debate
全国高校生英語ディベート大会にジャッジで参加してみました
試合形式
順 | 肯定 Affirmative Side | 否定 Negative Side | 時間 |
1 | 立論 Aff Constructive Speech AD1 AD2 の提示 |
4分 | |
Preparation Time | 1分 | ||
2 | 質疑 Questions from Neg | 3分 | |
3 | 立論 Neg Constructive Speech DA1 DA2 の提示 |
4分 | |
Preparation Time | 1分 | ||
4 | 質疑 Questions from Aff | 3分 | |
Preparation Time | Preparation Time | 2分 | |
5 | アタック Neg Attack AD1 AD2 への反論 |
2分 | |
6 | 質疑 Questions from Aff | 2分 | |
7 | アタック Aff Attack DA1 DA2 への反論 |
2分 | |
8 | 質疑 Questions from Neg | 2分 | |
Preparation Time | Preparation Time | 2分 | |
9 | ディフェンス Aff Defense AD1 AD2 への反論への反論 |
2分 | |
10 | ディフェンス Neg Defense DA1 DA2 の反論への反論 |
2分 | |
Preparation Time | Preparation Time | 2分 | |
11 | 総括 Aff Summary AD1 AD2 を DA1 DA2と比較して、 AD が強いとまとめ |
2分 | |
12 | 総括 Neg Summary DA1 DA2 をAD1 AD2と比較して、 DA が強いとまとめ |
2分 | |
38分 |
各スピーチの具体的内容
Aff 肯定側 | Neg 否定側 |
@Affの立論 プランを明らかにする。 そして、そのプランによって、どんな Advantage(利点)が得られるかを述べる。 @present situation 現状 プランがない現状では、こんな問題点がある、だから プランが必要であることを示す。 Aeffect 効果 プランを行うと、どんな効果が得られるのか について述べる。 Bimportance 重要性 得られる利点に重要なプラスの価値があること について述べる。 これらのAdvantageが異なった事柄に 言及していれば、2つに分ける。 ただしAdvantageは2つまで。 |
ANegの立論 プランを実施した場合に、どんなDisadvantage(弊害点) が生じるのかを述べる。 @present situation 現状 プランがない現状には、とくに問題がない、だから プランは必要ないことを示す。 Aeffect 効果 プランを行うことによって、どんな弊害が起きるのか について述べる。 Bimportance 重要性 起こってしまう弊害点に重要なマイナスの価値があること について述べる。 Disadvantageも2つまで。 |
CAffからのアタック Negの示したDisadvantageの問題点を攻撃する。 @プランがない状態でも、Disadvantageは発生してしまう。 not unique ANegの示す「プランを行うことによって起こる弊害」 は起こらない。no effect BNegの示す弊害点には価値がない。not important |
BNegからのアタック Affの示したAdvantageの問題点を攻撃する。 @プランがない状態でも、Advantageが得られる。 プランは必要ない。not necessary AAffの示す「プランからの効果」は認められない。no effect BAffの示す利点には価値がない。not important |
DAffのディフェンス Negのアタック内容に対して、再反論をする。 Affのプランから得られる利点について、証明しなおす (再構築する)。 |
ENegのディフェンス Affのアタック内容に対して、再反論をする。 Negの示す弊害点について、証明しなおす(再構築する)。 |
FAffの最終弁論(総括) 議論されたことを比較検討し、最終的に肯定側の議論が 優れていることを語る。 |
GNegの最終弁論(総括) 議論されたことを比較検討し、最終的に否定側の議論が 優れていることを語る。 |
議論の流れを見やすく整理するためのメモ
@Aff Const. Speech | ANeg Question | DNeg Attack | EAff Question | HAff Defense | JAff Summary | KNeg Summary |
Plan 1 2 Advantage 1 1 present situation 2 effect 3 importance Advantage 2 1 present situation 2 effect 3 importance |
←Question ←Question |
←Attack ←Attack ←Attack ←Attack |
