(1)被災後の遺体処理計画について
・火葬施設
・当該施設の耐震診断結果
(2)発生時の民間救助班並びに自衛隊との協力体制について
(3)幼稚園耐震化事業と周辺環境整備について
(4)防災白書に基づく地震発生時の外国人の支援対策について
(5)アクションプログラム策定時の女性の関与について
(6)被害想定における気象状況考慮について
(7)県内エレベ−タ−の地震管制運転装置について
・高層建築物居住者への救援物資支給体制について
(8)アクションプログラムの目標年度について
(9)国土地理院の阪神・淡路地震と中越地震の連動説について
(10)被災後の避難所における女性対策について
(11)私立幼稚園の耐震環境整備について再度の質問
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(1)被災後の遺体処理計画について
・火葬施設
・当該施設の耐震診断結果
○浜井
被災後の遺体の処理体制について伺います。阪神・淡路大震災は、大勢の痛ましい死者を出し.ましたが、あそこは長岡区とか三宮とか西宮とか割合に集中していて、周辺は大阪圏ですから十分、分散して焼却できたんだろうと思います。
私どもが迎えようとしている東海地震というのは、先ほど局長の話のように東南海地震や南海地震と連動する可能性があると、こう言われ始めている。静岡県は全域が強化地域で、静岡県に連なる神奈川県も山梨県も、隣の愛知県も、あるいは四国の方まで関係するわけですね、南海地震の場合は。
すると、遠隔地へ運んで斎場をお借りするということになると、遺体の処理計画というのはもっと真剣に考慮しないといけないと思うんですね。これを見ていると市町ですら19%、広域ということではゼロですね。そうすると、じゃあ今、県内に焼却場がどのくらいあるのかということが一転。そして、その耐震診断はどうなっているのかが問題になってくる。
例えば、浜松で見ますと、これは高温処理してますから炉が早く傷みます。そういうことを考えると、いざとなったときにこの計画が絵そらごとになってしまう可能性があるんですね。
現在、本当に幾つあって、どういう対応ができるのか。これは、検視班をつくるわけですけから、警察の方ともかかわってきますが、検視してもそこから先へさてということになる可能性があるんですね。斎場の数をどう把握しているのか。あるいは、耐震診断の結果をどのように把握してるのか、これを教えていただきたいと思います。
○前田総務部防災局防災政策室長
初めに遺体処理のことですが、基本的に遺体の処理に関しましては市町が自主防災組織、自治会、讐察等の協カを得て身元を確認した後、必婁な処理を行うということで、市町の責務になっております。もちろん市町村も職員に限りがありますので、その場合には県に支援要請をして、我々県の職員がその支援に行くということになっております。
そのあたりを考えますと、実際、非常に多くの遺体処理が本当にできるのかというのは非常に難しい間題だと思います。そういうことを考えますと、まずやはり第一に遺体処理計画をまずつくってしまうということが一つだと思うんですね。
次は、それを踏まえて、体制が取れてるかを検証して訓練をすると。正直、こういった遺体処理の訓練を県の職員がやってるということは、もちろんございませんので、そういうことも考慮しながら対応を図っていきたいと思います。
それから、火葬施設のお話があったんですが、実は火葬施設の耐震状況の把握をしてません。把握してるものだけ言いますと、予定遺体収容所が、県内で308カ所、そのうち268カ所が寺院です。もう、ほとんど寺院ということです。耐震性につきましては寺院の場合はほとんどないということですが、建物の中ではなくて、その敷地ということで入っております。
遺体処理計画をつくる過程では、ここをもう一度整理しないと絵にかいたもちになると思いますので、ここは精査していきたいと思います。
それから、広域火葬の件ですけども、これはまさに委員御指摘のとおりで、非常に間題が大きいわけですので、アクションプログラムでも2年以内に健康福祉部で広域活動計面をつくるとなってますので、これはもう着実にやってもらうということしか、今の段階ではお答えできないということでございます。
遺体収容所についていての再答弁
○前田総務部防災局防災政策室長
遺体収容所の件ですけども、ちょっと乱暴な答え方だったので詳細を答えさせていただきます。
