蘭の摘花

 ある日、木道のすぐ脇でとてもきれいな蘭の花が一輪咲いていました。数日後訪れてみると、そこには掘った穴があるだけで蘭の姿を見ることはできませんでした。
 そうです、盗掘なのです。怒りと虚しさが込み上げてきます。
狙われる植物の多くは絶滅が危惧されているものであり、もちろん葦毛でも数少ない植物です。(貴重の度合いが問題ではないのですが・・・)
盗掘が繰り返され、葦毛では見ることができなくなった植物もあるのです。
 幾度となく、このような状況を目の当たりにすると木道近くに蘭の花が咲いたときなど、この花は盗掘されないだろうかと、とても心配になります。そのようなときは、その植物が人目につきにくいように、そっと周りの草を被せたりしているのです。

 とある日、木道脇に可憐な蘭の花が咲きました。
その種は、葦毛では絶滅が危惧されているものです。どうしても盗掘される訳にはいきません。
 素晴らしい花の前で悩んでしまいました。盗掘されないために、この花を摘花すべきかどうかです。花を切ってしまえば、他の人がこの素晴らしい花を見ることができなくなってしまいます。しかし、盗掘されれば絶滅の恐れも増大するのです。しばらく葛藤の時間が流れました。しかし、可憐な花を見ていると私にはこの花を摘むことなどできませんでした。
 翌日、その植物が心配になって足を運びました。その花の前では、家族連れが写真を撮ったり、「綺麗だねーー」という声が聞こえたりします。そんな光景を見て、あーーっ、切らなくてよかったと胸をなでおろしたのです。
 これらの植物達をどうしたら守ってやれるのでしょうか?