ビデオ映像      2002年ボート部アルバム


 三年男子 丸川英也・小林平典・高井正良・山内祐人

 三年女子 大脇巳佳・汲田有衣・前田亜希美・岩井由香里・小田麻衣子・鈴木徳子・西山英里・伊佐治美幸・小栗梓
 顧問 横山厚志・角田文嗣・古川真哉


鈴木徳子さんのイラスト

   高校3年間の思い出
                 伊佐治美幸

高校3年間の思い出。そういわれたらきっと、部活を続けていたこと、ボートに関わっていたこと、それが一番に思い浮かぶほど私達にとってボートの存在は大きいものです。練習メニューは厳しい、冬のトレーニングは過酷。こんなにつらいスポーツだなんて知らなかった!休みたい、辞めたい、そう思うことが何度かありました。でもここまで続けてこれたのは、ボートに魅力があったこと、そして周りの環境に支えられてきたことが大きな理由です。厳しい練習を通して得られたものは技術や体力だけではなく、仲間との信頼感、絆、友情です。大げさに聞こえますが実際、雨の日も風の日も雪の降る中でさえ、天候に左右されることなく毎日練習をともにしてきた仲間、それはかけがえのないものです。その絆がお互いを支え合ってきたんだと思います。その絆はクルーのみ、漕ぎ手のみだけではありません。親切に、時に厳しく一人でたくさんの仕事をこなし、いろんな面で漕ぎ手を支えてくれた、私達にとって最高のマネージャーである前田さんは、漕ぎ手とマネージャーという違いも感じないほど、ともに部活を頑張ってきた仲間です。
 そして最もお世話になったのは顧問の横山先生です。一ヶ月の練習メニューの作成、艇の修理、漕艇の指導・・先生に支えられてこそのボート部です。出艇前のメニューの確認、練習を終えてからの反省ミーティングなどの毎日の積み重ねは試合に向けての練習に欠かせないものでした。意識を高めて練習に集中し、ベストの状態で試合を迎えられるように組まれたメニューは全ての基になるものであり、その上で結果を残してこれたのは先生のご指導のおかげです。
 2年半の思いと全てを出し切った最後の試合はたった5分にも満たないレース。勝ちたい、次もまた水上でボートを漕ぎたい、その一心で艇を進めてきたこと、みんなで川岸に立って必死で声を上げ叫んだ応援、艇を追いかけ何百メートルも走って見守ったこと。思い出は書ききれないほどありますが、ボート部で培われたものはこれから何かの力になると思っています。そしてこれからも、加茂高ボート部の活躍を期待して見守っていきたいと思います。後輩のみんな、これからも頑張って記録を伸ばしていってください。お世話になった先生方、本当にありがとうございました。

全国高等学校選抜ボート大会五位入賞     岩井由香里                    

 平均身長158センチ。この大会で2番目に体の小さいクルーは、横山先生からいただいたピンクの帽子に明るい青と黄色のユニホーム、黒のロングタイツ。見る人にはとても変に思えたに違いありません。しかしこれが私達の必勝のスタイルでした。
 私達のクルーは6月に結成され、毎日の厳しい練習と努力を重ねて十月に中部選抜で2位になり初めての全国大会への切符を手に入れました。2002年3月。全国高等学校選抜ボート競技。目標は予選突破。予選は去年のこの大会で優勝した宇和島東高、(2位が加茂高でした)それに去年3位の八幡商業高、他2校とレースをやることになりました。慣れないリギングをなんとか時間内に終わらせ出艇。「焦らずリズムにのって漕ごう」と試合前に何度も確認し合いスタートしました。初めて漕いだ2000。前半は大きくリードされ、いつもの試合と同じ1000Mだったら私達は負けていました。トップの宇和島東には8秒差をつけられたものの、2位で見事予選通過。その日は不安と緊張でひどく疲れたことを覚えています。
 2日目。準決勝。同じ県の八百津と一緒でした。八百津とは5月の県予選で戦うため、今負けるわけにはいきません。しかし、前日の予選通過で気が抜けていたのか、逆に緊張しすぎていたのか、試合前のアップも試合中も声かけがなく結果は2位の浦和一女高に一秒差で3位。決勝に駒を進める事ができませんでした。ゴールするなり悔し泣きをし、陸に上がってからもみんな落ち込んでしまいました。が、数時間後にすぐ順位決定戦が控えていたので、悔しさや後悔をバネにして気持ちを切り替え、自分達の漕ぎをする事だけに集中しました。スタートの合図で漕ぎ出し、自分たちにとって今大会最後の2000Mレースが始まりました。スタート、スパートは順調。トップに出る事ができ、今までの中で一番良いスタートでした。5人の気持ちと力が一つになっている事を身体で感じました。しかし、1000Mを過ぎた辺りで3番と2番のオールがぶつかり失速。一瞬パニックに陥りそうになったものの、すぐに立て直し漕ぎ出しました。「なんじゃこりゃー」ゴールした瞬間COX(舵取り)が叫びました。それもそのハズ。私達は2位とかなりの大差をつけ、ダントツトップでゴールしたのです。タイムは決勝も含めてトップ、もちろん今までで一番良いものでした。  その日の私達は1日の間に悲しみと喜びの両方を味わいました。そして初めての全国大会で5位に入賞する事ができ、先輩達のすばらしい結果に引け目を感じながらやってきた2年間でしたが、これで自分達の実力を知りやっと自信をつける事ができました。これは、いつもご指導して下さった先生方をはじめ、応援にきて下さった保護者の方々、先輩方。共に心身を鍛え抜いてきた仲間の支えがあってこそだと思っています。私達はこの貴重な体験を一生忘れないし、宝です。これから生きていくための力にきっとなると思います。ありがとうございました。

