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テーマ:授業設計と評価
愛知県総合教育センター中学校初任者研修資料

中学校初任者研修
「授業の設計と評価」(英語)

平成19年6月6日(水)  
愛知県総合教育センター 
研究指導主事 犬塚 章夫

1 授業設計

(1)外国語科の目標

 外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎を養う。  学習指導要領より

(2)英語の目標

英語を聞くことに慣れ親しみ,初歩的な英語を聞いて話し手の意向などを理解できるようにする。
英語で話すことに慣れ親しみ,初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話すことができるようにする。
英語を読むことに慣れ親しみ,初歩的な英語を読んで書き手の意向などを理解できるようにする。
英語で書くことに慣れ親しみ,初歩的な英語を用いて自分の考えなどを書くことができるようにする。

(3)授業を設計する上で心掛けたいこと

@ 最終的に育てたい力・姿をイメージしよう

 「話す力」のイメージ・・・特定の課題に関する調査(英語:「話すこと」)結果

セクション ねらい
単語レベルでの発話ができるか、また正しく発音ができるか
指示された英語(文)の音声を後について繰り返すことを通して、短時間に正しい文を組み立てて発話することができるか
指示された英語での「話しかけ」に対して英語で応答できるか
与えられたテーマについて、一定の時間内にまとまりのある数文を話すことができるか

 キーワードは、「実践的コミュニケーション能力の育成」

 ・ 実際のコミュニケーションを目的として外国語を運用することができる能力・・・文法規則や語彙の知識をもっているだけではだめ
 ・ 「話すこと」だけの力ではない・・・「聞くこと」「書くこと」「読むこと」もバランスを取って指導

A ステップを踏んで力を育てよう

 ・ 教えたから、できるようになるわけではない・・・どうしたら身に付くのか、地道な取組を

B 指導案を書いてみよう

 ・ 単元の内容・・・(この単元で何を学習するのか)
 ・ 生徒の実態・・・(今、自分が教えている生徒のレディネス:それまでに学習したことがどれだけできるか)
          生徒実態調査シート(ダウンロードできます)
 ・ 単元の構想・・・(この内容を、目の前の生徒に、私はどんな工夫をして教えたいと思っているか)

C 一人でできる授業診断

 ・ 自分の授業について、生徒の意見を求める
    例)定期テストに「アンケート」を入れる
     ○一学期に一番印象に残った授業は何でしたか?それはどうしてですか?・・・好評であった授業がわかる。
     ○英語の授業をより良いものにしたいと思っています。
      授業の内容ややり方について、要望があれば自由に書いてください。・・・改善すべき点がわかる。

2 評価

(1)授業の成果は上がっているか(形成的評価)

@ 評価はテストをして、「できた」「できなかった」を判別するだけのものではない

 ・ 単元の終りに1度テストをして終わりではなく、単元終了近くでテストをし、その結果をみて「教え直し」をしたい
 ・ 常に確かめながら授業をしたい

A 評価の結果をみて、自分の教え方を振り返ろう

 ・ 「うちの生徒はできが悪い」、そう言ってしまったら、それ以上生徒は伸びない
 ・ できない部分をできるようにさせるには、どんな工夫ができるか考えたい

(2)単元の目標は何なのか(評価規準)

@ 評価規準と評価基準、その違いは

 規準(のりじゅん)・・・具体的に何を目標とするのか 目標の内容的、質的な面
 基準(もとじゅん)・・・評価(A、B,C)の間の線を引くためのもの 実際の状況を量的に表現したもの

A 4つの評価観点ごとの評価規準

外国語の目標
外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎を養う

評価の観点 評価規準の考え方 説明
ア、コミュニケーションへの関心・意欲・態度 @言語活動への取組 →言語活動に積極的に取り組んでいるかどうか
Aコミュニケーションの継続 →実際の言語活動のなかでコミュニケーションを継続する努力をしているか
イ、表現の能力 @正確さ(言語規則上の正しさ) →文法的に正しいなど言語規則に照らして正しいかどうか
A適切さ(言語使用上の正しさ) →コミュニケーションを行ううえで、場面や状況、言語の働きなどに照らして正しいかどうか
ウ、理解の能力 @正確さ(言語規則上の正しさ) →文法的に正しいなど言語規則に照らして正しいかどうか
A適切さ(言語使用上の正しさ) →コミュニケーションを行ううえで、場面や状況、言語の働きなどに照らして正しいかどうか
エ、言語や文化についての知識・理解 @言語についての知識 →語彙、音声、文構造、表現方法などとともに、言語運用、つまり実際に言語を使用することにかかわる知識
A文化についての理解 →言語の背景にある文化についての理解

