(1) 被災後自衛隊による道路整備
 (2) 自衛隊による仮架橋工事
 (3) 建築基準法と県の指導構造基準
 (4) 国の認定プログラムソフト
 (5) 耐震強度偽装の恐れある建築物の把握状況
 (6) マンション管理組合
 (7) 耐震相談窓口の対応
 (8) 耐震補強における建築基準法の弾力的運用
 
○浜井
 この地震対策アクションプログラム2006に基づく被災後の道路整備計画についてです。で被災後の道路の確保というのは大事だと思いますが、前回資料では、整備率100%にはとても届いてなかったですね。
 そこで、自衛隊です。自衛隊法第8章の雑則の中に、「土木工事等の受託」という項目があります。要するに、県とか、市町では整備し切れない部分について、工事を自衛隊にゆだねるというようなことは検討したことがあるのかどうか、工事費の精算はどういう仕組みになっているのかということについて伺います。

○藤原土木部道路整備統括監
 
災害後の道路の復旧につきましては、県と建設業協会との協定を結んでおりまして、それで対応する方針でおります。したがって、自衛隊の活用については、今のところ検討しておりません。
○松永総務部防災局災害対策室長

 自衛隊と土木工事の関係でございますが、私が自衛隊に研修に行ったときに、例えば食料でかかった経費、野菜、肉、それから米、光熱費、水道、すべてを後から都道府県に要求するということでした。
 災害が起きたときには、知事と自衛隊との間で協定を結んでくださいということになっています。当日ではなくても、後でも協定になりますので、すべてを請求するということで、例えば土木工事で機械を使ってのガソリン代、人件費はこないと思いますけれども、かかった費用はすべて自衛隊から県に請求が来るものと思われます。

○浜井
 自衛隊の装備ですが、自衛隊には橋を架けるような機材を持ってるんですね。蛇腹付きブルド−ザ−みたいなやつで、消防車のはしごは上へ上がってきますけれども、あれが真横に伸びて橋になるというようなものを、もう既に保有しているわけです。
 だから、特に川を渡るという工事は、川幅にもよりますけれども、なかなかそう簡単には橋がかからないという前提で、そういう自衛隊の資機材等も勘案しながら検討に値する事例だと思いますがどうでしょうか。

○松永総務部防災局災害対策室長
 自衛隊の仮設橋の話でございますが、9月1日の県の総合防災訓練の中でも、安倍川に自衛隊の装備しています仮設橋を設置する訓練を実際に行っておりますので、自衛隊の方も東海地震に備えて、県内には多数の河川がございますので、その場合の仮設橋の設置は想定の中においていただいているようでござimasu.


○浜井
 次に、今各委員からいろんな意見が出ました耐震偽装の間題です。今までの議論を聞いていてひとつこれはどうかなと思ったのは、静岡県の場合は、建築基準法よりも構造基準を上げているわけですね。そうすると、今いわれている「0,5」とか、「0,7」とかというのは、これは全国レベルの法定数値なのか、静岡県の指導に基づく数値なのかというところは、非常に大事だと思います。そこのところを聞いておき対と思います。

○榊原都市住宅部建築住宅総室長
 県の構造基準についての国の基準との比較でございますが、県では地域係数ということで、全国の基準より2割増しという指導をさせていただいておりますが、いざ法的な問題になってきた場合には、あくまで県の指導基準でございまして、国レベルの基準法の体系の中で動かざるを得ないということで、法的な指導としては「1,0」、「0,5未満」という国の基準で指導せざるを得ません。

○浜井
 5番委員に対する先ほどの答弁の中で、国の認定プログラムを購入するということでした。ということは、今まで認定プログラムは本県は持ってなかったということなのか。あるいは買い増しするのか、ということについて聞いておきたいと思います。
 それから、認定プログラムソフトは、新聞報道によると、これが改ざんされたんですね。だから、縦軸、横軸の数値を入れて、本来なら正しい結果が出てこなければいけないところが、違う数値が出てきてしまうということになると、これはソフトにも間題があるというところだと思います。
 そこが、今、国交省も含めて、加害者と見られる、姉歯設計だとか、ヒュ−ザ−だとか、そっちの方にばかり話がいってますけれども、振り返ってソフトに対するそういった検討をしているのかどうかということについて聞いておきたいと思います。