←Question ←Question |
←Defense ←Defense ←Defense ←Defense |
AD1>DA1 AD2>DA2 ... Aff>Neg |
DA1>AD1 DA2>AD2 ... Neg>Aff |
BNeg Const. Speech | CAff Question | FAff Attack | HNeg Question | INeg Defense | ||
Disadvantage 1 1 present situation 2 effect 3 importance Disadvantage 2 1 present situation 2 effect 3 importance |
←Question ←Question |
←Attack ←Attack ←Attack ←Attack |
←Question ←Question |
←Defense ←Defense ←Defense ←Defense |
ジャッジの判断基準
1 List of Issue 論点名 |
2 Probability もっともらしさ |
3 Value(Impact) 価値 |
4 Strength 強さ |
AD1 | Hi / Low | Large / Small | Strong / Weak / None |
AD2 | Hi / Low | Large / Small | Strong / Weak / None |
DA1 | Hi / Low | Large / Small | Strong / Weak / None |
DA2 | Hi / Low | Large / Small | Strong / Weak / None |
中学生に英語ディベートは可能か
(1)中学3年で英語ディベートに挑戦してみました
実践1では、少人数クラスを興味別に分け、@ディベートに挑戦クラス、A英語コミュニケーション活動で復習クラスに分け、ディベート挑戦クラス12名を3チーム(各チーム4名)に分けてディベートに挑戦しました。3チームで総当たり戦3試合を最終目標として授業を行った。
実践2では、少人数クラスを名簿番号で単純に2分し、片方のクラスをAffirmative Team、もう片方をNegative Teamとして、それぞれ2チーム(1チームは約10名)を作り、その2チームの片方のチームが教室を変わることで、それぞれの教室でAff
teamとNeg teamのディベートを1試合行うことを最終目標として授業を行った。
参考論文:犬塚実践
実践1:平成14年度 「英語ディベートへの挑戦、その第1歩−少人数授業を通したアクションリサーチー」
ディベートの題「小学校で英語を教えるべきかどうか。」
実践2:平成18年度 「英語ディベートへの挑戦、その第2歩−少人数授業を通したアクションリサーチー」
ディベートの題「家でビデオを見るのがよいか、映画館で見るのがよいか。」
この実践で使用したワークシートは、下に示す「わくわくワークシートホームページ」のワークシートダウンロードに「ディベート」とキーワードを打ち込むことで入手できます。
実践1で得た課題は、意見発表(スピーチ)をするとき聞き手の理解度を考えずに用意した英文を読むだけの生徒、相手の意見(スピーチ)の意味がわからず、質問も反論もできないでいる生徒、の姿が見られた。
実践2では、それらの課題を解決すべく、「相手にわかりやすく話す」「相手の話に注目して聞く」などのペア練習を組み入れ、それぞれ意見を言った場合に相手がどう反応してくるかを予想させ、クラス全体で英語を作る作業をさせてきた。
2つの実践から得た知見
@ Show and Tellなど、相手の理解度を確かめながら英語を話す練習が1年生から必要
A 日本語を正しく英語に訳すことができる力を1年生から育てる
B ディベートのしかた、ルール、戦い方、など日本語でも理解させ、日本語のディベートにも慣れる
(2)プロコン・ゲームに挑戦
富士松中の研究発表で、以下に説明する「プロコンゲーム」に挑戦してもらった。ディベートのような意見の応酬では、準備も複雑になり、対応ができない。それぞれいろいろな意見を準備しておき、相手の意見に合わせて、反論を取捨選択し、相手に返していく活動というかたちで、ディベートを簡略化した。
プロコン・ゲーム=プロ(賛成派)、コン(反対派)に分かれる。プロ側が、賛成意見を述べ、一定時間にコン側がいくつ反論できるか。またその逆も行い、反論数を比べて勝敗を決める。
(3)今後の可能性
上の1で紹介した高校生の英語ディベート大会のフォーマットは、たいへんわかりやすく、中学生でも応用する可能性を感じた。意見のやりとりこそ、ディベートの楽しみであり、知的好奇心をくすぐるような意見の応酬こそ、英語を話す強い意欲へとつながってくる。中学生の英語ディベートにさらに挑戦していきたい。
(4)他校の実践を調べてみると
○兵庫県三木市立自由が丘中学校 中学2年で、クラスを2つにわけてディベートをしています。お互いに意見を言い合い、その中からベスト3の理由を選び、どちらがより説得力があるかをALTにジャッジしてもらっています。学校のホームページ(下記)に記事あり。
英語ディベート1 英語ディベート2