教育を推進していく必要があるのではないかということと、それから生徒の防災意識の向上ということで、9月の防災訓練には90%、12月の地域防災の日には50%の生徒が訓練に参加するなど、意識の向上が見られたという成果がありました。
 それを踏まえまして、現在、三島南高校と浜松湖東高校の2つの高校で、防災モデル校の指定を受けて取り組んでいるわけですけれども、やはり教員も含めたDIGの研修を通じた地域との連携、あるいは地域のことを生徒がよくわかるという、ひいては防災訓練に参加する意識の向上ということを中心に取り組んでいる状況であります。

○浜井
 この資料2ですが、私の解釈が違うかもしれませんけれども、16年4月16日に公表した845施設、3170棟の耐震性調査で、未診断が非診断という形で用途廃止等が進んでくれば、平成17年には数字が減っているはずなんです。ところが増えているんです。施設が3施設増えて棟数で言うと15棟増えている。それで今度は4ぺ一ジに行くと、3ぺ一ジの耐震補強を実施する場合の方針、ここで表2というふうになっています。表2を見ると、この数字がまた違うんですね。例えば災害時の拠点となる建築物は、16年時点では1,209箇所、17年では1,200箇所、だけどここへ来ると1,213箇所という数字になっている。これは一体どういう基準でこの数字が出てくるのかということを説明して戴きたい思います。

○岩田総務部防災局防災情報室長
 資料2の公共建築物の耐震化計画の策定ですけれども、まず2ぺ一ジの平成16年4月26日公表時の3,170棟、それから今回、今年3月31日現在の3,185棟の差でございますけれども、例えば東部看護専門学校でありますとか、清水西高等学校の武道場でありますとか、平成16年度新築のものが17棟ほどあります。
 それから下田北高校でありますとか各学校で、従来はリストの公表の対象ではない倉庫等に使われていたものが、新たにクラブの部室なんかに使われるというふうに用途が切りかわったために新たにこのリストに追加したものが43棟あります。それから逆に用途が廃止されたり解体された建物が18棟ありまして、その増減の結果として3,170棟から3,185棟と、15棟増えたということです。
 それから4ぺ一ジの、災害時の拠点となる建物1,213棟ですけれども、昨年4月26日の公表時に災害時の拠点となる建物は1,209棟でした。これが耐震化計画を策定する途中段階で、もともと他の用途であったものが、拠点となる建物というように用途の見直しがありまして、若干全体の区分の中で変更がありました。
 その結果、ト−タルとしては3,170棟で変わらないんですけれども、4棟ぱかり災害時の拠点となる建物として用途が変わったものがありまして、ちょっとわかりにくくて申しわけございませんけれどもそういう数字の見直しがありまして、今現在の数字です。
それから補足ですけれども、現在、3,185棟の耐震性能のリストがあります。これについては今年度末までに新たに耐震化計画を示していく形になると思いますのでよろしくお願いいたします。

○浜井
 次に、6ぺ一ジに浜名湖直下で通常より活動レベルの低い状態が続いているとこう書いてあるわけです。スロ−スリップが起こっているわけですね、もう2、3年前から。そういうことでしょう。そうすると活動レベルが低いという表記の仕方、これはどういうことなのか。固着域だからくっついて動かないというのが通常レベルだと思うんです。それがゆっくり滑りということになると、この表記の仕方が理解しに'くいなと思います。

