Park and Ride and...
Shufflecar
Nanocar
2008.1.21
拝啓 鈴木 修 様

長年の合弁事業で学んだ、タタモータースさんがナノカーを発表しました。軽自動車の本家として、シャッフルカーを出されていはいかがかと、ご提案申し上げます。

ここで言うシャッフルカーとは、車両デザインだけでなく、車両と運用法をセットしにしたものです。都市交通の緩和のため、通勤車両ではパークアンドライド、シェアライドなどが米国などで考案され、我が国にも紹介されていますが、買い物など、通勤車両以外の中心市街地交通を緩和するために、中心市街地での通行に適した軽自動車を作り、これを安価なレンタルシステムで、パークアンドドライブという運用が出来ないか、という提案です。

携帯用ステレオにApple iPod Shuffle というのが有りますが,これは選曲機能を取り払って、「出てきた曲が聴きたい曲」ということでも軽量化を図っています。同じ様に思い切った機能限定で、都市交通に限定した軽自動車が出来ないでしょうか。「駐めてある車が乗りたい車」というわけです。

  1. 街乗りに適した軽自動車を、郊外の駐車場で貸し出します。
  2. レンタルフィーはバス賃程度にします。
  3. 自家用車を郊外の駐車場に止め、シャッフルを借ります。
  4. 中心市街地の駐車場では、乗ってきたシャッフルをそのまま乗り捨てます。
  5. 中心市街地の駐車場は、路上駐車スペースなどが好ましいでしょう。
  6. 帰りには中心市街地の駐車場で次のシャッフルを借り、
  7. 郊外の駐車場でシャッフルを降りて、自分の車で家に帰ります。
というシステムです。先進国での普通自動車の主流は、高速長距離ドライブを前提としたものであり、都市部での短距離低速走行には、必ずしも適しておりません。市街地走行には軽自動車が適しており、むしろまちなみに優しいのは、軽自動車だと言って良いと思います。都市部での短距離低速走行に限った車両デザインが開発出来れば可能性は更に広がるでしょう。

浜松駅前にも見られる放置自転車を、自治体によっては無料で貸し出す、という事業を始めている様ですが、中心市街地に集まる自家用車を、安価なレンタルシステムで代替してやれば、中心市街地の渋滞が緩和出来るのではないでしょうか。ニューヨークなどで行われている、中心市街地に乗り入れる自家用車には駐車料金を高く設定し、その収益で郊外駐車場を安く運営する、ということも考えられるでしょう。

浜松でいえば環状線の中には、軽自動車しか走っていない、という状態が出来れば、街中の混雑は大分緩和されると思います。さらに都心ではセニアカーを、そうしたパークアンドドライブに組み入れることで、更に快適な都市交通が実現出来るのではないでしょうか。

「遠州浜松広い様で狭い」ところで生み出された軽自動車が、世界で広く受け入れられようとしていますが、21世紀型の都市交通に軽自動車の特性を、進化させて組込むことが出来れば、浜松から世界に発進する自動車の「かたち」がもうひとつ増えるものと思います。

敬具 古山恵一郎

Nanocar
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