2005.5.7



E: Padaria 砂山町

ガ−ドをくぐると八幡橋のたもとにはブラジル系のハンバ−ガ−ショップが有ります。ここで感激なのはビーフサンドイッチなので、ぜひ御試し下さい。チ−ズ味とサラダ味の2種類あり、私はチ−ズ味(シュハスコ・コン・ケージョ)。

日本人が肉を食べるようになったのは高々百年ちょっとのことで、食べ方も「ビフテキ」と「トンカツ」からあまり進歩していないようです。モツは「放るもん」だとして値がつかないので台湾に輸出し、日本へは彼の地でモツより安い「精肉」を輸入していることでも分ります。それに対してブラジルは肉食文化の国なので、フィードロットで抗生物質と成長ホルモンをしこたま食わされた牛に、メキシコ人出稼労務者の指先の混じった挽肉で出来たハンバーガーを食べるくらいなら「死んだ方がマシ」という人が多いんじゃナイカと思われます。それでここのビーフサンドは牛肉そのもの、しかもクォ−タ−パウンダ−どころではない、しっかり6オンスはあるというものなのです。


F: Servi Rapido 砂山町

ブラジルの肉食文化をもう少し濃厚かつ手軽に味わおうと思ったら、新川の東岸を200m程下ると道端でくし焼きをやっています。これがただ牛肉を塩焼きにしただけなのですが、実に美味しい。しかしブラジル人とのバーベキューに付き合った人によれば、やはりブラジル人でも「焼き奉行」がいて、他の人には触らせないでバーベキューパーティーが終わるまでただ肉を焼き続けていたそうですから、簡単に見えて実は秘伝が有るのでしょう。

バ−ベキュ−100円、ビ−ル200円、大串(ちょっとすごい)500円で本場の味が堪能できます。ビールを飲みながら同年輩のブラジル人に、石原裕次郎の「俺は待ってるぜ」という映画の話をしたことが有りました。あの映画でハマのコーヒーショップでバイトをしている裕ちゃんは、「きっと成功してお前を呼んでやるから待っていろ。」と言い残してブラジルに渡った兄貴からの手紙を待っているのですね。そう言うと彼はひとこと「イシハラは嫌いダ。」というこっちは兄の方でしょう。


G: 民俗村 砂山町


新川の西側には韓国クラブのオネ−サン方が夕食あるいは夜食を食べに来る食堂も有ります。「女の値打は美貌だよ」という韓国伝統の「冬のソナタ」的価値観を誇るアジュマと「男のハートは胃袋の隣にある」というアガシが切り盛りしていて、韓国の家庭料理が味わえます。美味しいものも色々あるのですが、キムチとタッチュのみ、というのもアジョシ風。


H: Nina's 砂山町

新川の東側、サザンクロスのとなりに「サッポロ街」というカンバンが掛かった建物があります。1972年のサッポロオリンピックの頃に建てられて、その後そのままではないかと思われます。さすがに「ちょっと手を入れると歴史的建築物として残せるんじゃナイカ」と思われる状態なのですが、その中でニーナさんというタイ人が小料理屋をやっています。

その昔メーカーの駐在員と結ばれて、日本に来たのが、御主人が病気になり女手ひとつで、ということでした。聞くと最近御主人を亡くされて、お店も模様替えをしたいとのこと。うーん、あの建物全体に手を入れた方が良いんじゃナイカ、と思われます。  



シアトルに行くとセフコフィールドの野球場とダウンタウンの間を「国際地区」と称して主にアジア系の店が並んでいます。中国系、日系と共にタイ系、ベトナム系と賑やかで、結構な観光地となっています。神戸横浜の中華街、大阪や川崎のコリアタウンとまではいかなくても、浜松だって居ながらにして結構国際的な料理を楽しむことができるのです。風に乗って何やら美味しそうな匂いがしてきませんか。

地域情報誌「ami」15号(2005)へ掲載

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