○岩田総務部防災局防災情報室長
 スロ−スリップの関係ですけれども、資料の6ぺ一ジ、5月31日地震防災対策強化地域判定会の定例会の打合せで出されたコメントをここに掲載しました。
 少し内容がわかりにくいということで、ちょっと私の方から補足をいたします。フィリピン海プレ−トが東から西へ潜り込んでおります。ちょうど静岡県の駿河湾から西の浜松、それから愛知県の東部にかけてプレ−トの境界がずっと地下に潜り込んでおりまして、その深いところ、要するに静岡県の西部から愛知県の東部にかけてのおおむね深さが30キロ前後のところがちょうどプレ−ト境界に'なっております。ただそこ.はかなり圧カが高くて、温度が高い領域ですので、通常ですと岩盤と岩盤が固くひっついているんですけれども、その領域では少し最近ずるずるずるずると滑り始めているということが指摘されている。それがいわゆるスロ−スリップという現象です。
 ただ、全体としてそのずるずる滑っている領域の周辺では、実は固く岩盤がひっついておりまして、ここで通常より活動レベルが低い状態というのは何を心配しているかといいますと、岩石が破壊する前には岩石同士が非常に固くひっつく状態が出てくると。そうしますと普段でしたら小さい地震も時たまぽつぽつぽつぽつ起きているんですけれども、そういった小さい地震活動すらほとんど起きなくなるというような現象が実験室なんかでは観測されております。そういったことがひょっとしたら浜名湖の地下で起きているんじゃないかという懸念もありまして、判定会ではずっと地震活動を監視しているところです。その2つがちょっとわかりにくい表現になっておりますけれども、いずれにしても地震発生の直前現象として非常に重要な現象ですので、毎月の判定会の定例会では非常に慎重に議論されている現象です。

○浜井
 それから7ぺ一ジについてです。この間の訓練を見せてもらいましたし、ヘリコプタ−もネットワ−クで全国からやってくるということですが、この資料にサイレントタイムの設定とあります。これは例えば病院の近くにはヘリを飛ばさせないとかそういう意味のサイレントタイムなのか、この意味を教えて戴きたいと思います。

○前田総務部防災局防災政策室長
 サイレントタイムの設定は国が東海地震応急対策活動要領を策定したときに、関係都県が救助活動を行う機関と相談の上、サイレントタイムの設定をすることが望ましいという方針を明確にいたしましたので、私どもで受援計画を策定する時にそれを方針として取り入れました。
 具体的には、ヘリコブタ−の飛行を、何時間なのかというのは今お答えできませんけれども一定の時間、すべてとめて、建物の下敷きになっている人たちの物音を把握するという行為でありまして、私どもとしては国の方式にしたがって、ぜひそのような方向で実現していきたいと考えております。

○浜井
 それからもう一つ、防衛庁や陸上自衛隊第34連帯から戴いた資料によれば、自衛隊は400人とか600人とか、個々に記載されているこんな数字じゃない。1次、2次、3次、4次と、5ヘリコプタ−、飛行機、輸送機などが入ってきます。そうした時の航空管制、これはどこが担当しますか。ここまで逼迫してきていると、単に県が定める安全運航確保マニュアルぐらいなものでは間に合わないわけです。それに対してどのように対応を考えているのか伺います。

○松永総務部防災局災害対策室長
 発災時の航空管制についてであります。発災時、自衛隊だけで第1次から第4次まででありますが、県内の部隊を含めて3万7千人が静岡県に入ってきます。このほか、消防、それから海上保安庁、警察等のヘリコプタ−、航空機が静岡県内に入りますので、正式には航空管制は浜松基地、静浜基地、それから移動系の航空管制を考えております。
 なお、資料4にあります静岡県空域における航空機の安全運航確保マニュアルというのは、これは実は自衛隊と防災関係機関連絡会議の中で、自衛隊、海上保安庁、消防庁、警察、それから最後に国土交通省の権限でありますが、静岡県の中で例えば高度設定をしましょう、例えば取材のヘリは何メ−トルから何メ−トル、荷物を搬送するのは何メ−トルから何メ−トル、それから上空偵察を行う時は、河川を右側に見ていつも飛行するようにとか、そういうル−ルを決めまして、航空自衛隊にメ−ンになっていただいて、静岡県が被災した時の静岡県内のル−ルづくり、これをもちまして国土交通省のOKをもらいますと、いざ発災した時に、例えば報道の方はこの周波数でこの基地へ行ったら指示をもらってください、高さ制限はこうですよ、飛ぶときには右側通行ですよと、そういうル−ルを定めるという作業に今入っておりますので、ここでの正式な航空管制は基地にお願いしますけれども、ここはル−ルでございます。

○浜井
 わかりました質問を終わります。、

地震対策特別委員会
17年6月15日開催 質問