予定遺体収容所を選定しているのは30市町です。先ほど申し上げました308というのは、30市町で308というふうに言えなくて申しわけございません。30市町で308予定をしておりまして、そのうち寺院が268で、その268の寺院のうち耐震性があるのが3です。
そのほか、308の内訳ですけども、学校・体育館が13、このうち耐震性があるのが6です。斎場、葬儀場が7で耐震性があるのが4です。公民館等は21で、耐震性があるのが14、これは比較的高いです。あと、公園、車庫その他が5に対して耐震性があるのが4ということですが、やはり寺院が多い。しかも、この寺院が圧倒的に建物に関しては耐震性がないという現状がありますので、その部分に関して検討が要るというのは私も十分承知しております。
○浜井
遺体を運び込むのにうろたえながら運んでいくというんじゃあ、生きてる人も浮かばれないわけですよ。だから、これはしっかりと計画を、市町を含めて再構築をすべきだと思います。
(2)発生時の自衛隊との協力体制について
○浜井
次に、阪神・淡路人震災のときに自衛隊の出動が遅れましたけども、自衛隊が救出した負傷者は恐らく200人以下です。消防団が700人ぐらい。警察は、その当時は交通整理とか、そういう方向へ行ってましたので、救助班ができたのはその後です。だから、警察は恐らく人命救助というのは、ほとんどしていないはずです。
それで、各地の消防団が恐らく800人ぐらい救助したと、こう言われてます。そうすると、いわゆる制服組が助けた人命は全部で2、000人足らずですよね。重症者は、恐らくあのときは25万名ぐらいいましたが、じゃあ誰が助けたかというと、やっぱり近隣の人、近くの人たちだったと私は思います。
そういう意味で、静岡県は全国で、北海道に次いで2番目に自衛隊の部隊の展開が多い県ですから、もっと自衛隊との協力関係を構築すべきだと思ってます。本県の防災調整監も自衛隊から来てますし、それは、ぜひお願いをしたいと思います。
そうした中で、特別救助班が2隊20人というこの数字では、この380万県民の被災状況に対応するには、余りにも少ないかなと。これは定員.その他の間題がありますから、これが精いっぱいだろうと思いますので、自衛隊のカをもっと借りるということが必要だと思います。その点についてのご見解を示してください。
○中嶋総務部防災局災審対策室長
自衛隊との連携についてお答えいたします。委員御指摘のとおり、大規模災害時に的確な災災害応急対策等を行うためには、自衛隊との連携が不可欠でございます。このため、県では自衛隊との会議を開催するなど連携の強化に努めております。
具体的には、静岡県指揮官会議、これは県知事、副知事、防災局長等、本県の幹部と本県に所在します白衛隊の指揮官が一堂に会しまして災害対策について話し合って、相互の連携を強化する目的で年に1度開いております。
それから、静岡県及び自衛隊等の防災対策連絡会議ということで、平常時から本県と自衛隊が的的に連絡会議を開催し、情報交換等の相互の連絡体制の確立を図るため、これは防災局長以下の県の幹部と陸上自衛隊の34普通科連隊長等で構成しておりましてこの委員会を年1度、幹事会を年2回、開催しております。
このほか、委員からも御指摘のございましたように、平成15年8月から県の災害応急対策の強化と自衛隊との連携強化を図る目的で、白衛隊OB1人を防災局災害対策室に防災調整監として配置しております。
また、もちろん各種総合防災訓練ですとか、地域防災訓練など、各種訓練の実施に際しましては、県内に基地や駐屯地が所在する陸上・航空自衛隊のほか、災害時に静岡県を担任区とする海上白衛隊横須賀地方総監部などが参加した訓練を行いまして、実際の惰報交換とか連携等の検証、調整を行っているところでございます。以上でございます。
(3)幼稚園耐震化事業と周辺環境整備について
○浜井
それから、幼稚園の耐震化率の関係で、県単事業で私立の幼稚園に補助を出し始めたというのは、これは大変すばらしい事業だと私は思います。
ただ、私立の中で見ますと幼稚園が70,2%で整備率一番低いんですよ。小中高は72,2%、専修学校に至っては87,3%、これは分母が小さいからこういう数字になってくると思うんですが、大きな揺れがあって、立っていられないときに一番ろうばいをし、一番保護してやらなきゃいけないのは幼稚園児ですよね。それが遅れている。予算上を見ると確かに要望はすべて充足させていますが、実はこれ園舎だけなんですね。
