○浜井
それでは質問させていただきます。 秋葉ダム上流部から水を引いて三方原台地で米をつくるという農業水利、つまり三方原用水についてであります。昨今の浜松市の農業形態は大きく変わっている。浜松市の西北地域、三方原農協、伊和富農協、庄内農協などの管内では、今は米は殆ど作っていません。ここでは露地やハウスによる花や三つ葉、セロリなどの野菜栽培が盛んに行われています。
今、一年を通して水が必要な農業に変わっていますが、肝心の水がない。
そこで質問ですが、現行農業の実態に合わせた三方原用水の冬期用水の確保について、県はどのように考えているのか。国とどのような交渉を行っているのかということについて伺います。
○岸田農地企画課長
三方原台地は、明治初年から入植によって開拓されたのをはじめとして、更に終戦後は国営開墾建設事業等で開田、開畑されました。一帯は、天竜川や都田川
から孤立した台地で、水の便は悪く、干ばつに強いサツマイモなどの根菜類を主体とした農業が展開されてきました。
戦後の食糧増産政策により、当地域の農用地に用水を確保するため昭和35年から国営三方原水利事業が、また昭和40年からは県営かんがい事業が実施されてきました。
しかし、昭和50年代には既に水田は自家消費米程度に縮小され、今日では畑作を主体とした営農形態に変化してきていることは委員ご指摘のとおりです。ただ、昭和40年2月20日付けで本県と農林省、建設省など8者による覚え書きに基づいて、「三方原用水の秋葉ダムからの取水に関する協定書が締結されています。その協定の中で、取水量は別表に定める水量を超えて取水を行わないものとすると定められています。また、取水についての細目協定書も取り交わされており、その第4条でも、協定水量を超えて取水しないものとすると定められております。
私どもは、国に対して繰り返し協議を行ってきましたが、「期別取水量の変更は、河川の正常な流量を確保する上で問題があり、水量の変更には新たな水源が必要」とする国の主張を超えることができません。
したがいまして今後とも、国と粘り強く協議を継続していきたいと考えております。以上でございます。
○浜井
水利権の更新がなされていないと聞いていますが、更新期限はいつになっていますか。
○岸田農地企画課長
更新期限は本年の9月30日になっています。但し水利権の許可の期間については別段の基準はなく、水の使用期間は起業者の出願によって河川管理者がこれを決めることになっています。この期間について、かんがい用水は10年が標準とされています。
○浜井
水利権更新がなされてないということなんですが、更新の継続ができないということではないんですね。
○岸田農地企画課長
継続許可は新しい権利を設定する許可ではなく、既存の権利の継続を承認する行為であるとされてますから、更新許可がなくても、既存の水量の水利権はなお継続しているということになります。
○浜井
わかりました。今後も強力に国に働きかけて、現在の営農形態に沿った水量の確保をはかっていただくようお願いして質問を終わります。
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