B 指導案に書かれた具体的評価規準   (国立教育政策研究所 指導案例

単元第1学年 Lesson 6 ニックの家庭
単元の評価規準
○コミュニケーションへの関心・意欲・態度
 @英語を使った対話練習に意欲的に取り組もうとする(話すこと、聞くこと)
 A英作文に意欲的に取り組もうとする(書くこと)
○表現の能力
 @学習事項を用いた英作文ができる。(書くこと)
 A発音とアクセントに注意して、正しく音読することができる。(読むこと)
 B発音に注意しながら、大きな声で第三者に質問、説明、命令することができる。(話すこと)
○理解の能力
 @第三者についての説明や質問の内容および命令文を適切に聞き取ることができる。(聞くこと)
 A書かれた内容を正しく読み取ることができる。(読むこと)
○言語や文化についての知識・理解
 @第三者についての文や、命令文の意味と構造を理解する。(書くこと)
 A基本的な語句や文の発音の仕方、アクセントの位置を理解する。(話すこと、読むこと)

(3)通知表に載せるための絶対評価(観点別評価と総括評価)

@ 観点別評価と総括評価(評定)

観点別評価 総括評価(評定)
十分満足できると判断されるもの 十分満足できると判断されるもののうち、特に高い程度のもの
十分満足できると判断されるもの
おおむね満足と判断されるもの おおむね満足と判断されるもの
努力を要すると判断されるもの 努力を要すると判断されるもの
一層努力を要すると判断されるもの

A 観点別評価の仕方

※1 安定して評価できる「知識」は,1度だけ評価して何割程度に達しているかで判断することも可能です。
※2 英作文の作品や、ALTとの会話活動では、基準を決めておいてABCに振り分けて評価できます。
※3 「技能」や「関心・意欲・態度」は,環境や精神的な状態で変化しやすく不安定なので,複数回評価して,どの程度安定的に達しているかで判断するようにします。1つの規準を複数回(といっても通常2〜3回)評価して判断しますが,1回の評価では○か×を見極めればいいのです。○が続けば安定的,恒常的にその技能に達していると考えられるからA,半分程度○ならB,それ以下ならCと判断します。
 

評価基準表 (例 日本文化を紹介しよう)

評価の観点 評価規準の考え方 評価の場面
ア、コミュニケーションへの関心・意欲・態度 @言語活動への取組 ALTに日本文化を紹介する会話テストで評価(ア@) 英文を書いたノートを見ずにALTの顔を見ながら日本文化を紹介し、質問に答えている。※2 英文を書いたノートを見ながらだが、ALTの顔を見ながら日本文化を紹介できる。 英文を書いたノートを見ても、うまく読めず、ALTに伝わらない。
Aコミュニケーションの継続 ALTに日本文化を紹介する会話テストで評価(アA) ALTの質問に答え、質問がわからない時に聞きなおしたり、何とか自分の考えをALTにわかるように伝えたり、間を空けずに会話することができる。※2 ALTの質問に、間があくが、なんとか答えることができる。 ALTの質問がわからないと、会話が途絶えてしまい、それ以上続かない。
イ、表現の能力 @正確さ ALTに日本文化を説明する英作文を書かせて評価(イ@) 書いた英文清書に文法的に間違った文がない。※2 書いた英文清書に間違いがあるが、つづりの間違いや簡単な文法ミスであり、意味は通じる。 書いた英文清書に大きな文法ミスがあり、意味が通じないことがある。
A適切さ 教科書本文の音読テストで評価(イA) ※3
発音に注意をしながら、本文の内容を考えて表情を込め、大きな声で音読することができる。
×
声も小さく、棒読みになっている。
ウ、理解の能力 @正確さ 日本文化を説明したリスニングテストで評価(ウ@) リスニングテストが80%以上得点できている。(ただし、基本問題を50%、発展問題を50%として出題)※1 リスニングテストが40%以上得点できている。 リスニングテストの得点が40%未満である。
A適切さ ペアでの会話練習の様子で評価(ウA) ※3
相手の言った内容がわからない場合に、聞き返すことができる。
×
相手の言った内容がわからない場合、黙ってしまう。
エ、言語や文化についての知識・理解 @言語についての知識 新出文法事項の受身形が理解でき運用できるか文法テストで評価(エ@) 文法問題が80%以上得点できている。
(ただし、文法問題は、基本問題を50%、発展問題を50%として構成する。)※1
文法問題が40%以上得点できている。 文法問題の得点が40%未満である。
A文化についての理解 ALTに日本文化を説明する英作文を書かせて評価(エA) 日本文化についてさらに詳しく調べたりして豊富な知識をもっている。※2 日本文化について一般的な知識をもっている。 日本文化についての知識が欠けている。