私、かつて、例えば山を背負ってるから山崩れの防止策をしてほしいと、あるいは大きな塀があるから、これを補強してほしいといってもこの対象になってないんですよ。園舎だけということになると、園舎の中にいるという想定なんです。
幼碓園児というのは.外で遊んだりお遊戯したりしてますから、そういう周辺の環境整備も含めた補助が私は必要だと思います。特に少子化杜会の中で、これから日本を背負って立つ、こういう幼児を私はもっと大事にしていただきたいと思います。
また、私立学校の耐震化事業を5年間延長したということですけども、これに加えて周辺の環境整備にも少し目が向かないのかなということについて、お答えいただきたいと思います。
○内山総務部私学振興室長
私立幼稚園の関係で園舎の整備に加えて周辺の環境整備及び園児の安全確保という点をどう考えるかということについてお答えします。
まず、園舎の件ですけれども、委員御指摘のとおり5年間の制度延長を図りまして、引き続き実施していくこととしております。そのほかに耐震化促進法の改正もありまして、助言やら、場合によっては公表だということがありますので、これは強制になってしまうかもしれませんけども、そういった手段を使いながら、なるべく早期に園舎の整備につきまレて進めていきたいと考えております。
そのほか、県と国の補助以外に幼稚園振興協会等の貸付金につきましても、できるだけ低利の融資制度を活用するなど、いろいろ方法があるかと思いますので、そういった方法の活用も促してもらいたいと思っております。
それから、施設以外の園にいる間の安全確保につきましては、幼稚園でも夏の防災訓練でありますとか、地域におきます防災の日におけるいろんな活動でありますとか、いわゆる災害になれる環境でありますとか、.そういったことについても、取り組みを園側に促していきたいと思っております。
それから、周辺の状況ですけれども、がけを背負っていますとか、そうしたことにつきましては、他部局との関係もありますので、例えばがけ、急傾斜地の崩壊対策事業の活用でありますとか、そういったことにつき.まして、地元の市町、あるいは県への要望ということで対応になると恩います。
そういったことにつきましても、対応が可能ならばしていただけるように、お願いもしていきたいと思っております。
それから、通園途上ですけれども、今、ほとんど園バスで通ってこられる方が多いかと思います。ですので、例えぱ周辺のブロック塀の閥題などは、ほんとに近くの歩いてくる子が関係してくるかと思うんです。そういったところにつきましては、やはり地元のコミュニティの間題として、幼稚園もコミュニティの一員として、その中に入ってい.くような格好ができれば少しは進んでいくのかなと思っております。以上です。
(4)防災白書に基づく地震発生時の外国人への支援対策について
○浜井
それから、2006年の防災白書が閣議決定されて、まだ日が浅いですが、この中には災害弱者対策と外国人対策というのを重点化しようと、こう書いてあります。
そういう中で、アクションプランの14ぺ一ジですか、外国人の情報提供体制の整備というのがありますけども、情報提供は6言語となってますね。だけども、ボランティアによる防災支援体制の充実強化というのは、登録数1、500人となっています。6言語で1、500人と読むと、8万人余と外国人の多い本県の外国人対策にはならないだろうと思います。
このアクションプログラムをつくった時点と、防災白書が出た時点とではタイムラグがありますから、これはしようがないと思いますけども、国がこれを2006年度の白書として計画を出してますから、やっぱり合わせていくべきだと、もっと急いで追っかけていくべきだと思いますが、どのように考えてますか教えてください。
○岩田総務部防災局防災情報室長
2006年の防災白書で御指摘のある外国人への支援、災害弱者への支援についてであります。まずアクションプログラムにおける外国人への情報提供体制として、目標が6言語では生ぬるいじゃないかということであります。今、私ども地震防災センタ−のホ−ムペ−ジ等に順次、外国語のぺ−ジをふやす努力をしております。昨年度ブラジル語、ポルトガル語、英語のホ−ムペ−ジを開設いたしました。
今年度、中国語とスペイン語のホ−ムペ−ジを開設しようということで、今、準佛を進めている段階でございます。登録者数の比較的多い方々の言語から順次、ふやしていこうと考えています。
それから、国際室の取り組みでありますけども、いざ災害時に日本語をしゃべれない外国の方に被災地でいろいろ情報提供したり、御案内したりということで、どうしても日常の通訳が必要な方々がおられます。昨年度までの取り組みで、現在5カ国語の言語で通訳のボランティアの方々の研修が実施されておりまして、150人余の登録者数を今、抱えていると聞いております。
