この物語は昭和63年10月13日から15日にかけて学生登山愛好家浅井聡と井上達彦の
二名が山に対する日頃の経験不足も省みず、既に雪化粧を終えた北アルプスの名峰
槍ヶ岳への登頂を試み、無事成功を収めるまでの記録である。
当時横浜に下宿していた二人は
NHK第二から天気図を書き取る
までの事前作業を行ったものの
十分な解析を行う術を知らず、
結局177で長野県の天気を確かめ
ることとなった。この頃山岳部では
猛吹雪になっていることも知らずに
のんきに事を構えている二人がいた
。これから井上隊員の下宿より彼のフェラーリに乗り込み松本までのドライブとなる。
上高地では当然の雪。
しかし本業たる学業にも多忙
な二人に日程の余裕は無い。
やむを得ず雪の夜をおして
横尾避難小屋まで到着、
軒先で仮眠を取った。