B のぞましいのは

 ・ 全員が3以上(B以上)を取ってくれること
   2や1(C)を出したくない→追加の指導が必要となる
 ・ 形成的評価としても使いたい。
   単元の途中で評価し、Cの生徒にはBになるよう手立てを講じ、単元最後にもう一度評価する。
   (また、Aの生徒にはさらに発展的な学習への挑戦もさせたい。)

C 総括評価の出し方    (愛知県総合教育センター2002)
 ア 各観点別の評価の出し方
   A=2、B=1、C=0として学期ごとに合計を出し、「満足の度合」を計算する。
   「満足の度合」=得点点数を全てBの場合を基にしてその合計点数(つまり、評価の回数)で割った達成率
   例えば、学期に5回評価場面があるとして、AAAAAなら各2点で10点。それを5で割って「2」が満足の度合。
   「満足の度合」の数字でABCを決める。(下の表参照)

各評価項目の評価合計例 満足の度合
AAAAA=2.0
AAAAB=1.8
AAABB=1.6


AAAAC=1.6
1.5以上はA
AABBB=1.4
ABBBB=1.2
BBBBB=1.0
BBBBC=0.8
BBBCC=0.6

AABBC=1.2
AABCC=1.0
ABBBC=1.0
ABBCC=0.8
0.5以上1.5未満はB
BBCCC=0.4
BCCCC=0.2
CCCCC=0.0
ACCCC=0.4

0.5未満はC

 イ 総合評定の出し方
 各観点別の「満足の度合」の平均を出す。
 この場合、各観点のそれぞれの合計を1:1:1:1とするのか、ある観点を増やして1:1:1:2にするかなど検討して合計点を出す。

4つの観点別評価 満足の度合の平均 総合評価
AAAA
AAAA
2.0 2.0 2.0 2.0 = 2.0
1.8 1.8 1.8 1.8 = 1.8
1.8以上は5
AAAA
AAAA
ABBB
1.8 1.8 1.8 1.6 = 1.75
1.6 1.6 1.6 1.6 = 1.6
1.6 1.4 1.4 1.4 = 1.45
1.4以上1.8未満は4
ABBC
BBBB
BBBB
1.6 1.4 1.4 0.4 = 1.25
1.4 1.4 1.4 1.4 = 1.4
0.6 0.6 0.6 0.6 = 0.6
0.6以上1.4未満は3
BBBC
CCCC
CCCC
0.6 0.6 0.6 0.4 = 0.55
0.4 0.4 0.4 0.4 = 0.4
0.2 0.2 0.2 0.2 = 0.2
0.2以上0.6未満は2
CCCC
CCCC
0.2 0.2 0.2 0.0 = 0.15
0.0 0.0 0.0 0.0 = 0.0
0.2未満は1

 

    どの観点も学期に10種類の評価データを入力したいですね。
    具体的にはどんなテスト(評価の場面)をすればよいのでしょうか。(具体例)