いずれにしても、今、約8万8千人ぐらいの外国人の方が在住してまして、県の人口に対して2,3%ぐらいになります。昨年度の防災訓練などの呼びかけで、例えば12月の地域防災訓練の際に、外国人の方にもぜひ地元の訓練に参加していただきたいということで呼びかけをしておりましたけども、実際の訓練参加者が県民56万人のうち外国人の方は770人余ということでした。
先ほどの登録者の数に比べるとまだまだ少ない状況でありますので、今後とも災害時に支援が必要だという概念から、外国人の方々についても積極的に防災のいろんな取り組みに参加できる機会を、私どもとしても御提供しながら取り組んでいきたいと考えております。
(5)アクションプログラム策定時の女性の関与について
○浜井
それから、災害弱者と言うと、確かに身体的な障害を持った方と想定されますけども、このアクションプログラムの策定において、女性委員がどういう関与をしたのか。また、女性委員の身分といいますか、大学教授とかそういう方が大概入ると思うんですが、その策定の際の女性の参加状態。それから、意見がどのくらい出されたのか、どのように反映をしたのかという資料があれば教えてください。
○前田総務部防災局防災政策室長
アクションプログラム策定にあたって女性の関与はということですけども、アクションプログラムの作成は私ども防災局と各部局とで事務的に詰めまして、その後、地震対策推進幹事会といって、主幹、総室長を集める会議、それから知事に招集をいただく推進会議である部局長会議、こういう形で固めたものです。審議会とか、そういった形ではありません。県職員の集合でできていますので、恐縮ですが、特に女性という観点での関与というのはありません。個ヵのアクションの過程の中で、女性職員が大幅に関与したところもあるのかもしれませんが、そこまでは仕分けしておりません。
(6)被害想定における気象状況考慮について
○浜井
次に9番委員の質問に関連しますけど、被害想定の関係で地震はっ差発生がなぜ冬の5時なのかというのがありました。私は春・秋の12時という設定も、それなりの意味があると思うんですが、春・秋の12時ということになると、実は被害想定が下がるんですね。すべてではないんですが。
人的被害について、予知なしで見てみますと、春・秋12時は建物倒壊、津波、山がけ崩れ、これすべて被害が下がってきます。火災とその他については上がってますけどもね。
例えば今回の沖縄のマンションですか、あれも要するに大雨、豪雨によるがけ崩れですね。それから、去年あたりから台風の日本本土上陸数が、過去の2倍以上になってます。 そうすると、この被害の数値には、春の大雨、秋の台風ということが考慮されてないんじゃないかと私は思うんですけども、要するに気象状況の変化というものに対する数字的な配慮というものはどのようにされたのか、これを教えてください。
○岩田総務部防災局防災情報室長
被害想定の関係で、春・秋の12時になると被害が下がるというのは、実は昼間になると家の中にいる方よりも外に出る方の方が多いので、建物の倒壊による圧死者が非常に率として大きいもので、そういった関係で被害が少し少なくなっております。
それから、気象条件を考慮してるかということですけども、実は台風でありますとか、降雨でありますとか、そういう特殊な気象条件については、現時点ではまだ考慮しておりません。唯一考慮しているのは、風速5メ−トルという、少し風が吹いてるところで被害が発生した時にどうなるかということを考慮しております。
地震と風水害が複合的に起きるということも当然事象としてはありますので、今後の研究テ−マとして課題とさせていただきたいと考えております。
(7)県内エレベ−タ−の地震管制運転装置について
・高層建築物居住者への救援物資支給体制
○浜井
最近シンドラ−社製が一番多いんですが、シンドラ−だけじゃなくてもエレベ−タ−事故が起こってます。首都圏で今年震度5強の地震がありました。死者等の人的被害はないんですが、停電でエレベ−タ−がとまったのが5万台です。
首都圏で震度5強の地震で、復旧に丸2日間かかったということなんです。それにあわせてシンドラ−製エレベ−タ−のたび重なる事故ということを考えると、このエレベ−タ−対策というものをきちんとすべきだと思うんですね。