○榊原都市住宅部建築住宅総室長
 認定プログラムの導入でございますが、これにつきましては、今まではリ−スも所有もしておりませんでした。今回、初めて導入するということでございます。
 ソフトウエアの中身の改ざんということに対して大丈夫かということだと思うんですが、掛川の例ですと、中を改ざんしているのではなくて、計算過程の途中を操作しているということで、建築専門家集団からのレポートも、全部を計算し直して打ち出してみて突き合わせると、どこがおかしいということがわかるんですが、プログラムそのものを改ざんしている方法も全国的にはあるようなんですが、県の場合はそういうことがありませんでしたので、今回もプログラムを導入して、疑いのあるものについては再計算すれば、途中の操作は判断できると考えております。

○浜井
 耐震強度偽装問題では、今は平成設計、姉歯設計、木村建設などというという名前があがっています。それらとの関連があるかどうかということだけですけれども、今、国交省の方では、要するに姉歯以外、木村以外というような名前も実は出てきているわけですね。
 すると、今までの答えの中では、平成、姉歯、木村、総研まで出てきました。民間の建築確認団体のイ−ホ−ムズとか、日本ERIの確認物件も含めてそういう物件を把握しているのかどうかについてお聞きしたいと思います。

○榊原都市住宅部建築住宅総室長
 姉歯関連以外の物件でございますが、一応、関連リストについては洗い出しをしておりますが国からは今、先ほど言いました姉歯、木村、平成、ヒュ−ザ−の4杜についての調査の指示が来ておりまして、現在、うちの方も洗い出し調査を進めている状況でございます。
います。

○浜丼
 国から指示されたものの調査をするほか、県独自で110件やろうとしているわけですから、恐らくこの中には、そういうものが当然入ってきてると思いますね。14年度以降で3階建てで以上で1,000平米以上のマンションとホテルということだけで110件ということですね。
 しかし、この事件というのは、14年度より前から、多分始まっているんですね。そうすると今言ったように、それ以前に本県内で平成、姉歯、木村、総研、イ−ホ−ムズ、ERI、ヒュ−ザ−といったような業者が手を染めたものがあるかどうかというのは、一応、情報として私は収集しておくべきだと思うんです。そうでないと、ずるずるいってしまう可能性があります。だから、こういう問題というのは、一気に解決していく方向に持っていかなければだめだと思うんですが、その点について、もう1回聞いておきたいと思います。

○榊原都市住宅部建築住宅総室長
 関連した業者の洗い出しにつきましては、基準法が変わって、平成11年から、建築計画概要書を建物が存続する間保存しろということになっておりますので、その洗い出しは今進めております。

○浜丼
 それから、マンションにはいちおう管理組合というようなものがあると思います。今は、そうした管理組合が相当動揺している。うちのマンションは大丈夫かということで大変混乱をしていると聞いています。
 そういう管理組合から、県に対して間い合わせがあるのかどうか。あるいは特定行政庁の方にもあるのかどうなのか。そこらの相談件数とか、そういうものは把握しているでしようか。

○榊原都市住宅部建築住宅総室長
 管理組合からの相談件数についてですが、管理組合としての分類はございませんが、11月25日に相談窓口を開設して以降、先週金曜日までに270件の相談がございました。
 主な相談内容としましては、自分の住んでいるマンションは大丈夫か、構造計算とは何かとか、建物の再調査をする際の相談場所はどこだとか、県が調査する110件についてどんなものをやるのかというような相談を受けておりますが、管理組合として具体的にそれを分類するものを今手元に用意しておりません。
 それから、今、「TOUKAI-0」をやってるわけですけれども、これは目標が1万件だったと記憶しているんですが、資料は10月末の数値ですが、11月の発覚以降は、恐らく耐震診断というのは急増しているんではないかと思うんですね。
 
