葦毛湿原に残される戦争の爪痕

 駐車場から湿原へ向かう小径を歩いていると両側の雑木林には、幾つもの大きな穴があるのに気付くと思います。
 これは太平洋戦争の末期、葦毛湿原周辺一帯は燃料秘密貯蔵基地であり、独立戦車第8旅団鋭敏部隊の戦車の燃料入りドラム缶が空から発見されないように分散した燃料貯蔵壕に隠した遺壕なのです。また、湿原背後の山には地上戦に備えて掘られたと思われる壕も見られます。
 現在、小径脇の燃料壕は子供が落ちたりしないように枯れ枝などで埋められていますが、雑木林の奥には埋められていない燃料壕がいつも点在しています。
 もし、この地が戦場となっていたならば葦毛湿原は存在しなかったかもしれませんね。