例えば振動を感じると最寄りの階にピタッととまるという装置があるんですね。この装置をつけている県内のシンドラ−杜製のエレベ−タ−が何機あるかというのが、何かどこかで出てましたので、この緊急停止装置機能を設置したエレベ−タ−が何機あるのかお伺いします。多分これは都市住宅部の範疇だと思うんですが、これを把握してるかどうか教えてください。
それから、エレベ−タ−がとまってしまって、多少傾いたりすると、非常階段を使えるかどうかわかりませんけども、高層階でエレベ−タ−も使えない、非常階段も使えないといった場合、救援物資をどうやっで搬入するかというようなことについて想定されているのかどうかについても教えてください。
○鈴木都市住宅部建築住宅総室長
エレベ−タ−の地震対策ということでございます。まずエレベ−タ−の地震対策につきましては、平成元年に公共施設におきまして県の建築施設の地震対策指針というものをつくりまして、これ以降、県有施設については地震時管制運転装置をつけております。
それから、平成8年3月に県の建築基準条例を改正しまして、県内の確認対象物件、これは条件がございまして、引階以皿ヒ、または高さ15メ−トル以上の階に着床する常用エレベ−ター−び寝台用エレベ−タ−について、県の条例がかかるというような状況になっております。
県内全体でエレベーターがどれぐらいあるかといいますと、各家庭についておりますホ一ムエレベ−タ−は除いていますが、通常の常用、寝台用、それからエスカレ−タ−を入れまして1万1千台強くらいあるんです。エスカレ−タ−が1,100くらいですから、それを引いていただければ約1万台くらいと見ていいと思うんです。そのうちの地震時管制運転装置の設置率は72%でございます。
ちなみに全国平均につきましては60%ということで、12ポイントほど静岡県は高いというような状況になっております。
それから、もう1点、エレベ−タ−がとまって階段も使えない場合の救援物資の対策を何か想定されてるかというようなことでございます。基本的にはそこまでは想定しておりません。ただ、建築物の設計の考え方として、建物の規模だとか用途等によって、階段を複数設けると。要は、2方向避難を確保するというような考え方がございます。
特に、これは火災対策に主に使ってるわけですけども、そういった意昧で基本的に言いますとエレベ−タ−は例え場地震が来たら使わないでもらいたいと、火災の場合も使わないでもらいたいと。非常用のエレベ−タ−は、消防隊が突入するための支援の機械ですというような考え方を持っております。
したがいまして、基本的には避難階まで階段で上がる、ないし下がるというような形での避難の考え方を建築におきましては持っております。
先ほど委員から御質間の、想定しているかということにつきましては、想定をしておりませんということでお答えさせていただきます以上です。
(8)アクションプログラムの目標年度について
○浜井
11番委員に関連して質問いたします。地震予知と言ってますけども、いつ来るかわからないと言いながら2006年度のプログラムは「平成27年目標」となっているわけですよね。
そうすると、このアクションプログラムを見た県民は、何だ平成27年までに100%やればいいのかと読み取る人も中にはいるだろうと思うんですね。
すると、東海地震の逼迫性というのは余りPRできないんじゃないか。だから、10年先というより、できるだけ5年ぐらいの期間で私はやるべきだと思います。
さっきの前田室長の答えの、5年から先の事業費はわかりませんということ茂分からないわけではない。未来のことは言えないわけですから。だから、私はここら辺にも地震対策に対する逼迫性の県民へのPRがちょっと矛眉してるんじゃないかと思うんです。
○前田総務部防災局防災政策室長
計画に27年度という数字が出て、何か切迫性と相矛盾するということですけども、このアクションプログラムは、昨年、国がつくりました地震防災戦略のようなものを都道府県もつくれという話の中で、アクションプログラムの改定と地震防災戦略の策定のこの2つを兼ねております。
地震防災戦絡の減災目標は10年間で半減です。私どもとしては、何年間がいいかは別にしても、やはり半減を掲げるんだろうなということを前提として計画の策定をいたしました。実際、各部局と事業の進捗率を聞いて積算いたしますと、とても5年では半減には至りませんので、ここは10年とさせていただきました。