○浜丼
 270件の相談は、事件発覚後1ヵ月ですから殺到ですよね。そうすると、ではその場合に図面チェックとかというのは、それは担当した設計事務所でやれば無料でやってくれると思うんですが、マンションなんかの非破壊検査をやる場合、費用はどのぐらいかかるのですか。非破壊検査をやるという相談があったとき、相談者は不安だから的確に答えてやらないといけないわけですよね。心配なら非破壊検査をやられたらどうですか。こういうところがやってます。費用はこのくらいかかりますというようなところまで用意してやるのが、行政として、同時に東海地震を控えている本県として親切な行政ではないかと思います。 
 そういう対応についてはどのようになっていますか。

○榊原都市住宅部建築住宅総室長
 図面チェックなどについての相談回答ということですが、非破壊検査についてどれぐらいの費用かというのは、ちょっと手元に資料がございません。回答例としましては、4土木事務所に例を示してありまして、基本的には専門家の協会の方に相談してもらいたいと、これは非破壊ではなくて再計算なんですが、再計算をしたいという申し出があったときには、技術的な内容について、建築士事務所協会などの相談窓口に相談してくださいという回答例を用意してあります。

○浜井
 構造計算をするなら建築士事務所協会へというんだけれど、設計事務所を経由して、また電話を聞いてまたそっちへかけ直すというと、直接かけるところはないんでしょうかね。
 それと非破壊検査という方法が壁を傷めずにできるわけですから、それがどこで、幾らぐらいでできるかというぐらいの情報は、私は提僕してあげるべきだと恩うんですが。後手に回っているような気がしてならないんです。

○榊原都市住宅部建築住宅総室長
 相談について、若干、不親切ではないかということで、日々、相談を受けた内容を更新しながら.対応しておりますが、確かにまだ手が回りきれてない部分もありますので、大至急その辺についても検討させていただきたいと考えております。

○浜井
 次に、補強でいいという判断が下された場合、たとえばホテルなんかは部屋の容積率が決められています。すると、例えば補強を入れることによって、基準法を逸脱するような、例えぱ窓の部分に補強材を入れる、そうすると採光面積が減るとかというようなことが必ず出てくる可能性があるんです。営業を前提として部屋を補強する場合。その場合の建築基準法は、この際弾力的に運用してあげられるのか。その点はどうなんでしょうか。

○榊原都市住宅部建築住宅総室長
 補強する場合の基準法の弾力的な運用でございますが、いわゆる56年以前の建物については耐震改修促進法という、基準法をある程度弾力的に運用できる法律があるんですが、今回のような間題については、まだル−ルができてないというか、今のところは基準法しかないものですから、基準法の範囲で指導をしていきたいと思っております。今、弾カ的にということは、ちょっと回答できかねます。

○浜井
 確かに、この前の最高裁ですか、民間の建築確認組織が暇疵ある申請を通した場合に、最終的にそれを指定した自治体に責任があるという判例が出ました。
 すると、今言ったように、56年以降の建物について、基準法を弾力的に運用できない場合、確かに今それについて答えてほしいといういうのは無理なんだけれども、今回の場合は、行政の側にも、構造計算をチェックするような、そういう仕組み、システムがなかったわけですよ。
 だから、構造計算についてせいぜい説明を信じるしかない「性善説」だとというような形で建築行政をやってきていたというところがあります。私は今回の件については、ある程度基準法は弾力的に運用してあげるべきだと思います。そういうことを国に対しても、所管課長会議とか何かあると思いますので、そういうところで、静岡県はこう考えてますとい.うぐらいの意見は、私は言ってもらいたいと思います。
 それは、そこらで置いておきます。今すべて明確な回答を求めようとしても、それは無理なことはわかってますけれども、ただ、今これだけ、世間の最大の関心事ですから、やっぱり静岡県の建築行政が後手後手に回るんではなくて、どこの県よりも真っ先に、静岡県は東海地震の最大の被害県ということを前提に、一番先頭に立って対応していってほしいと思う気持ちの表れととて下さい。 以上で質問を終わります。
地震対策特別委員会
17年12月21日開催 質問