  国体に出場して
              丸川英也 
    

引退してから三日後、僕と三年六組小林平典君は、国民体育大会ボートの部を目指す男子ダブルスカル岐阜県代表に選ばれました。僕たちは、これまでの試合でいい結果を出したことがなかったので「僕たちでいいのか」と不安な気持ちで一杯でした
 国民体育大会に出場するには県大会と東海ブロックを優勝しなければいけません。僕たちにとってはとても大きな壁でした。
 七月二十一日県大会当日、僕たちは代表に選ばれたからには優勝してあたりまえというプレッシャーに押しつぶされそうでした。ガチガチの状態でスタートしたため、スタート・スパートでリードされたがインターハイに出場している恵那高にラストで抜き、なんとかギリギリで一位になり、県代表になれたがこのままでは東海は勝てないという事が、まじまじとわかる試合でした。横山先生や他の学校の先生にもそういわれ、僕たちは絶対見返してやるという気持ちで、一生懸命練習しました。
 八月十八日当日、誰もが六種目中僕たちが一番可能性がないと思っていたと思います。そんな中での一レース目、接戦の末一位でゴールしました。誰もがビックリしていたと思いますが、僕たち自身が一番ビックリしていました。国体出場が現実になりかけてきました。しかし県大会と同様にスタート・スパートで出られてしまったので、二レース目はスタートからぶっちぎりでゴールしてやると意気込んで臨みました。
 そして二レース目。僕たちは背中をたたき合い、「ゴールの先は四万十川だ」の合い言葉で、勝つ気満々でした。スタート用意、よーい、ロー僕たちはスタートから周りを引き離し、ぐいぐいスピードにのって、一位でゴールできました。僕たちは、手をたたき合い、船の上で叫びまくりました。桟橋に戻ってくると、先生や部の仲間達、親や友達が一緒になって喜んでくれました。本当に最高の気分でした。国体は、九月二十一日から二十四日に高知県中村市の四万十川で行われるということで、僕たちは、国体で勝つためにまた練習を始めました。文化祭や体育祭で時間がさかれましたが、一生懸命練習をやり国体会場に乗り込みました。
 そして国体、一日目、二日目と配艇練習をして、三日目とうとう本番がきました。相手は、インターハイで優勝した宮城県、それに大分県と北海道でした。スタート・スパートで出られてしまい、結果は三位でした。
 二艇上がりだったのですごく悔しい思いをしました。でもくよくよしていてもしかたないので明日の敗復で勝てばいいんだと言い合いテンションを高めていきました。

 次の日、相手は長崎県、熊本県、高知県でした。僕たちは、背中をたたき合い気合いをいれ、スタートしました。必死で漕ぎました。スタートで出られ、追う展開になり、少しずつ追いついていきましたが抜くことは出来ずわずかの差で逃げ切られてしまい、その瞬間僕たちの高校ボート生活は終わりを告げました。結果としては、一回も勝てずに悔しかったけどすべての力は出し切れたので悔いはありませんでした。国体優勝は後輩に託したいと思います。
 高校生活の最後に本当に貴重な体験が出来ました。小林君と国体に向けてがんばった日々は一生の宝物です。本当にありがとう。
 最後に、僕たちを三年間指導してくださった先生方、先輩方、応援してくださった保護者の方々、本当にありがとうございました。そして共にがんばってきたボート部のみんな、みんなとは、一生の友達です。ほんとうにありがとうございました。