ただし、私どものアクションプログラムのすべてが27年度を目標にしているのではなくて、今の遺体処理業務もそうですけども、もっと早く対応ができるも,のは早くやるということで、個々のアクションに関しては時間設定をしているということが一つです。
それから、3年ごとに検証をいたします。減災目標等ちゃんと掲げてありますので、3年ごとに数字的に検証をして、それまでの進捗が速いものについては前倒しで実施するということも考慮していきたいと思いますので、そういう形で県民の皆さんには御説明をしていきたいと思います。以上です。
(9)国土地理院の阪神・淡路地震と中越地震の連動説について
○浜井
次に、実は国土地理院が阪神・淡路大震災と中越地震は連動してるんだと、知ってたんだというような想定、前提の資料を出してるんですね。これは、新潟一神戸構造帯ということです。我々が迎えようとしている東海地震はフィリピン海プレ−トがユ−ラシアプレ−トの下に潜り込んでるという想定。だけど、こちらは北米プレ−トがユ−ラシアプレ−トに潜り込んでるということなんです。
それで、新潟−信濃川沿い−琵琶湖、神戸市、淡路島と500キロにわたって、数十キロから200キロメ−トルの間で年闘約2センチ圧縮してる。これ、直近の数字です。静岡県のこの周辺は、これによると年間1センチです。だから、恐らくこちらの新潟・神戸構造帯の方が圧縮率は高いんですね。
要するにプレ−ト境界のひずみは、むしろ東海地震より向こう側に移動してるんではないかという仮説を立てている大学教授もいるということです。
そうかといって東海地震が来ないということではありませんけども、今言ってる平成27年という.ような目標年次を掲げていると、こういう説がいかにも信懸性を帯びてくるということだと思うんです。こうした説に対する見解があったらお答えください。
○岩囲総務部防災局防災情報室長
新潟・神戸構造体につきましては、まだ国土地理.院のGPSの観測網等によって、この前の奉学会等で提唱されておりまして、地殻のひずみ量が大きいゾ−ンが神戸から新潟のゾ−ンにかけてあるんではないかと。
今、委員の御指摘のありました北米プレ−トというのが、想定される東海のプレ−ト境界でございますけども、それが大きい流れで西にももう1本プレ−ト境界があるんではないかというような提唱でございます。
全体のひずみ量そのものは短期的に見た場合には大きいということが今回提唱されておりますけども、東海のひずみの蓄積のスピードと新潟・神戸のひずみの蓄積のスピ−ドが、そう大きく変わるという認識ではおりません。
いずれも年間数センチのレベルで地面全体があるゾーンにひずみが集約しているということで、短期的には向こうの方が大きいというふうな報告を受けております。
それによって、東海地震そのものが切迫性がなくなるとか、なくならないという議論には、学会の方ではつながらないとは思います。
こういういろんな提唱が新たにされることで、東海地震そのものの認識が何か薄まっていくようなことについては、我々もきちんと注意を払っていきたいと思います。東海地震の切迫性についてはしっかり県民の方々にお伝えしていきたいと考えております。
(10)被災後の避難所における女性対策について
○浜井
次に、実は女性対策。アクションプログラムの策定には、部局でやったから特別外部の有識者は入ってない、こういう回答でした。
本当は避難所が1カ所です。今でも中越地方で避難所生活をしている人たちがいますよね。避
難所へ入っちゃうと、女性の場合は着がえをどうするのか。ある'いは、トイレをどうするのか。当初は下水道を使えませんから簡易トイレとか、段ボ−ルでつくったトイレを使わなきゃいけないと思うんですが、そうした状況はいずれ解消される。
だけども、避難所でずっと生活をしている。そうすると、更衣室というような概念はないんですね。トイレも女性用というのは、学校の中には男性・女性と分かれてますので、それは幾らか解消されるかもしれませんが、要するに何日かたって安定.してくると、だんなは勤めに行っちゃうわけです。残るのは、子ども、幼児と女性ということになる。そうすると、間仕切りもろくにない。仮設住宅へ入れればいいんですが、そうでない人たちはそこから来るストレスで精神約に変調を来すというような事例が幾つか見られると、こういうことが報告されてます。
そうすると、私はこのアクションプログラムの中で、今言ったような女性に対する配慮が必要で、これも一つの弱者対策です。強い女性は多いとはいえ、やっぱり一般の女性は
