有料道路事業は、道路の通行又は利用について料金を徴収する道路事業ということになっている。
昭和27年に、道路整備等区別措置法(旧法)が制定され、戦後、国や地方公共団体において、復興のために必要とされる道路整備の財源不足を補うため借入を行い、完成した道路から通行料金を徴収してその返済に充てるという方式が制度化された。当然、返済が完了すれば、無料化される道路である。
一方、道路法による道路以外の道路で、道路運送法第2条第8項に基づく一般自動車道という道路もある。これは、その道路で自動車道事業を経営しようとする者が、国土交通大臣の免許を受けて建設し、供用する道路をいう。
浜名湖レ−クサイドウェイは、昭和40年12月に、一般自動車道としての事業免許を受けた道路運送法に準拠する有料道路である。こうした一般自動車道は、借入金を返済した後においても有料道路として存続することは可能だ。
本日、石川知事は、道路公社が有する当該レ−クサイドウェイについて、かねてから、国土交通省に提出していた自動車事業廃止許可申請書が受理されたことを受けて、これを無料化すると発表した。
浜松市と合併する以前から、湖西市並びに三ヶ日町関係者などを中心に強い要望があった道路の無料化がようやく実現する
浜名湖レ−クサイドウェイは、東名三ヶ日インタ−チェンジを出て国道362号線の交差点を起点に、南に浜名湖、北に猪鼻湖を望んで、瀬戸大橋を経て国道301号線につながっている。この湖西市から三ヶ日町間総延長わずか5キロメ−トルの有料道路は、昭和43年4月1日に供用開始されると同時に、静岡県道路公社に料金徴収業務が委託され、その後同公社に引き継がれた。
以後39年間にわたって、毎年1日平均約3千台、年間約百万台の車両が訪れる湖岸道路として人気を博し、今日に至っている。
沿線に瀬戸などの名所を擁する三ヶ日町は、一昨年の7月1日に浜松市と合併し、新市を構成する町としてこの4月1日に政令指定都市に生まれ変わる。政令市発足後は、県が管理してきた国道、県道の維持管理権限などが、全面的に移譲されるということも追い風になった。
この無料化によって、浜松市は三ヶ日町周辺地域の地域づくりの好カ−ドを手にしたといえるだろう。国道1号線から湖西市経由で三ヶ日町に入り、現東名の三ヶ日インタ−チェンジからジャンクションで新東名の引佐インタ−チェンジへ、更に高規格道路の三遠南信自動車道で長野県へと結ばれる。
日本のほぼ中心にある三遠南信地域のほぼ中心に位置する三ヶ日町周辺は、観光と産業の両面で大きな可能性を秘めていると思うのだがどうだろう。 |
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