ある程度配慮してやるべきだと、こう思うんです。そういう対策についてどういう配慮がなされているのか、なされてないのか。一見するとなされてないように思うんですけども、その点についてご答弁をお願いします。
○小林総務部防災局長
まず、女性の視点の間魎ですけども、防災局長になって防災局の構成員を見た時に、実は管理室に女性が1人いるだけで、あとは皆、男性の職員です。嘱託の職員はいますが。 もちろん、出先の地域防災局には保健師さんがいますので、女性の職員はいますけども、確かに女性の意見をどういうふうに取り入れていくかというのは、非常に私は大事な視点だと思います。この計画をつくるときには、委員会方式を取らなかったんで、そういう構成にはなりませんでしたけども、これから各施策を具体的に実施していく段階で、委員が今言われたような、女性の視点から屍た、そういった御意見も施策によっては伺いながら、具体的な施策展開をしていきたいと思います。そういうことで御理解いただけたらありがたいと思います。
(11)私立幼稚園の耐震環境整備について再度の質問
○浜井
私立幼稚園の耐震改築の関係について、もう一度最後に伺います。これ、過去に私、発言してるんですよ。園舎の塀としてブロック塀等がある場合などについての対応を。
当時は、まず園舎の改築が先ですという答弁だったわけです。だからまず、園舎を改築する、耐震改築する、補強する、それが先ですという返事だったんです。
だけど、今、耐震化が70%まできて、すべて要望にこたえてるという中で、さっき言ったように、外で遊んでて地震が突発的に来てブロック塀が倒れて園児が死傷したということだと、それではいたいけな、一番、人生の中では守ってやらなきゃいけない幼稚園児を守りきれないということになる。だから、財政的に園舎の周辺の環境整備も含めた対応ができないかということについて、先ほど質問したわけです。
今のところこの制度は園舎だけということになってるはずです。だけども、横にがけがあるとか、高い塀があるとか、あるいは門扉があるとか、門柱があるとか、園舎を取り巻く周辺にはいろいろな悪条件があるわけです。
ここまで園舎の耐震化が進んだから、それは考えられないかということを質間したんだけども言葉足らずでわからなかったかもしれない。部長に、ひとつここで最後に締めてもらって、それで質問を終わりにします。
○白岩総務部長
おっしゃるとおりだと思います。ただ、現在十分かというと、まだ耐震化率が70%という考え方もあります。委員の方がよく御存じだと思いますが、幼稚園はかなり零細経営な場合もありますので、啓発作業、これをまず重視したいと思います。
今回、耐震補強だけなのかという議論が、実は内輪ではありまして、見ていただきますと改築というのが入ってると思うんです。改築みたいなことをやるときに全体の構成を変えると思いますし、旧態依然たる鉄筋も通してないブロヅク塀でいいのかという間題も、これは十分議論していただきたいと思います。幼稚園の園長先生とか、そういった経営者の方に、どういうことが大事なんだということを情報提供することが、まず大事だと思いますので、それも含めて、また、第二ラウンドじゃないかという委員の呼び水かもしれませんので、その点も室の方によく検討させたいと思います。
若干蛇足ですが、アクションプログラムの10年計画が不十分じゃないかという議論もあるんですが、恐らくこれは作業プログラムとしてのアクションプログラムと、それから啓発政策としての計画と、防災計画という2つの点、両方混在して考えて一発で終わらせようという考え方をしていると、委員の御指摘はまことにはまっちゃうんだろうと思います。逆に言えば、アクションプログラムはあくまでアクションのプログラムですから具体性がないといけませんし、一定のスパンも要ると思うんですけれども、3年ごとに見直すと言ってますので、そのタイミングでちゃんとした、きちんとした啓発もしなきゃいけないと思います。
個人的に申し上げますと、今から32年前ですか、33年前ですか、石廊崎の大地震がありましたけれども、地割れが起こった時にこの日本国全体でも「日本沈没」なんて議論がありました。あのころの世代の人というのは、地震というのはそんなに新しい説が出たからどうという感覚ではないと思うんですね。そういうようなことを機会をとらえて、引き続き「天災は忘れたころにやってくる」じゃなくて、忘れさせないために政策をやるというのが防災局の仕事だと思いますんで委員のご指摘を踏まえながら検討したいと思います。
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